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しおりを挟む昔から憂吾は変なやつだった。俺たちの初対面は小学校の入学式だ。遠く離れた外国から引っ越して来た憂吾は、“花のような美少年だ”と、入学初日から多くの人たちから注目されていた。さらに、頭も良く、スポーツも万能。人に囲まれる要素しかない。完璧な人間だ。それなのに、どういうわけか、憂吾は特に秀でた才能がない俺にべったりだった。どのくらいべったりかといえば、移動するときは必ず手を繋いで歩いていたし、“連れション”は当然で、“大”のほうをするときも個室に2人で入ってるくらいである。笑い事じゃない。本当の話だ。幼い頃からの刷り込みで“友達との付き合い”ってこういうもんだと思ってた。しかし中学生になり、性のあれこれに過敏になり情報も増える中で、ようやく俺たちの付き合い方は変だと気付いた。
だってさ、
「…ふふっ、遼、振られちゃったね?」
「んあっ…そ…こっぉ…」
友達同士ってこういうことしないだろ?
「大丈夫だよ。僕がいるでしょう?また元通りになっただけ。これが本来の形なんだよ」
ぱちゅんぱちゅんと生々しい音が俺の部屋に響き渡る。肉と肉がぶつかり合い、粘液が絡み合う音だ。蕩けた瞳には裸体の俺が映る。だらしなくヨダレを垂らし股を開き、腰を浮かせてる。見たくない。目を閉じれば唇を奪われた。
「ねえ遼。今僕たちは一つになってるんだよ。よく見て」
「ぁん…っ…みたくな…ッ…」
「見なきゃダメ」
耳の形に沿うようにじゅるるるっと舐められ、目を開けるよう促される。そのまま憂吾の口から銀色の糸が垂れた。「飲んで」と言われ、ゆるゆると口を開き、舌ですくう。喉を上下させれば、美しい緑色の瞳がとろんと甘く染まる。
「ふふ、僕たちが仲良しだって見せつけちゃった。でも僕があんな女に負けるはずがないよね?……遼の好みを知ることから始めて……何百年……何千年……想い続けて……ようやくここまできたんだ…今更あんな人間に負けるわけないっ……」
「…あぁ…っぅ、んぇ……?」
肉壁が擦られるたびにぽろぽろと涙が溢れた。快楽の波が思考を塗り潰していく。唇から伝って流れ行くヨダレを、目の前の麗しい男は、愛おしそうに啜っていた。
「…はぁ……遼のナカ…、きゅうって締まるぅ……、…僕を求めてくれてるんだね…っ、…ああ…、嬉しいっ…、興奮し過ぎてどうにかなっちゃいそう…」
「ぅ、あ…んっぁ……」
もうとっくにどうにかなってんだろ、と悪態を吐きたくなる。だがそんな余裕なんかない。俺は喘ぐことしかできなかった。やたらと早口に並べられる言葉は雨のように降り注ぐ。憂吾は肉壁を押し広げ奥へ奥へと入り込む。内臓が上に押し上げられる感覚だ。おえ、とえずけば、再び唇を塞がれた。
「んっ…りょお…すき…すき…」
上擦った甘い声とともに、ぱちゅぱちゅぱちゅ、と腰の動きが激しくなる。結合部が擦れて熱い。壊れてしまいそうだ。絶世の美男子といえる男が俺みたいな芋くさい男に、欲情し、無我夢中に腰を振ってる。何が間違ったらこうなるのか。誰もが抱く疑問だろう。俺が一番その答えを知りたい。
「りょうはぼくのことすき?」
「ぁあッ…っ…あ…ゃぁ」
女みたいな声が出る。嫌だ。この声が自分のものだと信じたくない。首を振る。すると「すきだよね」と、瞳孔が限界まで開き切った目が近寄る。肯定以外受け付けないと言わんばかりの圧に小さく頷けば、憂吾は嬉しそうに俺の乳首を唇を寄せた。
「あぁ、ゆぅ…ご…っ」
星が瞬くような快楽だ。乳首はぷっくり腫れていて、刺激を与えられるたびに、腰が勝手に動く。下はじんじんと熱い。自分の一番気持ち良いところに先端を押し付けてしまう。…もっと、もっと、もっと、激しいのが欲しい。
「ここ気持ちいい?蕩けた顔してるよ?同じところずっと突いてあげるね」
熱い塊が最奥に沈み込むたびに、ぐちゅっぐちゅっ、と激しい淫音が響く。与えられる快楽に抗うことができなかった。「あッ~ぁ…っ」と嬌声を上げれば、憂吾は目を輝かせる。それは狂った輝きだった。瞬きを忘れたように俺を見下ろす。その姿は不気味なほどに美しい。
「りょう…すきすきすきすきすきすきすきすき」
「あっ、あぁ…っ、ああぁぁっ、ゆ、ゆぅ…ご…っ」
目の前がチカチカ点滅する。絶頂が近い。おねだりをするように腰を振って快楽を貪った。
「お、…お、くっ、あたってるッ…」
「ふふ、きもちいいねえ」
「ふ、あぁ、…あ、きもちいい…きもちいいよぉ…っ…」
「『あぁっ…かわいい…ッ』」
歪んだ視界の中、複数の声が同時に聞こえるような感覚だった。
頬を両手で包まれ、顔が接近する。
「りょうっ、最高だよっ、…一緒にきもちよくなろ…っ…?」
「ぁあっ……あぁっ…あ――――」
ばちゅんっ、と貫かれ、視界が白く染まり、背を仰け反らせた。ナカにどくどくっと熱い飛沫を感じる。憂吾はそんな俺をうっとりと見つめて身体を震わせていた。緑の瞳はドロドロに蕩けている。ずっと見つめていたら飲み込まれてしまいそうだ。はあはあ、と肩で息をして、憂吾の唇を受け入れる。
「んぅ…っ…」
「りょう…りょう…」
ぎゅっと密着して舌を絡ませる。
互いの唾液が交わり、溢れた唾液は顎へ伝っていく。口蓋をざらりと撫でられぞくっと背筋が震えた。敏感な部分に舌が突く。果てたばかりだというのに、甘い刺激を繰り返されてこのまま脳が溶けてしまいそうだ。
「僕の遼は本当にかわいい…」
「んぅっ…」
「ずっと繋がっていようね……だれにもあーげない」
耳元で囁かれる声はどこか仄暗い。どろりとした甘い声が脳に響く。びくびくと身体を痙攣させながら、首筋を吸われる感覚に酔いしれた。
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