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しおりを挟む夢の中で、俺は泣いていた。
『ひっく…どうして……どうしてだよ……』
『……泣かないで……私のせい…だから』
俺のことを見上げる女性は美しい水色のドレスを着ていた。しかし本来ドレスで最も美しい部分であるスカートはぐちゃぐちゃに切り裂かれ、裾から見えるであろう脚はなかった。下半身が切断されているのだ。女の下半身は引き千切られ、大量の血が大理石の床に血溜まりを作っていた。生々しい匂いが鼻腔を刺激する。涙と血でぐちゃぐちゃになった手は震えていて、どうしようもできなかった。
『殿下にとって……私は…邪魔者よ………私が……全部…悪かったの…』
『やめてくれ…っ………違うッ……』
『……じゃあ…ね……お幸せに』
緑の瞳から光が消えた。やがて呼吸音は聞こえなくなり、体温は少しずつ冷たくなっていく。人の死は残酷だ。劇的な何かがあるわけじゃない。どんなに輝かしい人生を歩んだとしても、人の死は呆気ない。こんな風に、呆気なく、虚しく、消えてしまう。
『ああ、終わった?』
『っ……』
背後から男の声が聞こえた。こんな状況にも関わらず落ち着いた声色だ。悲しみの色は一切ない。むしろこの状況に歓喜するように声が弾んでるようにも聞こえた。
『リョウ、それと何処に行こうとしてたの?』
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