男女比1対999の異世界は、思った以上に過酷で天国

てりやき

文字の大きさ
29 / 43

29話 冷静に

しおりを挟む
《これが女の子の匂いってことかよ! この木が世界樹だろうが何だろうが、まともな状況じゃないぞ。助けないと!》

《止めておいた方がいいわ、無駄よ》

 腰の短剣を抜き、一番近くの女の子へと駆け寄ろうとしたが、ユノの思ってもいなかった言葉に足が止まる。


《無駄? 無駄ってどういうことだよ!?》

《時間の無駄ってことよ。想像以上に状況は良くないわ。戦闘の音が全く聞こえないでしょ? この中にいる女の子全て、こんな状態になってる可能性が高いわ。それを一人ずつ助けるの? 何万人いるか分からないのに? それに助けたとしても、他の人を助けている間に、また花に襲われるだけじゃない?》

《う……》

《助けたいなら、犯人をどうにかしないと》

《そう……だな、ちょっと焦ってたか》

《しょうがないわよ。こんな光景を見せられたら、私でも目を奪われるわ。童貞ならムラムラして、冷静でいられるわけないものね》

《ムラムラはしてないぞ!》

《冗談よ。それで? 冷静になったようだから訊くけど、どうするの? 犯人の居そうな所に行く?》

《ああ、向こうから来る気配はないし、そうするしかないか》

《そう。それじゃあ私としては、あそこが怪しいと思うけど》

《あそこ?》

《ほら、枝とか幹を逆に辿って行った先》

《…………城か》
 


 ★★★
 


 凄く心苦しいが、花に襲われている女の子達の横を通って城に向かう。

 俺を招き入れたであろう犯人は、未だにその姿を現していないから、急いでも冷静に、そして周りの警戒は怠らずにだ。


《あれ見てよ! あそこの建物の横!》

《何だ…………うぉぉ!》

 警戒を任せていたユノから声が掛かり、指示された方向へ振り向くと、そこには衝撃的過ぎる光景があって、思わず転びそうになる。

 穴という穴を犯されながら、アソコを花に咥えられ悶絶するオッサンが見えるんだ……。


《ちなみに、熟女や超熟女も同じように何人も襲われてたから、老若男女見境無しって感じかしらね。小さな子は見付けられなかったから、どうなってるかは分からないけど》

《そうなのか。いったい何が目的なんだか……》

 この木が世界樹かどうかは、ユノもまだ判断がついてない。

 そして人を犯す理由も、犯人がユノの刻印のような使い方をして、力を集めているのかと思ったが、呪術的なモノを俺もユノも確認出来ないから、何が目的かサッパリだ。


《でも、もう直ぐ分かるんじゃない? ほら、城の上の方、街中に響いている嬌声とは、明らかに様子の違う声が、かすかに聴こえてくるわよ》

《……確かに聴こえるな》

 ユノに言われ集中すると、城の最上階の一際枝が出ている部屋から、呪文のようにも聴こる声がするのを、エルフの優れた聴覚がとらえた。

 これは居るな。
 あそこにこのふざけた状況を作った犯人が。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

主人公に殺されるゲームの中ボスに転生した僕は主人公とは関わらず、自身の闇落ちフラグは叩き折って平穏に勝ち組貴族ライフを満喫したいと思います

リヒト
ファンタジー
 不幸な事故の結果、死んでしまった少年、秋谷和人が転生したのは闇落ちし、ゲームの中ボスとして主人公の前に立ちふさがる貴族の子であるアレス・フォーエンス!?   「いや、本来あるべき未来のために死ぬとかごめんだから」  ゲームの中ボスであり、最終的には主人公によって殺されてしまうキャラに生まれ変わった彼であるが、ゲームのストーリーにおける闇落ちの運命を受け入れず、たとえ本来あるべき未来を捻じ曲げてても自身の未来を変えることを決意する。    何の対策もしなければ闇落ちし、主人公に殺されるという未来が待ち受けているようなキャラではあるが、それさえなければ生まれながらの勝ち組たる権力者にして金持ちたる貴族の子である。  生まれながらにして自分の人生が苦労なく楽しく暮らせることが確定している転生先である。なんとしてでも自身の闇落ちをフラグを折るしかないだろう。  果たしてアレスは自身の闇落ちフラグを折り、自身の未来を変えることが出来るのか!? 「欲張らず、謙虚に……だが、平穏で楽しい最高の暮らしを!」  そして、アレスは自身の望む平穏ライフを手にすることが出来るのか!?    自身の未来を変えようと奮起する少年の異世界転生譚が今始まる!

付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜

咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。 そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。 「アランくん。今日も来てくれたのね」 そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。 そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。 「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」 と相談すれば、 「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。 そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。 興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。 ようやく俺は気づいたんだ。 リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。

クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら

リヒト
ファンタジー
 現代日本。人々が平和な日常を享受するその世界の裏側では、常に陰陽師と人類の敵である妖魔による激しい戦いが繰り広げられていた。  そんな世界において、クラスで友達のいない冴えない陰キャの少年である有馬優斗は、その陰陽師としての絶大な才能を持っていた。陰陽師としてのセンスはもちろん。特別な神具を振るう適性まであり、彼は現代最強の陰陽師に成れるだけの才能を有していた。  その少年が願うのはただ一つ。病気で寝たきりのお姉ちゃんを回復させること。  お姉ちゃんを病気から救うのに必要なのは陰陽師の中でも本当にトップにならなくては扱えない特別な道具を使うこと。    ならば、有馬優斗は望む。己が最強になることを。    お姉ちゃんの為に最強を目指す有馬優斗の周りには気づけば、何故か各名門の陰陽師家のご令嬢の姿があって……っ!?

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

処理中です...