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第一章・幼少期

18.グレイシアたんは、激昂する。

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アザルド王子の来訪から、数週間後。見事なまでに、やってくれた。アザルド王子は、理由を付け、自身の傍に置いて、その攻略対象を、一種の洗脳を解いて、空想力を引き上げて、実際に、魔力を持ち、魔法を顕現させたと、言う。まぁ、それは、別に、構わないのだが、問題は、その功績の矛先の行方、だ。平民ならまだしも、奴隷が魔法を顕現させたとなれば、注目度は、俄然増す。その功績が、何故かシアたんに向かっているのだ。だから、そのニュースを伝える、広告が我が領地に入った時、グレイシアたん、思わず、その広告を一瞬にして、燃やしていた。


グレイシア「ぁああああ、そう言えば、あいつって、言うことは、即実行に移すのは、知ってたけど、まさか、勝手に、僕の手柄にしてくれるとは、溜まったもんじゃないよおおおおおおおお!」


と、怒りを顕にしていた。これには、思わず王城に直行で、赴いていた。そして、そこにいたアザルド王子に、1発みぞおちに蹴りを軽く入れていた。本気で蹴ると、普通の人どころか魔物も、1発KOだからな。近くにいた、元奴隷の攻略対象は、サッとアザルド王子を守る動きに出る。だがしかし、アザルド王子は、一向に気にしない。寧ろ、この邂逅に喜んでいた方だった。


グレイシア「アザルドおおおおおおおお!勝手に、僕の手柄にしないでよ!僕は、あくまでも・・・・・理論を定義しただけであって、それが、僕の博識な知識で、1人の奴隷を、魔法の顕現に貢献した功労者って、大々的に告知しないでくれる??いずれか、僕は、フランソワーズ王国の第五王子として戻る際、色々と尾ひれがついて回るでしょうがぁああああ!ふざけないでよ!」


そうシアたんは、息巻く。だけど、キョトンとしているのが、アザルド王子だった。因みに、今、シアたんは、金髪碧眼である。


アザルド「でも、実際、オルビスは、元々奴隷だったのに、ちょっと・・・・想像する楽しさを知ったら、すぐ魔力を持ち、魔法を顕現させたぞ。これで、グレイシアの言っていた理論は、唯の空論ではなくなっただろう??それに、希少な___」

グレイシア「闇魔法。それは、とっくに知ってます。流石に、これは、公に公表出来なかったようですけど。あんたが勝手にやったことまで、僕の功績にされるのは、本当に困るんですぅううう!もしかしたら、僕が噓を吐いている場合だってあったでしょうよ!あっさり信じすぎるのも、よろしくないのでは??」

アザルド「まぁ、あくまでも可能性の話しだったのは事実だった。だけど、それを鵜吞みにしてまで、俺は、オルビスが欲しかったのだっ!それに、グレイシアは、いずれか王国に王子として、戻る予定だったのか。それは、嬉しいな。ああ、オルビスは、この間言った___」

グレイシア「だから、知ってるって。何度も言わせないでくれる??」


まぁ、アザルド王子は、誰にでも、真摯なので、例え、自分が実践したことでも、自分1人の責任として、受け取らないのだ。ちゃんと、誰に責任があるのか、冷静に見られる心優しい紳士的な正統派王子様。因みに、ゲーム内のグレイシアたんは、腹黒ドS。という属性。多分、このメインヒーローと、正反対にすることで、ファンの獲得層をゲットしたかったのだろうな。運営さんは。


実際、成功しているけど。ゲーム内のオルビスは、とある貴族の奴隷付きで、暗殺者の仕事を主にしており、メインヒーローのアザルドルートに入ると、気に掛けていたオルビスの暗殺対象者になるほど、この2人の関係性をウリにしている。バッドエンドで、オルビスにヒロインもろとも殺され、ハッピーエンドで、オルビスと対峙して、国外追放にしてしまう。また、オルビスルートに入ると、バッドエンドで、ヒロインを殺してしまう。ハッピーエンドで、魔法の顕現で、闇魔法を使って、それを目の当たりにしたアザルドに拾われて、奴隷ではなくて、騎士になって、ヒロインと、結ばれる。Trueルートでは、アザルド王子とグレイシアたんとの、関係性を問いかけるものになっている。因みに、ここにいる3人は、キャラクター人気上位3人。勿論、1位は、グレイシアたん。
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