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第一章・幼少期

19.グレイシアたんは、怒りを鎮めながら説明する。

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アザルド「とはいえ、闇魔法の使い手は少なく、過去の文献にもあまり記載がなく、扱いが困っている。何か情報はないだろうか?」

グレイシア「……1回だけ・・手伝うというお話しでは、なかったのではなくて??」

アザルド「じゃあ、報奨金を……」

グレイシア「たかが知れているし、これでも、伯爵家の爵位持ちだから、それなりに、儲けております。結構です」


ピシャッと撥ね退ける。それでも、アザルド王子は、引かない。


アザルド「そこを何とか。魔法を発現しても、魔力の鍛錬が出来ないなら、いつか魔力が暴発するではないかっ!」

グレイシア「じゃあ、これから、独り言を1人語っていきますので、勝手に聞かれても、仕方ないですねぇええ」


シアたんは、ヤケ起こしたな。完全に、棒読みじゃないですかぁああああ。まぁ、アザルド王子は、答えが出るまで、必死に、勉強に励むお方だし。反抗している方が、面倒だと、思ったのですか。


グレイシア「闇魔法は、まず心を操る洗脳魔法から始まり、人を殺めることさえも可能な属性で、特に、扱いに困る魔法属性ではございますが、端的に言えば、それは、自己防衛反応から、発生するものであり、言わば防御に長けている魔法属性と言えるでしょう。闇魔法から作られる結界シールドは、絶大な効力を示すと言われています。因みに、防御に長けているということは、実は、闇魔法も、光魔法同様、治癒魔法を使うことが、可能な属性でもあります。これぞ、正しく光と闇は、表裏一体の関係にあると言う証拠でありまして、腕1本くらいは生やすことくらいは、出来ます。まぁ、その際、注意しないといけない事項を挙げると、光魔法は、綺麗な光で、聖なる力で、治せるのですが、闇魔法の治療術ヒールは、1度使うと、治療部位がえげつない……いえ、少々グロテスクなので、耐性がない者が見ると、気絶不可避なので、行使なさる時はご注意ください。だけど、魔力を鍛錬なさるなら、治療術ヒールを徹底的に使うと、レベルが上がります。後、闇魔法は、別名義を、影使いと言われるくらいですから、影を使った鍛錬方法も、気軽に行えるものですね。例えば、魔法を行使しようとして、人の影を踏んでしまうと、その影を踏まれた人物の動きを封じ込めることが、可能です。また、人の影に入り込み、隙を狙って、影から出て、不意打ち攻撃するのも可能です。正直、この力は、暗殺などに用いられることが多いから、文献なんてものは、残っているはずはない。だけど、それ故に、闇魔法に秘められた可能性は大いに期待出来る」


因みに、ゲーム内では、ヒロインが、光魔法を使う為、グレイシアたんは、やたら闇魔法に、拘っていた。ヒロインとラスボス悪役ヒーローの対峙を一番、ウリにしているから、全属性使える癖に、闇魔法しか使わないラスボスの悲報。そこは、もっとチート感出せよ!グレイシアたんは、そんな柔な存在などではないのに!
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