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第三章
第27話 球技大会前から激闘
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今後の生活を楽観的に結論付けた翌日のホームルーム。
今日の議題は何だっけか。
俺がボンヤリと考えていると、ストレートの黒髪にスクエアタイプの黒メガネがトレードマークの井上ゆかり先生が、何故かニコニコと笑顔を浮かべながら教壇に立った。
「今日のホームルームでは6月の球技大会に向けて、各種目の参加者を決めます!!」
ゆかり先生がイキイキとしてそう宣言する。
やべえ……、球技大会の存在をすっかり忘れていた。
ひとまずは新しい問題は起きないだろうとか寝ぼけたことを考えていた昨日の自分にアホかと言ってやりたい。
どうしようと内心で焦っている間に、バスケットボール、バレーボール、ドッジボールと球技大会の種目が次々と黒板に書き込まれていく。
……この中で人間破壊兵器の俺が出ても何とかなる種目なんかあっただろうか。
バスケットボール……ドリブル、シュート、パス、ディフェンス、どれも能力が暴発する要素ばかりだから論外だ。
バレーボール……既にボールにスパイクして破裂させた前科がある。スパイクを避けたとしてもボールを追って飛び出したら、今度は人間ロケットとなって体育館の壁をぶち抜く気しかしない。これも無理があるな。
そもそも手を抜けば能力は発動しない。だけど、球技大会でロクに動かず力も入れないなんて真似をすれば、バスケットボールでもバレーボールでも悪い意味で目立ち過ぎる。
そうなれば非難を浴びるだろうし、不審感だって持たれるに違いない。
じゃあドッジボールならどうだ?
能力が発動させたボールを相手にぶつけようものなら、殺人事件になってしまう。
これも、話にならない……待てよ。相手にぶつけるなら問題だけど、近くの誰かにパスするくらいなら大して力を入れずに済むよな。
それにバレーボールと違って、コートの外に出てボールを追いかける必要もないし、もしボールに当たって外野に行ったなら、大人しくしてても目立たない。
あれ? ドッジボールなら能力を発動させないで乗り切れるんじゃないか?
「色々兼ね合いがあるでしょうから、少し話し合いの時間を作ります。席を自由に移動して構わないので、どの種目に参加するか今から話し合ってみて下さい」
ゆかり先生がそう締めくくると、各生徒がそれぞれ席を移った。
「聖也、お前球技大会に参加して大丈夫なのかよ?」
教室がザワザワと会話をしている中、近くに来た一樹が小声で尋ねてくる。
「ドッジボールなら何とかなると思う……。バスケットボールやバレーボールと違って、大して動かなくても済むからな」
「あー……確かにそうだな。でも別の種目に決まったらどうするつもりなんだ?」
「……その時は仮病を使うしかないな」
そうは言ったものの、この能力がいつ解除できるか分からない以上、今後を考えれば仮病という手段はできるだけ温存しておきたい。
……そういや俺、ゲームでも貴重な回復アイテムをもったいぶってなかなか使わないタイプだし、こう考えるのは性分なんだろうか。
俺と一樹がボソボソと話している中、多くの男子と女子は1箇所に固まって、バスケットボールの参加者を誰にするかと議論している。
そういや、バスケットボールは球技大会で1番人気のある種目だったな。
だから参加者は運動神経の良い奴を選ぶし、現に聞こえてくる会話からは俺のことなど全く話題に上がってすらいない。
今思えば俺がバスケットボールの参加を想定したのって、凄い自惚れだったな……。
気づく前に誰にも言わないで良かった。
内心ホッとしていると、バスケットボールの話題に参加している三浦が俺に視線を向けているのに気づいた。
その直後に他の女子から話しかけられて集団の方へと向き直ったが、俺の様子が気になるのか、何度かこっちを見てくる。
三浦も俺が球技大会をどうするのかを気にかけているんだろうか。
そうこうしている内に話し合いの時間も終わり、どの種目に参加するかバスケットボールから順番に挙手して希望者を募り始めた。
各種目の参加人数はそれぞれバスケットボールが5人、バレーボールが6人、ドッジボールが7人。
ウチのクラスの男子の人数がちょうど18人だから、全員がどれか1種目に参加することになる。
バスケットボールはスポーツが得意な男子5人が志望して参加者が過不足なく決定した。
ところが、バレーボールでは参加人数6人の内、志望者がたったの3人。
当然ドッジボールの志望者は俺と一樹を含めた計10人で、参加者はジャンケンで勝った人間が選ばれる流れになった。
この展開は……非常にまずい。
5人ずつの2グループに分かれた所で、去年も同じような流れになったのを思い出す。
あの時はジャンケンに負けてバレーボールへ参加する羽目になったんだ。
今回は絶対に負けるわけにはいかない。
ダメ元で、都合よく能力が発動するのを願って、ジャンケンに勝つ自分を全力でイメージする。
「せえのっ、最初はグー! ジャンケンホイッ!! ……ああっ!」
勝てるよう、祈りを込めてグーを出し……最初の1発で敗北。
……やっぱりこの能力ダメだ。肝心なところで全然役に立たねえ。
今日の議題は何だっけか。
俺がボンヤリと考えていると、ストレートの黒髪にスクエアタイプの黒メガネがトレードマークの井上ゆかり先生が、何故かニコニコと笑顔を浮かべながら教壇に立った。
「今日のホームルームでは6月の球技大会に向けて、各種目の参加者を決めます!!」
ゆかり先生がイキイキとしてそう宣言する。
やべえ……、球技大会の存在をすっかり忘れていた。
ひとまずは新しい問題は起きないだろうとか寝ぼけたことを考えていた昨日の自分にアホかと言ってやりたい。
どうしようと内心で焦っている間に、バスケットボール、バレーボール、ドッジボールと球技大会の種目が次々と黒板に書き込まれていく。
……この中で人間破壊兵器の俺が出ても何とかなる種目なんかあっただろうか。
バスケットボール……ドリブル、シュート、パス、ディフェンス、どれも能力が暴発する要素ばかりだから論外だ。
バレーボール……既にボールにスパイクして破裂させた前科がある。スパイクを避けたとしてもボールを追って飛び出したら、今度は人間ロケットとなって体育館の壁をぶち抜く気しかしない。これも無理があるな。
そもそも手を抜けば能力は発動しない。だけど、球技大会でロクに動かず力も入れないなんて真似をすれば、バスケットボールでもバレーボールでも悪い意味で目立ち過ぎる。
そうなれば非難を浴びるだろうし、不審感だって持たれるに違いない。
じゃあドッジボールならどうだ?
能力が発動させたボールを相手にぶつけようものなら、殺人事件になってしまう。
これも、話にならない……待てよ。相手にぶつけるなら問題だけど、近くの誰かにパスするくらいなら大して力を入れずに済むよな。
それにバレーボールと違って、コートの外に出てボールを追いかける必要もないし、もしボールに当たって外野に行ったなら、大人しくしてても目立たない。
あれ? ドッジボールなら能力を発動させないで乗り切れるんじゃないか?
「色々兼ね合いがあるでしょうから、少し話し合いの時間を作ります。席を自由に移動して構わないので、どの種目に参加するか今から話し合ってみて下さい」
ゆかり先生がそう締めくくると、各生徒がそれぞれ席を移った。
「聖也、お前球技大会に参加して大丈夫なのかよ?」
教室がザワザワと会話をしている中、近くに来た一樹が小声で尋ねてくる。
「ドッジボールなら何とかなると思う……。バスケットボールやバレーボールと違って、大して動かなくても済むからな」
「あー……確かにそうだな。でも別の種目に決まったらどうするつもりなんだ?」
「……その時は仮病を使うしかないな」
そうは言ったものの、この能力がいつ解除できるか分からない以上、今後を考えれば仮病という手段はできるだけ温存しておきたい。
……そういや俺、ゲームでも貴重な回復アイテムをもったいぶってなかなか使わないタイプだし、こう考えるのは性分なんだろうか。
俺と一樹がボソボソと話している中、多くの男子と女子は1箇所に固まって、バスケットボールの参加者を誰にするかと議論している。
そういや、バスケットボールは球技大会で1番人気のある種目だったな。
だから参加者は運動神経の良い奴を選ぶし、現に聞こえてくる会話からは俺のことなど全く話題に上がってすらいない。
今思えば俺がバスケットボールの参加を想定したのって、凄い自惚れだったな……。
気づく前に誰にも言わないで良かった。
内心ホッとしていると、バスケットボールの話題に参加している三浦が俺に視線を向けているのに気づいた。
その直後に他の女子から話しかけられて集団の方へと向き直ったが、俺の様子が気になるのか、何度かこっちを見てくる。
三浦も俺が球技大会をどうするのかを気にかけているんだろうか。
そうこうしている内に話し合いの時間も終わり、どの種目に参加するかバスケットボールから順番に挙手して希望者を募り始めた。
各種目の参加人数はそれぞれバスケットボールが5人、バレーボールが6人、ドッジボールが7人。
ウチのクラスの男子の人数がちょうど18人だから、全員がどれか1種目に参加することになる。
バスケットボールはスポーツが得意な男子5人が志望して参加者が過不足なく決定した。
ところが、バレーボールでは参加人数6人の内、志望者がたったの3人。
当然ドッジボールの志望者は俺と一樹を含めた計10人で、参加者はジャンケンで勝った人間が選ばれる流れになった。
この展開は……非常にまずい。
5人ずつの2グループに分かれた所で、去年も同じような流れになったのを思い出す。
あの時はジャンケンに負けてバレーボールへ参加する羽目になったんだ。
今回は絶対に負けるわけにはいかない。
ダメ元で、都合よく能力が発動するのを願って、ジャンケンに勝つ自分を全力でイメージする。
「せえのっ、最初はグー! ジャンケンホイッ!! ……ああっ!」
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