せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

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第三章 ~改めてゲームを見守ろうとしてから自分の名前を思い出すまで~

思わぬ人との再会

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フィロウの神頼みに付き合って礼拝堂へ。
たぶんハーレムの件を必死に祈ってるフィロウの横で、オレも適当に祈った。

本当はシッカリと祈った方が良さげなんだけどさぁ。
ルサーにちゃんと謝れるように、とか。出来れば許して貰えないかな、とか。
でも……そういうトコを神頼みするのも、なぁ。





その後フィロウに、奢るから何か食べに行こうって誘われて。
ちょっと小洒落た感じの軽食屋さんに来た。

えっと、一応だけどオレ、遠慮したんだぞ。
昨日からヒト様に連続でご馳走になっちゃうじゃん。
だけどキラキラ王子様フェイスで「一人じゃ入り難い店なんだよ」ってお願いされたらさ。
手持ち金額が心許ないのもあって、まぁここは頼っておこうかな……って。



「一昨日、キミに頼らせて貰ったからね。これで、おあいこだよ。」
「おあいこどころか、お釣り来るだろ……。」

結構人気があるみたいで、ギリギリ満席になる直前ってトコに滑り込んだ。
三~四人のグループが多いみたいで、店の中はお喋りで賑わってる。

「ボク、一度ここのケーキ、お店で食べてみたかったんだよね。……あっ、ジャンボパフェだって。どうしよっかなぁ……。」

文字だけのメニューを見ながら、フィロウはウキウキしてる。
店員さんに、どんな果物が乗ってるとか、何味だとか、色々聞いて確認して。
あんまり嬉しそうなんで、オレが食べる分もフィロウに決めて貰った。
半分こする、ってのもアリだからな。


注文後しばらくして。
お二人でどうぞなサイズのジャンボパフェと、チョコレートケーキが運ばれて来る。
一応、ケーキがオレの分らしいな。
それと、紅茶ポットとカップが二つずつ。

イケメンが甘い物好きとか。ちょっとズルイよな。
ケーキとかパフェとかを頬張るフィロウの絵面。
ゲームだったらスチル間違いナシだ。



「予約のお客様、ご来店でーっす♪」

「「「 いらっしゃいませーっ♪ 」」」

割とお洒落なお店なのに、日本の居酒屋とかでお馴染みの雰囲気が流れた。
流石はゲーム世界、ってやつか。


特に理由は無いんだけど、オレは何となく声がした方に視線を向けた。
どうやら予約席がオレ達の席に近いみたいで、店員さんがコッチの方を指し示してる。
店員の横にいる、ちょっと可愛い感じの予約客に見覚えがあると思ったら。

「あれ……、確か…」
「……あ。」

昨日の兵士。カシュ、だったっけ?


カシュもオレを見て。オレの向かいにいるフィロウも見て。
それから急に、目に見えて動揺する。

「……え? あっ…、ぇと……。」

なんでかな、って考えた次の瞬間。理由を思い当たる。

そう言えばオレ、この人に「彼氏」って呼ばれてたな。
つまりカシュの意識では、オレはルサーの彼氏ってわけで。
それがフィロウ……別な男と二人でいるのを見て、浮気現場を見ちゃった気分にでもなったのかな。
……ふっ。実はそれ以前の問題で、ルサーを怒らせちゃったんだけどな。


オレの様子を不思議に感じたフィロウが「知り合い?」って聞くのと同時くらいに。

「カシュ……。どう、か……した?」
「あっ。ヴィル……っ、見ちゃダメぇ~っ。」

カシュも、彼の背後から声を掛けられた。
慌てたカシュは、その人の視界を遮る為に手をバタバタさせて。その上、相手の身体を押して後ろを向かせようとまでし始める。


オレはその人に、ある意味、釘付けになった。

たぶんカシュの彼氏なんだろうけど、その、こう言っちゃナンだけど……。
……滅茶苦茶、チャラい! 陽キャ! パリピ!

ウェーブの掛かった明るい色の髪。片側は耳が出るように、ゴールドの髪留めで押さえてる。もう片側は纏めずに下ろしてる。アシンメトリってやつだな、違うか。
襟とか袖とかがヒラヒラした割と高そうなお洒落シャツを着てるけど、胸のボタンがたぶん三つは外れてる。日サロじゃない感じで健康的に焼けた肌がかなり見えてるし、首から下げた……これまたゴールドのダブルチェーンもバッチリ目に入って来る。
ピアスもしてるのかな。何かがキラッて耳のトコで光った。



「何……カシュ。何が、あった……?」

カシュの動きが余りにも不自然なもんだから、逆に気を引かれたみたいで。
その陽キャは、カシュの肩を抱いてちょっと横に逸らして。
彼が隠そうとしてたものを見ようとして。
そして……オレと目が合う。


うわっ、陽キャと目が合っちゃったよ!
日本人だった頃にもパリピな友達なんか……。なんか……あれっ?

陽キャは黙ってオレを見てる。
陽キャだけど身じろぎ一つしない。
陽キャなのに硬直してるみたいだ。


そしてオレにも違和感。

あんな派手な知り合い、いないハズなのに……。
それとも、どっかで会ってたかな?
変だな、オレって結構、人の名前と顔を覚えるの得意なんだけど。
ちょっと記憶に…………あれっ?


自分の記憶を辿り掛けて。
そこへ急に、ある人の面影が差し込んで来た。


まさか……だけど。



「えっ、と……。……ビリー、か?」
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