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第四章 ~なんだかんだでゲームに沿う形でハーレムっぽい感じになる~
忘れたかった過去・3 $ルサー$
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純潔を失い、身体に『割れた実』が出来た俺は、それから十日間程、宮殿の一室に幽閉された。
扉には大きくてゴツイ鍵が掛かってて、その外側には四六時中、見張り兵が立ってる。
そんな事をしなくとも、俺には出歩く気なんぞ少しも無かったが。
すっかり見知らぬ人……大人に対する恐怖心と猜疑心を持っちまってたからな。
閉じ込められてる間、一人の妻が俺に食事を運んで来た。
いつも決まった時間に来て、部屋の中央にあるテーブルにトレイごとメシを置いて出て行き、また決まった時間になると食器を下げに来る。
顔立ちが美しく、着てる服も上等な物だが、陰気な妻だった。
大人に怯える俺が常に、部屋の隅で小さくなってたからかも知れねぇが。妻は一言も発さず、いつも俯き加減で視線が合う事は一度も無かった。
やがて俺の処罰が決まった。
俺が数人の男から乱暴された事件は、どういう絡繰りによってか知らねぇが……全て俺の『落ち度』って事にされてた。
『ハーレムに迎え入れる直前に確認した所、ルサージュの身体に割れた実があった。これでは本妻として迎える事は出来ない。本来ならば天守を騙した事は大罪だが、本人は子供で無知な故に、自分が純潔か否かの重要性が分からなかったのだろう。特別に寛大な扱いを考えているが、そうした者を送り出した国として、如何様に考えているのか。』
この件でハーレム側はリスタニアに『それなりの詫び』を要求した。
第二王子だった俺が大ハーレムで犯した失態を、小国リスタニアがどう償うか。補填するか。
それを決める為の十日間だったんだ。
リスタニアからは、慰謝料の支払いと、俺の代わりに兄王子であるアレイスティを差し出すという提案がされたらしいが……実際はどうだか知らん。
妻として、天守に目通りする事も無く。
俺は宮殿を出され、他所の町へ追いやられる事になった。
国に戻る事を許されず。
ルサージュ第二王子が国でどういう扱いになったのか……廃嫡されたのか、死んだ事にされたのか……それも分からねぇまま。
馬車に乗り込む俺を見送るのは、ハーレムで働いてるだろう数人の大人。それと……件の、俺に地獄を見せた神官と、俺に食事を運んでた陰気な妻。
怯える俺は半泣きになって、逃げるように馬車へと乗り込んだ。
「御免なさい……。」
聞き覚えの全く無い声に謝罪された所で、振り返る余裕なんぞ無い。
俺は馬車の中で、壁際に小さく蹲った。
まだ開けたままの扉のそばに神官がやって来た。
一番見たくない奴が、馬車の中と外で分かれてるとは言え、一番近くにいる。
小さく悲鳴を上げる俺に、神官は目を細めた。
「これは悪い子への罰ですよー。お優しい天守様に感謝しつつ、一人で精々反省して暮らしなさーい。泣いてリスタニアに戻ろうとしても、すぐに分かりますからねー。その時は、別なお仕置きでーす。」
* * *
俺が運ばれたのは、ノマルという名の町だった。
もっと辺鄙な未開の地に連れて行かれた可能性を考えれば、随分と良い所だが。誰も知らねぇ町に一人きりで放り出される子供の俺は、不安と恐怖で一杯になって、町の様子を観察する事も出来なかった。
一軒の家の前で馬車から引き摺り下ろされ。
一本の鍵と、国から持って来た小箱と、俺がその場に置き去りとなった。
もう国には帰れねぇ。家族にも会えねぇ。
神官の口振りから、宮殿を出た後も何処かで見張ってるんだろう。俺はそう思った。
家の中に入ると、俺はその場に蹲った。窓の雨戸が閉じられてて薄暗い室内で。
もう何回、どんだけ泣いたか数え切れねぇのに。後から後から、勝手に涙が溢れ出た。
淋しくて仕方なくて、小箱を強く抱き締めた。
事件の後も、道中でも。こんな物、捨ててやろうかと思ったし、床に叩き付けて壊してやろうかとも思ったが。
その時の俺が唯一持ってる、家族から貰った物だから。
捨てる事も壊す事も、俺は出来なかった。
一人で泣いて、一人で寝て、一人で起きて……を繰り返し。ようやく周りを見る事が出来た。
家の中には家具が備え付けてあり、冷蔵庫や戸棚には食料もそれなりの量が入ってた。
もしかすると陛下が、俺を憐れんで用意してくれてたのかも知れねぇな。
あんな目に遭っても腹は減るようだ。
だが残念ながら俺には料理をする技術が無かった。気力もだ。
俺は仕方なく果物と、生の野菜を食って飢えを凌いだ。
物は食えば無くなる。
家に金も置かれてたから、買い物に行けばいい話だが……俺は出掛けられずにいた。
突然、聞き慣れない音が室内に響く。
それがこの家の呼出音だと理解するまでに、しばらく時間が掛かった。
家にいるのは俺一人。そんな所に一体誰が訪ねて来る?
呼出音は何回か鳴ったが俺は出ない。出る理由が無い。
扉を叩く音も聞こえた。俺は出ない。
ただソファの上で膝を抱えた。
だが……。
ガチャリッ。
扉の開く音が聞こえた時、俺は飛び上がった。
誰かが入って来る。硬い足音がする。
玄関の鍵を掛けてない事、それを確認してない事を後悔しながら、慌ててソファから下りる。
何処かに隠れる場所を探したが、それよりも先に、部屋の扉が開けられた。
恐怖で立ち竦む俺の前に現れたのは。
リスタニアにいるハズの、ルベロだった……。
扉には大きくてゴツイ鍵が掛かってて、その外側には四六時中、見張り兵が立ってる。
そんな事をしなくとも、俺には出歩く気なんぞ少しも無かったが。
すっかり見知らぬ人……大人に対する恐怖心と猜疑心を持っちまってたからな。
閉じ込められてる間、一人の妻が俺に食事を運んで来た。
いつも決まった時間に来て、部屋の中央にあるテーブルにトレイごとメシを置いて出て行き、また決まった時間になると食器を下げに来る。
顔立ちが美しく、着てる服も上等な物だが、陰気な妻だった。
大人に怯える俺が常に、部屋の隅で小さくなってたからかも知れねぇが。妻は一言も発さず、いつも俯き加減で視線が合う事は一度も無かった。
やがて俺の処罰が決まった。
俺が数人の男から乱暴された事件は、どういう絡繰りによってか知らねぇが……全て俺の『落ち度』って事にされてた。
『ハーレムに迎え入れる直前に確認した所、ルサージュの身体に割れた実があった。これでは本妻として迎える事は出来ない。本来ならば天守を騙した事は大罪だが、本人は子供で無知な故に、自分が純潔か否かの重要性が分からなかったのだろう。特別に寛大な扱いを考えているが、そうした者を送り出した国として、如何様に考えているのか。』
この件でハーレム側はリスタニアに『それなりの詫び』を要求した。
第二王子だった俺が大ハーレムで犯した失態を、小国リスタニアがどう償うか。補填するか。
それを決める為の十日間だったんだ。
リスタニアからは、慰謝料の支払いと、俺の代わりに兄王子であるアレイスティを差し出すという提案がされたらしいが……実際はどうだか知らん。
妻として、天守に目通りする事も無く。
俺は宮殿を出され、他所の町へ追いやられる事になった。
国に戻る事を許されず。
ルサージュ第二王子が国でどういう扱いになったのか……廃嫡されたのか、死んだ事にされたのか……それも分からねぇまま。
馬車に乗り込む俺を見送るのは、ハーレムで働いてるだろう数人の大人。それと……件の、俺に地獄を見せた神官と、俺に食事を運んでた陰気な妻。
怯える俺は半泣きになって、逃げるように馬車へと乗り込んだ。
「御免なさい……。」
聞き覚えの全く無い声に謝罪された所で、振り返る余裕なんぞ無い。
俺は馬車の中で、壁際に小さく蹲った。
まだ開けたままの扉のそばに神官がやって来た。
一番見たくない奴が、馬車の中と外で分かれてるとは言え、一番近くにいる。
小さく悲鳴を上げる俺に、神官は目を細めた。
「これは悪い子への罰ですよー。お優しい天守様に感謝しつつ、一人で精々反省して暮らしなさーい。泣いてリスタニアに戻ろうとしても、すぐに分かりますからねー。その時は、別なお仕置きでーす。」
* * *
俺が運ばれたのは、ノマルという名の町だった。
もっと辺鄙な未開の地に連れて行かれた可能性を考えれば、随分と良い所だが。誰も知らねぇ町に一人きりで放り出される子供の俺は、不安と恐怖で一杯になって、町の様子を観察する事も出来なかった。
一軒の家の前で馬車から引き摺り下ろされ。
一本の鍵と、国から持って来た小箱と、俺がその場に置き去りとなった。
もう国には帰れねぇ。家族にも会えねぇ。
神官の口振りから、宮殿を出た後も何処かで見張ってるんだろう。俺はそう思った。
家の中に入ると、俺はその場に蹲った。窓の雨戸が閉じられてて薄暗い室内で。
もう何回、どんだけ泣いたか数え切れねぇのに。後から後から、勝手に涙が溢れ出た。
淋しくて仕方なくて、小箱を強く抱き締めた。
事件の後も、道中でも。こんな物、捨ててやろうかと思ったし、床に叩き付けて壊してやろうかとも思ったが。
その時の俺が唯一持ってる、家族から貰った物だから。
捨てる事も壊す事も、俺は出来なかった。
一人で泣いて、一人で寝て、一人で起きて……を繰り返し。ようやく周りを見る事が出来た。
家の中には家具が備え付けてあり、冷蔵庫や戸棚には食料もそれなりの量が入ってた。
もしかすると陛下が、俺を憐れんで用意してくれてたのかも知れねぇな。
あんな目に遭っても腹は減るようだ。
だが残念ながら俺には料理をする技術が無かった。気力もだ。
俺は仕方なく果物と、生の野菜を食って飢えを凌いだ。
物は食えば無くなる。
家に金も置かれてたから、買い物に行けばいい話だが……俺は出掛けられずにいた。
突然、聞き慣れない音が室内に響く。
それがこの家の呼出音だと理解するまでに、しばらく時間が掛かった。
家にいるのは俺一人。そんな所に一体誰が訪ねて来る?
呼出音は何回か鳴ったが俺は出ない。出る理由が無い。
扉を叩く音も聞こえた。俺は出ない。
ただソファの上で膝を抱えた。
だが……。
ガチャリッ。
扉の開く音が聞こえた時、俺は飛び上がった。
誰かが入って来る。硬い足音がする。
玄関の鍵を掛けてない事、それを確認してない事を後悔しながら、慌ててソファから下りる。
何処かに隠れる場所を探したが、それよりも先に、部屋の扉が開けられた。
恐怖で立ち竦む俺の前に現れたのは。
リスタニアにいるハズの、ルベロだった……。
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~お知らせ~
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