せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

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第四章 ~なんだかんだでゲームに沿う形でハーレムっぽい感じになる~

ツンデレ問題と、買い替えた方がいい冷蔵庫

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ツンデレとは何か。

……って、ある意味とても難しい問題の答えを求められてる。

ツンデレ自体は何種類か思い浮かぶんだけど……。
ここでオレがイメージするツンデレを話したら、それがこの世界基準のツンデレになりかねない。
内容によっては『真なるツンデレ』について世界を巻き込む論破戦争になりそうだ。
そう考えれば、この答えは実に重要なのかも知れないぞ。


オレはそんな覚悟を眼差しに乗せて、打ち合わせるようにメリクルを見た。
メリクルはその視線を受け止めた後、エステードさんに上体を向ける。

てっきりメリクルが説明してくれるのかった思ったら。

「お前は一生、知らなくていい。……俺は好きじゃねぇからな。」
「そう……です、か。」

教えない気ナッシングなメリクル。
見ててハッキリ分かるくらいに落胆するエステードさん。
俯いて、唇をキュッて噛んで。立ち上がり掛けた腕をメリクルが引っ張り寄せた。

「あっ……!」

腕の中にスッポリ収まったエステードさんを、長い指で顎クイするメリクル。



オレもタイミングがだいぶ分かって来た。
すぐに俯き、カップの中を覗き込むようにして珈琲紅茶を啜る。

あー美味しいなぁ、咽喉乾いてるからしばらくグビグビしてよ~。


二人は間違い無くキスしてる、間違いない。
オレにも覚えがあるけど、そんな感じの音がしてるからなっ。

あと、エステードさんの声はオレ、聞こえないって言い張るツモリだから。
皆もそのツモリでいてくれ。



「とにかく俺はツンデレが好きじゃねぇ。だからエステードも知らなくていい。」
「はい……。」

喋り声が聞こえたのを確認してから、オレはカップ内に集中してた視線を上げた。
寸前までベロベロに口付けてた所為なんだろうけど、なんか二人の間に流れてる雰囲気が甘い。
ツンデレ業界に喧嘩を売りそうな発言したメリクルの声も、甘いって言うか、ベッドで囁いてるみたいな。

まぁどうにかオレは危機を脱したようだ。


「それはそうと、イグゥ?」
「うんっ、なんだ?」

出しっぱなしのボトルから、それぞれのコップに珈琲紅茶を注ぎ足して。メリクルがオレに問い掛ける。
今度こそいよいよか、って思ったけど。


片手で顔を覆い隠したエステードさんが、スッて立ち上がり。
台所の方に向かったもんだからさ。

あっ、これはヤバいぞ……って気配がするだろ。


つい見送ったオレの視界の中で。
空になったボトルを台所のシンク内に置いて、エステードさんは冷蔵庫から次のボトルを取り出した。
エステードさんが冷蔵庫の扉を閉めようと…



……今だっ!

オレはそれを見計らって、また神経をコップに集中させる。

案の定……。
冷蔵庫の扉が閉まる音。シュルッって衣擦れの音。エステードさんの「おや?」って言った声。
メリクルが久し振りに舌打ちして「さっさと着ろ」って言ったから、今のオレの行動は大正解だった。


ラッキースケベ無しに開け閉め出来ないのか、あの冷蔵庫はっ。
オレ、エステードさんがコッチに来て座るまで、絶対、顔を上げないぞ。




ややしばらくして、やっとエステードさんが戻って来た。
たぶん同じ飲み物なんだろう、減ってる分を足すように注いでくれる。

固形物は殆ど口にしてないけど、水分でお腹がタプタプになりそうだぞ……。


「なぁ、エステードさん……。冷蔵庫、買い替えた方が良くない?」
「?? そうですか? 十年くらい経ってますが、まだ動いてますよ?」
「っつーか、イグゥ。お前に聞きたい事がある、つったろ~が。」

本当にようやく、メリクルが聞きたかった……本当かどうか怪しくなってたけど……話をするっぽい感じだ。
メリクルは胡坐っぽいけど、オレは胡坐を掻いてた足を正座に直す。


「イグゥ、お前……どうやって戻って来た?」
「え……? それは、転移板で……だけど?」

なんで今更メリクルがそれを聞くのかが分かんない。
転移板を利用したからこそ、いきなりエステードさん家に帰って来れたし。その所為でとんでもない場面に出くわしちゃったんだし。


首を傾げるオレに、メリクルがテーブル面を指でコツコツ叩く。

「それは分かってんだよ。金はどーしたっ?」

ちょっと上半身をオレの方に乗り出して、厳しい顔をしたメリクル。
その表情に、オレはハッとする。


ゲームだと、主人公以外が転移板を利用するには高額の費用が掛かったハズ。
メリクルが言うのは、その費用をどうしたんだ、って話だよな。

もしかしてオレ、転移板の利用料金を捻出する為に何か悪さをしたか、盛大に踏み倒したって思われてるのか?
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