せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

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第五章 ~ゲームに無かった展開だから遠慮しないで歯向かう~

これを見れただけでも来て良かった

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リッカの家には数日前、リオと一緒に入れて貰ったことがある。リッカが店員として働いてる娼館の一階だ。
お店の裏側から、店内を通らずに行けるのを知ってるオレは、ちょっと緊張しながら玄関の呼出ベルを鳴らした。フィロウはオレの後ろの方に待機中。

二回鳴らした直後。
扉の向こう側からリッカの声で「は~い?」って聞こえて来た。
若干だけど、なんだかフワフワした感じな気がするのは、きっと扉越しだからかな。


「リッカ~。オレ…」


バタンっ。


「はいはい、だぁ~れ?」
「…イグザだ、けど…………。」


開いた扉の向こう側。リッカの姿を見て、オレは言葉を忘れた。

覗き穴も無いのに、オレが名乗る前に玄関を開けたリッカ。
しかも今の音の感じだと、玄関に鍵も掛けてないっぽいリッカ。
家の保安的にそこまで無防備なリッカは、身体の貞操的にも実に無防備だった。

身に着けてるのは、袖が極めて短い、一分丈袖のロングTシャツのみ。膝上までの長さで、素足が剥き出しだ。
ワンサイズかツーサイズくらい、リッカの身体より大きいみたいで。襟の無い首回りは何重にもしたネックレスのようなデザインだけど、胸元が深くガラ空きになってる。
髪も、まとめたり縛ったりしてなくて、肩へと下ろしたまま。一部に寝グセが付いてるのには気付いてないのか、ツンッと立ち上がった部分があって可愛い。

服装も髪型も、凄いレア。
虚を突かれたような表情で立ち尽くすリッカ。
オレは心の中でガッツポーズ。


……来て、……良かったぁ………!



でも、いつまでも見詰め合ってる場合じゃない。
咳払いをしてから、オレはリッカに笑みを向けた。


「伝えたい話があるんだ。今、いいか?」
「ぃ……、ぃやあぁ~~~。」
「まっ、待ってくれ、リッカ! 待って待って、待って!」


ぎぎ、ぎ……ガシッ。


片手で顔を隠したリッカが、もう片方の手で玄関扉を閉めようとする音。それを阻止するべく、オレが必死に扉を掴んだ音、だ。
パワーでは間違いなくオレの勝ちだから。リッカが必死に閉じる扉を、オレはグイグイこじ開けて半身をドアの隙間に挟み込んでく。
事情を知らない第三者が見たら明らかな不審者。……違うな、事情を知ってても不審者か。


「ヤっ、やだ、こんなカッコで……いやぁっ。」
「大丈夫っ、そんなオカシクないぞっ、可愛いからっ。」
「いやっ、見ないでン。イイトシしてこんな、恥ずかしいっ……。」


なんかオレ、昨日といい、今日といい。見ないでって言われ過ぎだろ。
でもまぁ、いいか~。可愛いもんなぁ。
リッカの唇から「イヤ」とか「やだ」とか「ダメ」とか、そんな言葉が出るのって凄い興奮するんだ。
訪問早々にこんだけイイモン見さして貰ってありがとう。

……なんだけど。玄関先であんまり騒いでたら、お店の方とかにも聞こえて迷惑になったら大変だぞ。
勿体無い気もするけど、そろそろ部屋に入れて貰おうか。



現在進行形でプチ・パニックに陥ってるリッカの腕を掴んで、そっと扉から引き離して。正面から抱きかかえるオレ。
イヤイヤ、ジタバタするリッカ。だけど優しく背中を、肩を撫でてたら落ち着いて来たようだ。
ふうって息を吐いて、リッカの身体から力が抜ける。ほんのり顔は桃色に染まったままで。

「急にゴメン。リッカに話したくて。ちょうど近くを通ったから、さ。」
「もぉ、アタシ、こんな寝起きで……。」
「リッカの可愛いトコが見れた。しばらく見たいくらいだ。」
「恥ずかしいから、もう駄目よン。……身なりを整えたいから、ちょっと待っててくれる?」
「分かった。……あっ! ふ、服はそのままで!」


欲望も丸分かりなオレのリクエストを、リッカは無言の苦笑で流した。
一旦、玄関扉が閉じて。




ふと何か感じるものがあって背後を振り返ったら、そこに苦笑のフィロウ。間違いなく呆れてる苦笑。
興奮してるのを見られたオレも、つい苦笑。

「リッカさん、結構年上っぽいけど綺麗だね。」
「あぁ、綺麗だ。」
「あの服、着替えて貰った方が良くない? これから大事な話をするんだから、イグゥはもうちょっと落ち着いた方がいいと思うんだけど。」
「うっ、面目無い。」

フィロウの言う通りだ。リッカを眺め倒して楽しみに来たんじゃないからな。
さっそくサポートして貰ってるオレ。
付いて来て貰って良かったかも。

オレ一人だったら、危うく、目的を忘れるトコだったぞ。
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