せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

左側

文字の大きさ
258 / 364
第五章 ~ゲームに無かった展開だから遠慮しないで歯向かう~

分かってたけど最大の難関はエステードさんだ

しおりを挟む
会議室並に広い部屋の、大きめな長方形な卓に着いてるオレ、ルサー、フィロウ、エステードさんの四人。
室内にいるのは現時点で、どうやらオレ達だけっぽい。
もう二~三人居たような気がしたんだけど、いつの間にか居なくなってた。

長方形の端の方で、オレの隣にフィロウ。向かい側にはエステードさん。
緊張してるオレとフィロウの前に立ち塞がるエステードさん、って感じだ。イベントボス感が凄い。

ルサーはお誕生日席に座った。
オレがフィロウを妻にしたいと思ってるの、たぶんルサーは気付いてる。そんな風に見える。
呆れたような許したような表情でオレを見るのが、大人な対応のような気がする。



「さて、大事な話を聞きますか。フィロウ、どうぞ?」

席に着くなり、か。
話しが早くていいけど……エステードさん、容赦無いなぁ。


まずは、話を振られたフィロウに任せるのがいいだろうから、一先ずオレは様子を見ることにした。
フィロウがキャパオーバーするようなら、すぐに割り込めるよう注意はして。


「ぃやぁの、今日は……大事な話をする日の、日程調整を…」
「大事な話が『何について』なのか、それも言えないのですか?」
「お父さんとお母さんと、一緒に……その、出来れば家族皆で…」
「…………はーーーっ。」

大きな溜息を吐くエステードさんは、珍しくジト目でフィロウを睨む。

しばらく睨んで、それからちょっとだけ辛そうな表情になって。
ふっと視線を卓へ落とした。


「…私に直接話すのは嫌ですか?」

エステードさんの硬い声を聞いてフィロウが目を見開く。


「あっ、ぁ、あ……あの…」
「私に言えば反対されるに決まっていますからね。反対する私を、両親から説得して貰う心積もりですか?」
「そ、それは……でも、それだけじゃ無いもん。」
「話と言うのは、ハーレム作りの事でしょう? もちろん私は反対ですよ。」
「ま……まだ何も言ってないのに。なんで?」
「それぐらい、フィロウの様子を見ればすぐに分かります。」

話してないのにやっぱりバレバレだった。
グゥの音も出ない。


フィロウがジンワリと涙目になって来たのが見えて。
無作法かも知れないけど、オレは二人の会話に割って入る。

「エステードさん。良かったら、オレから説明させて貰えないか?」
「いいえ、これはフィロウが話さないといけない事です。フィロウから聞いた後でイグゥ君にも話を聞こうと考えていたんですが……。」

そこで区切ったエステードさん。
また溜息を吐いた。

「……フィロウは。どうやら私には話す気が無い事も、今、分かりました。」
「違うもんっ、ちゃんと家族揃ってから、話そうって…」
「両親には、でしょう? ……私にはどんな話なのか、その概要さえ言おうとしなかったじゃないですか。」
「それは……だって……。」


兄弟喧嘩だから、かな。二人ともちょっと感情的になってないか?
なんだかフィロウは駄々こね気味だし。
一方、エステードさんも……表情が怖いけど、落ち着いて聞いてみたら。オレの耳には。要するに、フィロウが自分に話してくれないからスネてる、みたいな感じに聞こえるぞ。


これじゃ話が進まない。でも、どうしよう?
……って考えてたトコに。



「なぁエステード……。なんつ~か、その……あんまり責めてやるな。」


どっかバツが悪そうな声。
ルサーだった。
注意するような言葉だけど、声はエステードさんを責めてない。


「ですが、ルサーさ…」
「そういう話題ってよ。なかなか言い難いモンだ、……兄貴にはな。……俺も弟…だから、気持ちは分からないでもない。」

言いながら瞳を細めたルサー。
リスタニアの第二王子だった過去。兄である第一王子との遣り取りとか、そういうのを思い出してるんだろう。

フィロウがなかなか話し難そうなのは、単純にエステードさんが怖いから、って気もするんだけど。
それは黙っとこう。


「それにお前さんだって、あるだろ? 弟に言ってない事、言えねぇ事の一つや二つぐらいは。」
「それは……。……えぇ、まぁ。」

返答するエステードさんの声が落ち着いて来た。
この機会を、この良い流れを、ふいにしないよう注意を払いつつ。


「それじゃあ、エステードさん。オレから説明していいか?」
「仕方ないですね……えぇ。」

出来るだけ自然な調子で話し掛けるオレ。


せっかくルサーが作ってくれたチャンスだからな。
シッカリちゃんと説明して。
これならフィロウを任せられる、ってエステードさんを安心させてあげよう。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

泥酔している間に愛人契約されていたんだが

暮田呉子
BL
泥酔していた夜、目を覚ましたら――【愛人契約書】にサインしていた。 黒髪の青年公爵レナード・フォン・ディアセント。 かつて嫡外子として疎まれ、戦場に送られた彼は、己の命を救った傭兵グレイを「女避けの盾」として雇う。 だが、片腕を失ったその男こそ、レナードの心を動かした唯一の存在だった。 元部下の冷徹な公爵と、酒に溺れる片腕の傭兵。 交わした契約の中で、二人の距離は少しずつ近づいていくが――。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜

キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」 (いえ、ただの生存戦略です!!) 【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】 生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。 ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。 のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。 「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。 「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。 「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」 なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!? 勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。 捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!? 「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」 ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます! 元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした

和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。 そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。 * 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵 * 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

処理中です...