310 / 364
第六章 ~ゲームと違ってオレのハーレムは自動生成されない~
エステードがアレやコレやの話・1 $ルサー$
しおりを挟む* * * 日付はエステードが泊まった朝に遡る * * *
エステードがウチに泊まった。
今更に気付いたんだが……そういやぁ、ウチに誰かが泊まるのなんぞ、何年振りだ?
ひょっとすると、ルベロとネモーリ以来かもな。
あぁ、イグザは宿泊じゃなくなったから、カウントに入れてねぇぞ。
イグザと言えば、よ……。
起こしに来てくれたのは有難てぇんだが、アイツめ。
今日は俺達以外にもいるってのに、いつも通り、その……キスで起こすとか。
はっ…、恥ずかしいだろぉがよ!
実際に口付けてる場面を見られるワケじゃなくとも、俺が居た堪れねぇ。
思わず叱っちまった。
だが恐らく、真っ赤になってる俺じゃ何の効果も無かったろうがな。
落ち着く為にも手早くシャワーで汗を流し、なるべく自然に食堂へ行った。
台所じゃイグザとエステードが並んでる。
意外な事に、エステードは割と料理が出来るようだ。
……いや。俺が出来なさ過ぎ、なのか?
「あぁ、そういや昨日……顔合わせ以外にもフィロウと…話したんだがな。」
エステードの前で話すかどうか。
やや迷ったが、これぐらいは聞かせてやっても構わねぇだろ。
お構いなく。って感じでエステードは小さく頷いた。
「他の妻候補との顔合わせについて、な。次の休みの日、昼前にやるって話で進めるぞ。」
「分かった。休みって、いつだ?」
「三日後だ。確かリッカ……だったか? もう一人とも日程調整してるようだが、その辺りをフィロウから伝えて遣り取りして貰う事にした。恐らく昨日中に伝わってるだろ。」
コイツなりに緊張でもしてんのか、イグザは神妙な顔だ。
俺もちょいとばかし感慨深い。
イグザのハーレムが実際のものになる為のステップを、一つずつ進んでる感じがして来たからだ。
まだ家族の説得が残ってるとは言え、フィロウと顔合わせを済ませた。
三日後に二人、顔合わせの予定を入れた。
たぶん一番若いだろうに、フィロウには手間ァ掛けさせたな。
お陰で話が早く進んで助かった。
後は確か……幼馴染み、だったか?
リオとは一応『挨拶』済みだ。……待てよ? 顔合わせとなると微妙、か?
あれは恋人の一人に加えるって話だったからなぁ。
面倒だから、あれを妻の顔合わせだって事にしてもイイんだが……それはそれで、リオだけ別扱いって事になっちまうな。
まぁその辺りはリオ本人と話せばいいか。
「……エステード。お前さんの弟、結構シッカリしてるな。」
「あの子は仕事の出来る子ですから。」
俺がそう言うと、エステードは自慢げに笑った。
イグザも何処となくホッとした様子で、大量のポテトサラダを頬張る。
フィロウは十歳ぐらいの頃、町の外で、走ってる馬車から放り捨てられた。恐らくはその所為で、それ以前の記憶も無いそうだ。
そん時の光景を、まだ若いエステードが目の当たりにした。
昨夜イグザに「フィロウを捨てないで」と懇願したコイツは、弟がよっぽど可愛いんだろう。
この感じなら近い内に、ちゃんと弟と話が出来そうだな。
エステードが泣いた所を見たのも驚いたがよ。
昨夜は色々とエステードの面白れぇ面が見られたな。
舌っ足らずになるぐらい酔っ払った姿を見たのも、初めてだったんじゃねぇか?
普段はそこまで飲まねぇっつ~か、仲間内で飲んだ時にも涼しい顔だからな。
あぁだが……酔った時のあの下ネタっぷりを思い出せば、他の兵士連中にはちょっと見せられねぇか。イメージが違い過ぎだろうがよ。
それに……。
好きな男の為に好物を作ってやりたい。……とか。
案外、エステードにも可愛らしい面があるもんだ。
そういや、コイツにオトコが出来たんじゃないかって噂も、一時期にはあった。
結構前の話だ。
エステードは同僚なのと同時に、友人だからな。
お目出度い話だったら祝ってやりてぇとも思ってたんだが、本人からは特にそれっぽい話も出ないまま。いつの間にか噂は消えてた。
昨夜の話を聞く分には、好きなオトコってのは本当に居たんだなぁ。
その割に色気を殆ど感じさせねぇんだが……。
そうやって穏やかだった俺とエステードの機嫌は。
詰め所に出勤した後、王都からやって来た連中の所為で盛大に荒れ狂う事になる。
1
あなたにおすすめの小説
泥酔している間に愛人契約されていたんだが
暮田呉子
BL
泥酔していた夜、目を覚ましたら――【愛人契約書】にサインしていた。
黒髪の青年公爵レナード・フォン・ディアセント。
かつて嫡外子として疎まれ、戦場に送られた彼は、己の命を救った傭兵グレイを「女避けの盾」として雇う。
だが、片腕を失ったその男こそ、レナードの心を動かした唯一の存在だった。
元部下の冷徹な公爵と、酒に溺れる片腕の傭兵。
交わした契約の中で、二人の距離は少しずつ近づいていくが――。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした
和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。
そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。
* 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵
* 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる