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【閑話】2月2日はにゃんにゃんの日

【閑話】2月2日はにゃんにゃんの日(フィロウ 1/2)

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  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇




 【フィロウ】


フィロウを訪ねて領主の館に来た。
ちょうどオヤツの時間くらい。
オレを自分の部屋に案内しつつ、オヤツを持って来ようとしたフィロウを止める。
展開がちょっとデジャヴだ。


「飲み物とか、いらない?」
「あぁ、後で貰うよ。今日はちょっと、渡したい物があってさ。」
「だったらアッチに座ろうよ。今日は天気も良いから明るいよ?」

外の景色を眺めるようにバルコニー向きで置かれてる、足を伸ばして座れるくらい座面の広いソファ。
その上に、フィロウと二人で乗り上がった。
端の方に肩掛けバッグを置いて中を漁るオレ。
ワクワクした表情のフィロウが身体を寄せて来て、バッグを覗き込んだ。


「え、なになに? 何が入ってるの?」
「あ、こら~っ、覗いちゃダメだぞ。」

猫耳カチューシャと猫パンチ手袋が入ってる。それは良いとして。
アナルビーズを流用した猫しっぽも沢山入ってるからな。
バッグの中をフィロウに、自由に覗かせるワケには行かないんだ。


オレはバッグから、フィロウに渡したい目的のグッズを引っ張り出す。
フィロウの為に用意したのは、真っ黒一色の物だ。


「2月2日は、にゃんにゃんの日だな。……それで、作ってみたんだ。」
「わあっ、猫耳だ、可愛い~っ。」

パアッと表情を明るくして、フィロウが歓声を上げた。
さっそく猫耳を掴んで三角形をムニムニ、撫で撫でしながらキャッキャしてる。
本当に凄く嬉しそうだ。


「ツルツルで、もふもふで、小っちゃくて……凄い可愛いっ。」
「喜んでくれて良かった。」

フィロウは目をキラキラさせて。
恥ずかしさとは全く違う感じに頬を上気させて。
猫耳カチューシャを上げたり下げたり、色々な角度で眺めてる。
独り言っぽく、何度も「可愛い」って呟きながら。


実はルサーとフィロウのは、最後までドッチをどっちにするかで迷った。
白一色と黒一色。
キュート清純系の白に、セクシーお色気系の黒。
白をフィロウ、黒をルサーって案も考えたんだけど、髪色に合わせてみた。
ゲーム主人公みたいなフィロウは黒髪。ルサーは、実は銀髪だからな。


表情や仕草を見る限り、フィロウは絶対に、確実に、喜んでくれてる。
ただ……あんまり無邪気な感じで喜ばれると。
ちょっと罪悪感って言うか……。
うっ、心が……。

……いや。思い出せ。
目的を果たすんだ、オレっ。


「それでさ、フィロウ。猫耳と猫手袋を着けて、にゃんって…」
「わあっ、猫の手ってもあるんだね。か……かっ…わい~っ。」

上機嫌のフィロウ。
猫手袋を一頻り撫で回してから、自分の頬っぺたに、ぽふ~ってする。
その感触が凄く気に入ったみたいだ。
含み笑いを漏らしながら、フィロウは何度もぽふ~っ、ぽふ~って。


……あれ? これ、もしかして……。
機嫌が良過ぎて、逆になかなか「にゃん」って言って貰えないパターンか?


「ハァ~、ほんっと可愛いなぁ……。ねぇコレ、イグゥが作ったんだよね?」
「あぁ、オレからフィロウへの、手作りプレゼントだぞ。」
「ホント? 嬉しい、ありがと……。ボク、こういう可愛いの、好きなんだ~。」
「そうか。気に入ってくれたら、オレも嬉しい。」
「気に入ったよ! すっごく!」

フィロウに、猫耳と猫手と猫しっぽが……。
実際にはカチューシャも手袋も着けてないのに、そんな幻覚が見えてきそうだ。


「さっそく着けてみるね。」

ウキウキした様子のフィロウがイソイソ、猫耳カチューシャを着けた。
手ぐしで整えてる艶やかな黒髪と一緒に、猫耳も揺れてる。

たった今さっき、見そうになった幻覚が現実になった決定的瞬間だ。
ある意味、感慨深い。
そして、かなり可愛い。
それから、途方もなく似合ってる。
元々がキラキラな王子様っぽいフィロウだから。まるで猫の国の黒猫王子みたいだ。

何を言ってるんだ、オレは。
でも、あぁ……、フィロウの分を黒にして良かったな。


「ねっ、ね? イグゥ、……どう?」
「凄く可愛い。似合ってる。メチャ可愛い。にゃん、って言って欲しい。」
「あ、アリガト。良かったぁ、嬉しい。」

おぅ……残念、「にゃん」についてはスルーだ。
そこはまた、後でさり気なくアピールしてみよう。
次に期待だぞ。


「ねぇねぇ、鏡で見て来ていい?」
「あぁ、もちろん。」

広々したソファから飛び出したフィロウは、軽い足取りで寝室に消えてった。
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