靴と過ごした七日間

ぐうすかP

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「聞いてるのかって聞いているんだ!」



あまりにも騒がしかったので、本当にバカバカしいのだが、返事をしてみることにした。


「聞こえてる。」



聞こえているならさっさと返事をしろ、などと、ぶつぶつと文句を言うそいつは、まあいい、と続けた。



「名前を考えてくれって言っているのだ。」




ここまで会話が通じる靴が、あっただろうか。


いや、ない。






名前、か。


大人になってからどころか、子供の頃ですら、靴に名前をつけたことなどなかった。

金魚すら、名前が無いまま飼育している。



ましてや、その、靴本体に命名を求められるなんて、考えてもみなかった。





会話が通じるなら、聞きたいことが山ほどあった。




話しかけてくる、この靴の存在を認めるようで、名前を付けることは気乗りしなかった。


そんな俺の気も知らず、あまりにもしつこく強請ってくる。


会話が先に進まない程に、だ。



何か、なんでもいい、名前を言わないと。




「パナップ。」



これといって特に理由はないが、俺は"それ"にパナップという名前をつけた。



「パナップ~?」



なんだそれ、などと、再び文句を言い始めた。


その割に、心做しか嬉しそうに見えた。


靴が嬉しそうだなんて、自分でも訳が分からないが、嬉しそうに見えた。


名前をつけてもらったのがよほど、嬉しかったのだろう。


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