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一章 幼少期

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お姉様は少し悲しそうな表情をしている。
きっと精霊が私に着いてしまったことがショックなんだろう。

「お姉様、気を落とさなくてもお姉様は氷の精霊の力の半分以上を使えます、なので十分だと思いますよ。」

『半分も力渡してないですけど…』

『こうやっていっとけばなんとかなると思います。』

「…うん、そうだね。もっと元気出さないと!」

「元気を出すのはいいけど無理はするなよ。」

「はーい!それじゃあ元気になるためにマシロ成分補給~!」

「ちょ、お姉様⁉︎またですか⁉︎もう10なんですからおと…妹離れしてください!」

毎度の如くお姉様は横から力一杯抱きつかれた。
前にも言った通り恥ずかしが、実はものすごく抱きつかれるのが嬉しい自分もいる。
これが妹としてなのか男子としてなのかは分からない。

『随分と仲がいいんですね。』

『精霊ちゃんにはそう見えるかもしれないですけど……というか、貴方って名前あるんですか?』

『ないですよ?あ、どうせならマシロさんが付けてくださいよ。その方が嬉しいです。』

『いいんですか?なら…フロストなんてどうですか?氷の妖精ですし。』

『フロスト…いいですね、気に入りました。じゃあ名前ができた記念ってことで敬語なしにしませんか?』

『いいね、じゃあそうしよう。』

『ありがと、じゃあこれからもよろしくね。』

「よし、精霊と仲を深められたな……ってお姉様寝たんですか⁉︎」

お姉様はいつのまにか私の膝をまくらにして寝ていた。
寝顔がとても可愛い。

「今久しぶりにマシロのタメ口が聞けたわね~。」

「そうだな、ずっとそれでいてほしいけどな。」

両親はそんなことを話している。
しかし、私も眠くなってきた。
精神年齢は20を超えているとはいえ体は5歳なのだ。体力にも限界がある。
そのまま私は壁にもたれかかって寝てしまった……



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