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腹を決めた
「はい……。あの、アルロード様が知りたいのは恋愛的な気持ちですよね?」
「もちろん」
「じゃあやっぱり違うな。オレの気持ちって、とにかくその……『あのお方』の事が大好きで、健やかで幸せであればいいって思ってるんです。それこそ、誰かと結婚して幸せに笑ってくれていたら全力で祝福できると思います」
「……」
「恋って、『その人と自分が』幸せになりたいものでしょう? 他の誰かと幸せになってるのは祝福できないものなんじゃないですか?」
「……そう、かもしれない」
きっと自分の両親のことを考えたんだろう、アルロード様は頷いてくれた。
「きっとオレの話はあまり参考にならないと思います。むしろ、告白してきてくれる方に話を聞くとか……真剣に向き合ってみた方がいいのかも」
「それは、付き合ってみるという意味?」
コク、と頷いたらアルロード様はしばらく真剣な顔で悩んだ後、オレを見て困ったように笑った。
「さすがにそれはちょっと怖いね」
「そうですか……」
「相手にも失礼だと思うし、やっぱりもうちょっとちゃんと自分の気持ちが成長してから、そのフェーズに進みたい」
誠実なアルロード様らしい決断に、オレは感動した。
「申し訳ないけれど、熱量のある感情に慣れるためにも、まずは君の話をきかせてもらうわけにはいかないだろうか」
そこまで言われてしまっては、オレに断れる筈もない。
オレは唇を引き結んでゴクリと唾を呑んでから、腹を決めた。
「分かりました。いつでもどうぞ」
オレが聞かせられるのは、貴方に対しての熱い思いしかないし、ちゃんと話せるか不安でしかないですが、それでもよければ。
そんな言葉は呑み込んで。
目の端でドルフが笑いをかみ殺しているのが見える。でも反対されたわけじゃないから、ドルフも同意してくれたものだと見なしておこう。
「ありがとう」
アルロード様が本当に嬉しそうに笑ってくれたから、なんかもう、自分の不安や恥ずかしさなんてどうでもいいような気がしてきた。
オレが話すことによって、アルロード様が少しでも自分の悩みと向き合えるならそれでいいじゃないか。そう思ったオレだった。
***
「いやー面白かった。お前、最高だな」
学食を出てアルロード様と別れた途端、ドルフが爆笑する。
「しょうがないじゃん。あのお方に頼まれた以上、断るなんてできないだろ……!」
「しっかし本人前にして推し語りって、そんなオモロイことある?」
「うるさいな」
おいていくくらいの急ぎ足で歩いてるってのに、身長差ゆえの一歩のデカさがものをいうのか、ドルフが余裕でついてくるのが悔しい。
ひときわ足を速めて廊下を曲がった時だった。
「もちろん」
「じゃあやっぱり違うな。オレの気持ちって、とにかくその……『あのお方』の事が大好きで、健やかで幸せであればいいって思ってるんです。それこそ、誰かと結婚して幸せに笑ってくれていたら全力で祝福できると思います」
「……」
「恋って、『その人と自分が』幸せになりたいものでしょう? 他の誰かと幸せになってるのは祝福できないものなんじゃないですか?」
「……そう、かもしれない」
きっと自分の両親のことを考えたんだろう、アルロード様は頷いてくれた。
「きっとオレの話はあまり参考にならないと思います。むしろ、告白してきてくれる方に話を聞くとか……真剣に向き合ってみた方がいいのかも」
「それは、付き合ってみるという意味?」
コク、と頷いたらアルロード様はしばらく真剣な顔で悩んだ後、オレを見て困ったように笑った。
「さすがにそれはちょっと怖いね」
「そうですか……」
「相手にも失礼だと思うし、やっぱりもうちょっとちゃんと自分の気持ちが成長してから、そのフェーズに進みたい」
誠実なアルロード様らしい決断に、オレは感動した。
「申し訳ないけれど、熱量のある感情に慣れるためにも、まずは君の話をきかせてもらうわけにはいかないだろうか」
そこまで言われてしまっては、オレに断れる筈もない。
オレは唇を引き結んでゴクリと唾を呑んでから、腹を決めた。
「分かりました。いつでもどうぞ」
オレが聞かせられるのは、貴方に対しての熱い思いしかないし、ちゃんと話せるか不安でしかないですが、それでもよければ。
そんな言葉は呑み込んで。
目の端でドルフが笑いをかみ殺しているのが見える。でも反対されたわけじゃないから、ドルフも同意してくれたものだと見なしておこう。
「ありがとう」
アルロード様が本当に嬉しそうに笑ってくれたから、なんかもう、自分の不安や恥ずかしさなんてどうでもいいような気がしてきた。
オレが話すことによって、アルロード様が少しでも自分の悩みと向き合えるならそれでいいじゃないか。そう思ったオレだった。
***
「いやー面白かった。お前、最高だな」
学食を出てアルロード様と別れた途端、ドルフが爆笑する。
「しょうがないじゃん。あのお方に頼まれた以上、断るなんてできないだろ……!」
「しっかし本人前にして推し語りって、そんなオモロイことある?」
「うるさいな」
おいていくくらいの急ぎ足で歩いてるってのに、身長差ゆえの一歩のデカさがものをいうのか、ドルフが余裕でついてくるのが悔しい。
ひときわ足を速めて廊下を曲がった時だった。
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