【完結】完璧アルファな推し本人に、推し語りするハメになったオレの顛末

竜也りく

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気をつけてくださいませね

「そうでしょうか……」

「あのお方があんな風にお願いするだなんて余程のことよ。同じ男性だからこそお声がけを頂いたのでしょうから、しっかりとお役目を果たしてちょうだいね。陰ながら応援しているわ」

「アンリエッタ様……! オレ、頑張ります!」

アンリエッタ様の激励に、オレは胸が熱くなる思いだった。

絶対にやり遂げよう!

そう誓うオレに、新たな声がかかる。

「けれど貴方もオメガでしょう?」

アンリエッタ様の後ろから出てきたのはオレと同じオメガ性を持つユーリア様だ。

「くれぐれもその……気をつけてくださいませね」

心配そうな顔でそんな事を言ってくれる。いつもは控えめで滅多にアンリエッタ様の後ろから出てこないのに、わざわざ出てきて忠告してくれるなんて、優しい人だ。

オレなんて平々凡々な顔で、しかも騎士科在籍で日々鍛えてるからそこそこ筋肉だってある。ぱっと見オメガだなんて分かんない見た目だってのに、ユーリア様はいつだってこうして同じオメガとしてオレを気遣ってくれるんだ。

今回もきっと、三ヶ月に一度訪れる発情期……ヒートを心配してくれているんだろう。

もちろんオレのヒートにアルロード様を巻き込むわけにはいかない。そこだけはきっちり気をつけるつもりだ。

「はい! もちろんです! 予定の一週間前から絶対に近づかないようにしますので」

「良かった。互いに望まない『事故』は不幸しか生みませんもの。お互いに気をつけて日々を過ごしましょう」

「はい!」

「あー……いざって時は俺がコイツ担いで安全なとこに運びますんでご心配なく」

「まぁ。ふふ、頼もしい」

ユーリア様の言葉に元気よく返事をしていたら、なぜかドルフがそんな風に請け負った。

運ぶってなんだよ荷物みたいに、って一瞬思ったけど、ユーリア様が楽しそうに笑うから、それでいい気がしてくる。

実際、アルロード様の前でヒートになんてならないつもりだけど、いざという時はぶっちゃけベータであるドルフが頼りなのは間違いないわけで。

なんだかんだ言いながら頼ってしまっているんだな、と気がついた。

「ありがとう……」

「うわ、キモ」

素直にお礼を言ったのにキモがられた。しかも若干のけぞってる。

「酷いなお前」

「いや、いつになく素直だから」

「仲良しなのですね。頼もしいナイトがいるようですから、大丈夫ですわね」

かなり見当はずれなセリフを残し、ユーリア様達は去っていった。

その後ろ姿を呆然と見送ったオレ達は、顔を見合わせて思わず吹き出す。
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