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アルロード様だけは絶対にダメです
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恋愛結婚してくれって言われてるんでしょ? と言外に言ってみたら、アルロード様はうーん……と難しい顔で唸った。
「それは……そんなに大事な事だろうか。ルキノも母上達も似たような事を言うけれど、僕はルキノが幸せな方が嬉しいんだけれど」
「そのお気持ちは嬉しいですけど……やっぱりダメです」
「ダメ? どうしても?」
なにその可愛い困り顔!!!
うっかりアルロード様の言う事ならなんでもきいちゃいそうになっちゃったじゃん!
「どうしても、ダメです」
「でも、ルキノ」
なんとかお断りしたというのに、アルロード様はまだ食い下がってくる。
「実家は出るから二人で気楽に住めるし、公爵家の後ろ盾もある。確実に騎士になれると思うから生活の心配はいらないし、通いの使用人くらいは雇えるよ? ルキノを大切にすると誓うし、自分で言うのもなんだけど優良物件だと思うけれど」
オレのために一生懸命アピールしてくれるアルロード様、尊い。
おこがましいけれど、アルロード様はオレのことを友人のように思ってくれているのかも。
嬉しい……とジーンとしていたオレに、特大の爆弾が落とされた。
「それに僕はその、アルファだから、ルキノが苦しい時にはいつだって助けるよ」
「……!!!」
ショックだった。
そうだ、そういう事だ。
オレがオメガである以上、単に同居人で済まされるわけじゃない。
たった二、三ヶ月一緒にいただけのオレのためにこんなにも必死になれる人なんていない。アルロード様の素晴らしさを実感しているからこそ、絶対にアルロード様だけはオレの事情に巻き込んじゃいけないんだ。
「やっぱアルロード様だけは絶対にダメです」
「どうして? 僕は何かルキノに嫌われるようなことをしてしまっただろうか」
「とんでもない! アルロード様が大好きだからこそ、結婚できないってことです」
「大好き……」
「さっき人生は長い、って言ってたでしょう? 同情で結婚を決めるには人生は長すぎますって。オレ、アルロード様に申し訳ないって思いながら長い人生生きるのは嫌ですよ」
「申し訳ないなんて思わなくていいんだよ」
「思います。オレはアルロード様には相思相愛の超絶綺麗なオメガのお嬢さんと、最高に幸せな人生を送って欲しいんです」
「でもルキノ」
「オレ、ちゃんと逃げないで自分がどうだったら幸せか考えます。それで、父にもちゃんと話をしようと思います。……だから、アルロード様もこんな決め方で伴侶を選ばないで。ちゃんと愛する誰かを探して欲しい」
「……」
オレのまっすぐな言葉が響いてくれたのか、アルロード様はそれ以上言いつのってくることはなくて、正直ホッとした。
今日分かったのはアルロード様が思っていた以上にとんでもなく優しくていい人だって事。そして、それゆえに危うさもあるって事。これまで変な人に騙されなくて本当に良かったってレベルだ。
オレも、アルロード様の優しさに甘えてとんでもない迷惑をかけないようにしなくちゃって強く思った。
オレが、気をつけなきゃいけないんだ。
「心配して貰えたのはすごく嬉しかったです。オレ、オメガ性についてももっとちゃんと向き合おうと思います」
「ルキノ……」
「今日も実はちょっと反省してて……まだなんか自覚が薄くって何にも考えないでここに来ちゃったんですけど、オレ、迂闊でしたね」
たとえアルロード様が友人だと思ってくれていたとしても、オレはオメガだ。見る人が見ればふしだらだと捉えられても仕方がない。
それに、発情期でなくとも突然ヒートになる可能性だってなくはないんだ。オレ、本当に迂闊でバカだった。
「本当はオレ、来るべきじゃなかった。アルロード様はアルファだから、オレがうっかりヒートなんか起こしたらアルロード様にとんでもない迷惑をかけてしまうところでした。本当にごめんなさい」
アルロード様は息を呑んで、悲しそうに眉を下げた。
「謝らないで。誘ったのは僕だ。謝るなら僕の方だ」
「じゃあ、今後はお互い気をつけるってことで!」
重たい空気にならないように、オレはあえてさらっとそんな風に言ってみた。これからは絶対にこんなマネはしない。
「念のためにふたりきりになるのは避けて、これまで通りドルフと三人でいれば問題ないと思います。もしオレがヒートになったら、アイツがなんとかしてくれますんで」
「なんとかしてくれるって、彼はベータだろう」
「はい、ベータなんで影響受けないんですよね? アイツならぶん殴ってでも止めてくれるか、誰にも迷惑かけないところに運んでくれると思うんで」
「ああ、そういう……」
アルロード様がホッとした顔をしてくれたから、理解してくれたんだろう。
「君はドルフをとても信頼しているんだね」
「信頼っていうか、いつも見てるでしょう? オレがちょっとぼーっとしてるとすぐオレの分まで飯くっちゃうの。アイツ、全然遠慮とかないんで」
「ちょっと羨ましいな……」
「えっ?」
「いや、なんでもないよ。そうだね、ドルフの協力もあれば安心だ」
「はい!」
「でも、僕もいつでも力になろうと思っている、ということだけは覚えておいてね」
「はい……! ありがとうございます!!!」
どこまでも優しいアルロード様に、感動を禁じ得ないオレだった。
「それは……そんなに大事な事だろうか。ルキノも母上達も似たような事を言うけれど、僕はルキノが幸せな方が嬉しいんだけれど」
「そのお気持ちは嬉しいですけど……やっぱりダメです」
「ダメ? どうしても?」
なにその可愛い困り顔!!!
うっかりアルロード様の言う事ならなんでもきいちゃいそうになっちゃったじゃん!
「どうしても、ダメです」
「でも、ルキノ」
なんとかお断りしたというのに、アルロード様はまだ食い下がってくる。
「実家は出るから二人で気楽に住めるし、公爵家の後ろ盾もある。確実に騎士になれると思うから生活の心配はいらないし、通いの使用人くらいは雇えるよ? ルキノを大切にすると誓うし、自分で言うのもなんだけど優良物件だと思うけれど」
オレのために一生懸命アピールしてくれるアルロード様、尊い。
おこがましいけれど、アルロード様はオレのことを友人のように思ってくれているのかも。
嬉しい……とジーンとしていたオレに、特大の爆弾が落とされた。
「それに僕はその、アルファだから、ルキノが苦しい時にはいつだって助けるよ」
「……!!!」
ショックだった。
そうだ、そういう事だ。
オレがオメガである以上、単に同居人で済まされるわけじゃない。
たった二、三ヶ月一緒にいただけのオレのためにこんなにも必死になれる人なんていない。アルロード様の素晴らしさを実感しているからこそ、絶対にアルロード様だけはオレの事情に巻き込んじゃいけないんだ。
「やっぱアルロード様だけは絶対にダメです」
「どうして? 僕は何かルキノに嫌われるようなことをしてしまっただろうか」
「とんでもない! アルロード様が大好きだからこそ、結婚できないってことです」
「大好き……」
「さっき人生は長い、って言ってたでしょう? 同情で結婚を決めるには人生は長すぎますって。オレ、アルロード様に申し訳ないって思いながら長い人生生きるのは嫌ですよ」
「申し訳ないなんて思わなくていいんだよ」
「思います。オレはアルロード様には相思相愛の超絶綺麗なオメガのお嬢さんと、最高に幸せな人生を送って欲しいんです」
「でもルキノ」
「オレ、ちゃんと逃げないで自分がどうだったら幸せか考えます。それで、父にもちゃんと話をしようと思います。……だから、アルロード様もこんな決め方で伴侶を選ばないで。ちゃんと愛する誰かを探して欲しい」
「……」
オレのまっすぐな言葉が響いてくれたのか、アルロード様はそれ以上言いつのってくることはなくて、正直ホッとした。
今日分かったのはアルロード様が思っていた以上にとんでもなく優しくていい人だって事。そして、それゆえに危うさもあるって事。これまで変な人に騙されなくて本当に良かったってレベルだ。
オレも、アルロード様の優しさに甘えてとんでもない迷惑をかけないようにしなくちゃって強く思った。
オレが、気をつけなきゃいけないんだ。
「心配して貰えたのはすごく嬉しかったです。オレ、オメガ性についてももっとちゃんと向き合おうと思います」
「ルキノ……」
「今日も実はちょっと反省してて……まだなんか自覚が薄くって何にも考えないでここに来ちゃったんですけど、オレ、迂闊でしたね」
たとえアルロード様が友人だと思ってくれていたとしても、オレはオメガだ。見る人が見ればふしだらだと捉えられても仕方がない。
それに、発情期でなくとも突然ヒートになる可能性だってなくはないんだ。オレ、本当に迂闊でバカだった。
「本当はオレ、来るべきじゃなかった。アルロード様はアルファだから、オレがうっかりヒートなんか起こしたらアルロード様にとんでもない迷惑をかけてしまうところでした。本当にごめんなさい」
アルロード様は息を呑んで、悲しそうに眉を下げた。
「謝らないで。誘ったのは僕だ。謝るなら僕の方だ」
「じゃあ、今後はお互い気をつけるってことで!」
重たい空気にならないように、オレはあえてさらっとそんな風に言ってみた。これからは絶対にこんなマネはしない。
「念のためにふたりきりになるのは避けて、これまで通りドルフと三人でいれば問題ないと思います。もしオレがヒートになったら、アイツがなんとかしてくれますんで」
「なんとかしてくれるって、彼はベータだろう」
「はい、ベータなんで影響受けないんですよね? アイツならぶん殴ってでも止めてくれるか、誰にも迷惑かけないところに運んでくれると思うんで」
「ああ、そういう……」
アルロード様がホッとした顔をしてくれたから、理解してくれたんだろう。
「君はドルフをとても信頼しているんだね」
「信頼っていうか、いつも見てるでしょう? オレがちょっとぼーっとしてるとすぐオレの分まで飯くっちゃうの。アイツ、全然遠慮とかないんで」
「ちょっと羨ましいな……」
「えっ?」
「いや、なんでもないよ。そうだね、ドルフの協力もあれば安心だ」
「はい!」
「でも、僕もいつでも力になろうと思っている、ということだけは覚えておいてね」
「はい……! ありがとうございます!!!」
どこまでも優しいアルロード様に、感動を禁じ得ないオレだった。
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