【完結】完璧アルファな推し本人に、推し語りするハメになったオレの顛末

竜也りく

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良かったじゃねーか

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こんなに幸せな気持ちを貰ってるんだから、これからはオレも、アルロード様に同じくらい幸せな気持ちを渡せるように頑張ろう。

アルロード様としっかり抱き合いながら、オレはそんなことを誓ったのだった。

***

濃密な発情期のあとの幸せな一日を経て登校したオレは、早速ドルフから肩をどつかれた。

「よう、良かったじゃねーか」

「ドルフ」

ドルフがいつもみたいにニヤッと笑う。

「アルロード様と結婚できることになったんだろ? 俺もこれで安心だわ」

「知ってたんだ……」

「そりゃまぁ、お前たちが婚約した日、アルロード様から報告があったからな。あの人、天に舞い上がっちゃうんじゃないかくらい喜んでたぜ」

「ええっ!?」

ていうか、いつの間にそんなに仲良くなってたの!?

「そのあとすぐに二人して休むもんだから面食らったけどな。ま、お前もアルロード様も幸せになれそうで良かった良かった」

「ドルフ……」

いつもぶっきらぼうで、適当に相槌うってたりからかってきたりするけど、オレが本当にへこんでるときは黙って傍にいてくれるのがドルフだった。

オレがオメガだって分かってからは、なんでもない風にふるまってくれてたけど、心配してよりそってくれてるの、分かってた。

そのドルフが、本当に安心した顔で笑ってくれるのが嬉しくて。

ドルフはすぐにこの一週間で起こった変わったことや面白いことを次々と教えてくれて、オレは目を丸くしたり腹が苦しくなるまで笑ったり、すっかりいつもの日常に引き戻されていく。

ああ、そうだった。ドルフってこんなヤツだった。

オレが気まずくならないように、バカなことを言いながら普通に接してくれる、そんなドルフだから、アルロード様もいつの間にかすごく仲良くなってるんだろう。

本当にドルフはいいヤツだ。

「まぁ、ルキノ様」

じんわりあったかい気持ちになっていたら、また後ろから声をかけられた。

「アンリエッタ様、ユーリア様」

「おめでとう! あのお方のお心を射止めるだなんて、素晴らしいわ」

アンリエッタ様が、オレの手を取って祝福してくれる。

まさか、こんな風に手放しで祝福して貰えるだなんて思ってなくて、オレは言葉を失った。

「以前は悩ましいお顔をされることも多かったあのお方が、今日は輝くような笑顔で……あまりの眩しさに足元がふらつく方も多数出てしまう始末でしてよ」

そんなに!? 

「でしょうね。コイツとの婚約が決まったって、めちゃくちゃ嬉しそうでしたもん。そりゃ笑顔も天元突破するんじゃないすか?」

「まぁ、やはりそうなのですね! お父様からも、あのお方がとにかく強く望んでこのご縁を纏められたのだと聞いておりましたの。あの幸せそうなお顔を見れば、その情報の正しさを実感するばかりですわね」

「間違いないっすね。さすが宰相様」

興奮気味のアンリエッタ様に、普通にうんうんと頷き返すドルフ。

本当に平民とは思えないふるまいで、ドルフの肝の太さにはいつも驚くばかりだ。

「ルキノ様。あのお方の輝くような笑顔を引き出したのは貴方ですもの! これからもぜひ一番近くであの笑顔を護ってくださいませ。わたくしたち、応援しておりますわ」

「が、頑張ります……!!!」

アンリエッタ様がオレの両手を白魚のような手でしっかりと包み込んで、ぶんぶん振る。アンリエッタ様にそう言われれば、もう頑張るしかない。

そう決意するものの、美しいお顔で、キラキラの瞳で見つめられて、両手をシェイクされて、徐々に恥ずかしくなってくる。

上級貴族のお嬢様力えげつない。

困ったなと思っていたら、うふふ、と楽しそうな声が聞こえて来た。

「アンリエッタ様、近すぎでしてよ。ルキノ様が困っていらっしゃるわ」

今までアンリエッタ様の後ろに控えていたユーリア様が、アンリエッタ様の手にそっと触れる。そこでアンリエッタ様もハッと気づいてくれたらしい。

「まぁ、ごめんなさい。あまりに嬉しくて、ついはしたない真似をしてしまいました」

「いえ、ありがとうございます。勇気が出ました!」

「まぁ、良かったわ」

「きっとルキノ様は自然体であのお方のお傍にいるだけで充分にあのお方を幸せにできるのでしょうね。見てくださいませ、アンリエッタ様。ルキノ様、とても素敵なチョーカーを身につけていらっしゃるわ」

「あら、本当ね」

「あ、確かに。今までのと似てるけど、ちょいグレードアップしたか?」

なぜかドルフまで参戦してマジマジと見つめてくるものだから、だんだん恥ずかしくなってくる。

「あ、すげえ、宝石ついてら」

「あのお方の瞳の色ですね。お気持ちのほどがうかがえますわ」

「まぁ、しっかりとヴァッサレア公爵家の紋章が型押しされているわね。あのお方、意外にも独占欲が強いのかしら。新たな発見だわ」

「それも素敵ね」

アンリエッタ様とユーリア様が微笑み合えば、ドルフは「どう見ても独占欲の塊っすけどね」と頷く。

そして、ユーリア様は俺に優しく微笑んでくれた。

「ルキノ様、番から贈られたチョーカーは、オメガとしてとても重要なもの。ある意味誇りとも言えるものですわ」
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