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”ツンデレ妹剣聖オナホ妻”リン
ツンデレ剣聖少女
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「ふぅ~、よく寝た」
翌朝、俺はいつもより元気に目を覚ました。昨日は色んな意味で体をたくさん動かした上に、性欲も発散したので早めに寝たが、目覚めも良かった。何より、あのリンを無事に堕とすことが出来たのだ。これから彼女を好きなように出来ると思うとそれだけで元気がみなぎってくる。
早速、俺は少し早めに昨日買ったものを持って彼女の宿の部屋に向かう。
昨日リンと別れたのはリンの体調を気遣って……というのも多少はあるが、色々買い物をしたかったからだ。
買ったものを持って彼女の部屋の前までくると俺は少しだけ緊張しながらノックする。
あのときは何度も中出しして強力に催眠をかけたが、リンの魔力が回復すればもしかすると催眠が解けてしまっている可能性もゼロではない。
どの程度の催眠が残っているだろうか、少し緊張してしまう。
「リン、起きてるか?」
「あ、アレン? 何でここに……」
ドアの奥から返ってきた声は寝起きのせいか、少しかすれている。
「いや、昨日服を汚してしまったからお詫びに買ってきたんだ」
「そ、それはいい心掛けね」
態度は元に戻りつつあるが、すぐに足音がしてドアが開く。
開けてくれるということは少なくとも催眠が解けて元の状態に戻っているということはないようだ。
ドアを開けると、中には夜着姿の上にマントを羽織ったリンが立っていた。
マントの隙間から見える肢体が朝からまぶしい。
俺に対しては緊張と警戒の表情の目を向けているが、敵意はなさそうだ。
「入って」
「ああ、これだ」
中に入ると、早速俺は昨日買った服を渡す。
するとリンは少しだけ嬉しそうな表情になった。まあ実際、昨日あれだけ汚してしまった服で冒険を続けることは出来ないから困っていたのだろう。
「あんたのセンスはどんなものか見せてもらうわ。着替えるからちょっと待ってなさい」
そう言ってリンはトイレに入って着替える。
衣擦れの音が聞こえてきて覗きたい衝動に駆られるが、とりあえず今は我慢する。
「ちょっと、これ何なのっ!?」
やがてリンは怒りの声をあげながら戻ってくる。
その姿を見て俺は息を呑んだ。
俺が買ったのはリンの元の服装に似せたが、少しずつアレンジしたものだ。
上着の白いシャツはノースリーブで、しかもわずかにサイズが小さいものを選んだのですその下から彼女の可愛いへそがちらちら見えているし、胸元もぱっつんぱっつんしていて、彼女の形のいいおっぱいの形がはっきりと見える。
そしてこれまで彼女の体を覆っていたマントの代わりに、肩と胸元をぎりぎり覆うぐらいの薄いケープを買った。胸元でリボンで留めることが出来、前は胸元まで隠せるので一応普段は他人から胸の形がはっきり見えることはないはずだ。もちろん、マントと違ってちょっとのはずみでめくれてしまう頼りないものだが。しかもケープがめくれるとノースリーブのシャツから脇が見える。
後ろも腰の少し上までしか覆うことが出来ず、マントと違ってスカートを隠すことは出来ない。
そしてそのスカートも、これまでより少し丈が短いものを選んだ。普通に歩いている分には大丈夫だが、かがんだり戦闘したりすればすぐに中身が見えてしまうだろう。その分ソックスはニーハイを選んだのでそれで許してほしい。
当然リンは顔を真っ赤にして抗議する。
「何よこの格好! こんな破廉恥な恰好で外を歩けって言うの!?」
極めつけはリンが語気を荒げるたびに揺れるスカートから見える紐に近いパンツだ。元は色気もくそもない下着を履いていたが、それも昨日ぐしょぐしょになってしまったので俺が買ってきたわけだ。
普段は見えないが、俺が渡した少しエッチな下着を彼女が身に着けていると思うとそれだけで少しテンションが上がる。
「落ち着け、あんまり暴れると前からパンツが見えるぞ」
「きゃっ」
俺の指摘にリンは慌ててスカートを抑えた。
嫌がっているし口は悪いが、きちんと着替えているということはやはり催眠はそれなりに残っているようだ。
「大丈夫だ、可愛いし、似合ってるぞ、リン」
「ふぇっ、か、かわいい!?」
俺の言葉にリンは顔を真っ赤にする。
その表情に嫌悪の色はなく、照れと喜びが半々といったところだろうか。
「ああ、かわいい。だからこれからは俺のためにその服を着てくれないか?」
「~~~っ!! わ、分かったわよっ! 昨日の服はあんたに汚されちゃったし、仕方ないから着てあげるわっ! 本当に仕方なくなんだからねっ!?」
「ありがとう」
「ふんっ」
そう言ってリンの照れ隠しなのか、俺から顔を背ける。
「それとこれは昨日の報酬のきっちり半額だ」
「あ、ありがと」
そう言ってリンは振り返ると、照れが残っているのか赤くなった顔で報酬を受け取る。何だかんだ言っても彼女はすっかり堕ちているようだ。
報酬を渡した後、俺たちはギルドの食堂に行く。
宿も食堂もギルドに併設されており、ギルドに訪れる客のほとんどが利用するので朝から賑わっていた。
リンの態度や服装が目に見えて変わったこともあり、周囲の客は俺たちを見てざわめいており、「何かリン変わったな」「何かかわいくなってね?」「おい、そんなこと言ったら殺されるぞ」などといった会話が聞こえてくる。
リンは聞こえない風を装って朝食を食べているが、「かわいくなった」と言われたときには少しだけ顔を赤くする。
それを見て俺は少しだけ優越感に浸りながら朝食をとるのだった。
そんな風にリンと一緒に食事をしていると、ふと遠くで騒ぎが起こっていることに気づく。
「おい、お嬢ちゃんいい体してんなぁ」
「誘ってるのか?」
絡んでいるのは昨夜から徹夜して飲んでいたと思われる酔っ払いたちである。
冒険者や旅人は普通の町人に比べて柄の悪い人が多く、こうした光景はよく見られる。
「そんなこと言われても困ります」
一方、絡まれて抗議しているのは旅人のような恰好をした女だった。
彼女はフードを被っているものの、隙間から見えるのはきれいな金髪で、肌も色白だ。そしてマントの上からも分かるぐらい、胸元が膨らんでいるのが見える。
そしてフードの下に見えるのはまるでお姫様のようなきれいな顔立ちだった。
リンもきれいだが、リンよりも柔らかい印象で、俺よりも年上に見える。リンは可憐寄りだが、彼女は綺麗と言うべきだろうか。
百人とすれ違えばみな振り向くほどの美人だろう。そんな人なのに一人旅をしていたのだろうか、と少し疑問に思う。
「ああ、いつもの酔っ払いね。面倒なのよ、彼ら」
その光景を見てリンは淡々と言う。俺はこの街に来たばかりだがリンからするといつものことのようだ。
このギルドにはリン以外にあまり腕が立つ冒険者がいないせいか、誰も止めようとしない。
まあ放っておくのも目障りだし軽く解決しようと立ち上がり、彼らの元へ向かう。
「まあそれぐらいにしとけって」
「何だと!?」
「誰だお前はっ!」
案の定、彼らはいきなり現れた俺に大声で圧をかける。
が、腕っぷしが強そうではあるが所詮ただのゴロツキだ。
「“お前たち、そろそろ家に帰って休んだ方がいいぞ”」
「あ、ああ」
「そ、そうかもな」
酔って頭が悪くなっている男を催眠で帰らせる程度、普通にしゃべるのと変わらない難易度だ。男たちは俺に言われるがままにすごすごと帰っていく。
恐らく普通の人には催眠をかけたのではなく俺が一喝して追い払ったように見えるだろう。
「あ、ありがとうございます……」
酔っ払いたちが帰っていくと、女が礼を言う。
こうして向かい合ってみると、改めてただの一般人ではなさそうなオーラを感じる。身分的なものもそうだが、俺に近いぐらいの魔力を持っている雰囲気もあった。
「災難だったな」
「あの、あなたはもしかして精神魔法を使えるのですか?」
「ああ、そうだが」
俺は少し警戒しながら答える。
魔法の心得があるから俺が何をしたのか分かったのだろうか。
また変に警戒されたり、もしくはリンみたいに馬鹿にしてきたりするのだろうか。
が、そんなネガティブな予想に反して彼女は顔をほころばせた。
「わあ、すごいです。なかなか使える方いないのと聞いています!」
「あ、ああ、ありがとう」
こんな風に無邪気に褒められたのは初めてなので少し気分が良くなる。
が、そこで俺はふと、かすかに、ではあるが彼女に違和感を覚える。
確かに彼女は俺に助けられてほっとしているようだが、どこかそれとは違う感情が見えるのだ。
それが何か分からずにいると、不意に声をかけられる。
「い、いつまで話してるつもり? ナンパ?」
誰かと思えばリンだった。少し刺のある声で話しかけてくる。
それを見て目の前の少女が少し申し訳なさそうな顔をした。
「すみません、時間をとらせてしまって。私はティアと言います。数日はこの街にいますね」
「俺はアレン。俺もしばらくいると思う」
「機会があればまたお話しましょう……ではっ」
そう言って彼女は足早に去っていく。
俺がリンを待たせているものと勘違いして気を遣わせてしまったのだろう。
振り向くと、リンは微妙な表情で立っている。どうしたのだろうか。
「どうした? 何か用でもあるのか?」
「い、いや別にそういうのはないけど……ほ、ほらっ、私もう食べ終わったし……」
何でもはっきり口にする彼女にしては珍しく、歯切れの悪い言い方をする。
一体どうしたのだろうか。
「でもそんなに急ぐ用事も……」
「な、何でもないわっ」
リンはそう言って急に顔をそらす。
それを見て俺は直感的に察した。
もしかしてリンは俺が他の女性と、しかもかなり美人な女と親しげに話しているのを見て嫉妬したのではないか?
だとしたら昨日の催眠はかなり効いているようだ。
何度も「ツンデレ妹剣聖オナホ妻」と叫びながら中出しした甲斐があった。だから本能的に俺が他の女性にとられそうになったのを阻止したのだろう。
とはいえティアと名乗ったあの女もなかなか美人だし、それを置いておいたとしてもかなりの魔力があるのを感じたので出来るならパーティーに引き入れたい。そうすれば必ずや戦力になるだろう。
何のために?
そこで俺はふとギルムたちのことを思い出す。あの時は奴らを仲間だと思っていたから魔法をかけるなんて思いもしなかったし、三対一という数の差もあって醜態を晒してしまった。
だが今の俺にためらいはないし、剣聖のリンと、かなりの魔力を持つあの女性を仲間に出来れば人数も三対三になる。
そこまで考えて俺は我に帰る。
先のことよりとりあえず目の前のことに集中しよう。
リンが嫉妬しているのは嬉しいが、今後のことを思うともう少し調教した方がいいのかもしれない。ティアにしろ、他の人にしろ、パーティーはメンバーが増えると戦力が上がるのと同時に内部対立の危険も大きくなる。
だからもう少しティアを従順にしなければ……というのはある意味建前で、昨日のことを思い出して俺はもっとリンの端正な表情が快楽に屈服していくのを見たくて仕方なくなっていた。
翌朝、俺はいつもより元気に目を覚ました。昨日は色んな意味で体をたくさん動かした上に、性欲も発散したので早めに寝たが、目覚めも良かった。何より、あのリンを無事に堕とすことが出来たのだ。これから彼女を好きなように出来ると思うとそれだけで元気がみなぎってくる。
早速、俺は少し早めに昨日買ったものを持って彼女の宿の部屋に向かう。
昨日リンと別れたのはリンの体調を気遣って……というのも多少はあるが、色々買い物をしたかったからだ。
買ったものを持って彼女の部屋の前までくると俺は少しだけ緊張しながらノックする。
あのときは何度も中出しして強力に催眠をかけたが、リンの魔力が回復すればもしかすると催眠が解けてしまっている可能性もゼロではない。
どの程度の催眠が残っているだろうか、少し緊張してしまう。
「リン、起きてるか?」
「あ、アレン? 何でここに……」
ドアの奥から返ってきた声は寝起きのせいか、少しかすれている。
「いや、昨日服を汚してしまったからお詫びに買ってきたんだ」
「そ、それはいい心掛けね」
態度は元に戻りつつあるが、すぐに足音がしてドアが開く。
開けてくれるということは少なくとも催眠が解けて元の状態に戻っているということはないようだ。
ドアを開けると、中には夜着姿の上にマントを羽織ったリンが立っていた。
マントの隙間から見える肢体が朝からまぶしい。
俺に対しては緊張と警戒の表情の目を向けているが、敵意はなさそうだ。
「入って」
「ああ、これだ」
中に入ると、早速俺は昨日買った服を渡す。
するとリンは少しだけ嬉しそうな表情になった。まあ実際、昨日あれだけ汚してしまった服で冒険を続けることは出来ないから困っていたのだろう。
「あんたのセンスはどんなものか見せてもらうわ。着替えるからちょっと待ってなさい」
そう言ってリンはトイレに入って着替える。
衣擦れの音が聞こえてきて覗きたい衝動に駆られるが、とりあえず今は我慢する。
「ちょっと、これ何なのっ!?」
やがてリンは怒りの声をあげながら戻ってくる。
その姿を見て俺は息を呑んだ。
俺が買ったのはリンの元の服装に似せたが、少しずつアレンジしたものだ。
上着の白いシャツはノースリーブで、しかもわずかにサイズが小さいものを選んだのですその下から彼女の可愛いへそがちらちら見えているし、胸元もぱっつんぱっつんしていて、彼女の形のいいおっぱいの形がはっきりと見える。
そしてこれまで彼女の体を覆っていたマントの代わりに、肩と胸元をぎりぎり覆うぐらいの薄いケープを買った。胸元でリボンで留めることが出来、前は胸元まで隠せるので一応普段は他人から胸の形がはっきり見えることはないはずだ。もちろん、マントと違ってちょっとのはずみでめくれてしまう頼りないものだが。しかもケープがめくれるとノースリーブのシャツから脇が見える。
後ろも腰の少し上までしか覆うことが出来ず、マントと違ってスカートを隠すことは出来ない。
そしてそのスカートも、これまでより少し丈が短いものを選んだ。普通に歩いている分には大丈夫だが、かがんだり戦闘したりすればすぐに中身が見えてしまうだろう。その分ソックスはニーハイを選んだのでそれで許してほしい。
当然リンは顔を真っ赤にして抗議する。
「何よこの格好! こんな破廉恥な恰好で外を歩けって言うの!?」
極めつけはリンが語気を荒げるたびに揺れるスカートから見える紐に近いパンツだ。元は色気もくそもない下着を履いていたが、それも昨日ぐしょぐしょになってしまったので俺が買ってきたわけだ。
普段は見えないが、俺が渡した少しエッチな下着を彼女が身に着けていると思うとそれだけで少しテンションが上がる。
「落ち着け、あんまり暴れると前からパンツが見えるぞ」
「きゃっ」
俺の指摘にリンは慌ててスカートを抑えた。
嫌がっているし口は悪いが、きちんと着替えているということはやはり催眠はそれなりに残っているようだ。
「大丈夫だ、可愛いし、似合ってるぞ、リン」
「ふぇっ、か、かわいい!?」
俺の言葉にリンは顔を真っ赤にする。
その表情に嫌悪の色はなく、照れと喜びが半々といったところだろうか。
「ああ、かわいい。だからこれからは俺のためにその服を着てくれないか?」
「~~~っ!! わ、分かったわよっ! 昨日の服はあんたに汚されちゃったし、仕方ないから着てあげるわっ! 本当に仕方なくなんだからねっ!?」
「ありがとう」
「ふんっ」
そう言ってリンの照れ隠しなのか、俺から顔を背ける。
「それとこれは昨日の報酬のきっちり半額だ」
「あ、ありがと」
そう言ってリンは振り返ると、照れが残っているのか赤くなった顔で報酬を受け取る。何だかんだ言っても彼女はすっかり堕ちているようだ。
報酬を渡した後、俺たちはギルドの食堂に行く。
宿も食堂もギルドに併設されており、ギルドに訪れる客のほとんどが利用するので朝から賑わっていた。
リンの態度や服装が目に見えて変わったこともあり、周囲の客は俺たちを見てざわめいており、「何かリン変わったな」「何かかわいくなってね?」「おい、そんなこと言ったら殺されるぞ」などといった会話が聞こえてくる。
リンは聞こえない風を装って朝食を食べているが、「かわいくなった」と言われたときには少しだけ顔を赤くする。
それを見て俺は少しだけ優越感に浸りながら朝食をとるのだった。
そんな風にリンと一緒に食事をしていると、ふと遠くで騒ぎが起こっていることに気づく。
「おい、お嬢ちゃんいい体してんなぁ」
「誘ってるのか?」
絡んでいるのは昨夜から徹夜して飲んでいたと思われる酔っ払いたちである。
冒険者や旅人は普通の町人に比べて柄の悪い人が多く、こうした光景はよく見られる。
「そんなこと言われても困ります」
一方、絡まれて抗議しているのは旅人のような恰好をした女だった。
彼女はフードを被っているものの、隙間から見えるのはきれいな金髪で、肌も色白だ。そしてマントの上からも分かるぐらい、胸元が膨らんでいるのが見える。
そしてフードの下に見えるのはまるでお姫様のようなきれいな顔立ちだった。
リンもきれいだが、リンよりも柔らかい印象で、俺よりも年上に見える。リンは可憐寄りだが、彼女は綺麗と言うべきだろうか。
百人とすれ違えばみな振り向くほどの美人だろう。そんな人なのに一人旅をしていたのだろうか、と少し疑問に思う。
「ああ、いつもの酔っ払いね。面倒なのよ、彼ら」
その光景を見てリンは淡々と言う。俺はこの街に来たばかりだがリンからするといつものことのようだ。
このギルドにはリン以外にあまり腕が立つ冒険者がいないせいか、誰も止めようとしない。
まあ放っておくのも目障りだし軽く解決しようと立ち上がり、彼らの元へ向かう。
「まあそれぐらいにしとけって」
「何だと!?」
「誰だお前はっ!」
案の定、彼らはいきなり現れた俺に大声で圧をかける。
が、腕っぷしが強そうではあるが所詮ただのゴロツキだ。
「“お前たち、そろそろ家に帰って休んだ方がいいぞ”」
「あ、ああ」
「そ、そうかもな」
酔って頭が悪くなっている男を催眠で帰らせる程度、普通にしゃべるのと変わらない難易度だ。男たちは俺に言われるがままにすごすごと帰っていく。
恐らく普通の人には催眠をかけたのではなく俺が一喝して追い払ったように見えるだろう。
「あ、ありがとうございます……」
酔っ払いたちが帰っていくと、女が礼を言う。
こうして向かい合ってみると、改めてただの一般人ではなさそうなオーラを感じる。身分的なものもそうだが、俺に近いぐらいの魔力を持っている雰囲気もあった。
「災難だったな」
「あの、あなたはもしかして精神魔法を使えるのですか?」
「ああ、そうだが」
俺は少し警戒しながら答える。
魔法の心得があるから俺が何をしたのか分かったのだろうか。
また変に警戒されたり、もしくはリンみたいに馬鹿にしてきたりするのだろうか。
が、そんなネガティブな予想に反して彼女は顔をほころばせた。
「わあ、すごいです。なかなか使える方いないのと聞いています!」
「あ、ああ、ありがとう」
こんな風に無邪気に褒められたのは初めてなので少し気分が良くなる。
が、そこで俺はふと、かすかに、ではあるが彼女に違和感を覚える。
確かに彼女は俺に助けられてほっとしているようだが、どこかそれとは違う感情が見えるのだ。
それが何か分からずにいると、不意に声をかけられる。
「い、いつまで話してるつもり? ナンパ?」
誰かと思えばリンだった。少し刺のある声で話しかけてくる。
それを見て目の前の少女が少し申し訳なさそうな顔をした。
「すみません、時間をとらせてしまって。私はティアと言います。数日はこの街にいますね」
「俺はアレン。俺もしばらくいると思う」
「機会があればまたお話しましょう……ではっ」
そう言って彼女は足早に去っていく。
俺がリンを待たせているものと勘違いして気を遣わせてしまったのだろう。
振り向くと、リンは微妙な表情で立っている。どうしたのだろうか。
「どうした? 何か用でもあるのか?」
「い、いや別にそういうのはないけど……ほ、ほらっ、私もう食べ終わったし……」
何でもはっきり口にする彼女にしては珍しく、歯切れの悪い言い方をする。
一体どうしたのだろうか。
「でもそんなに急ぐ用事も……」
「な、何でもないわっ」
リンはそう言って急に顔をそらす。
それを見て俺は直感的に察した。
もしかしてリンは俺が他の女性と、しかもかなり美人な女と親しげに話しているのを見て嫉妬したのではないか?
だとしたら昨日の催眠はかなり効いているようだ。
何度も「ツンデレ妹剣聖オナホ妻」と叫びながら中出しした甲斐があった。だから本能的に俺が他の女性にとられそうになったのを阻止したのだろう。
とはいえティアと名乗ったあの女もなかなか美人だし、それを置いておいたとしてもかなりの魔力があるのを感じたので出来るならパーティーに引き入れたい。そうすれば必ずや戦力になるだろう。
何のために?
そこで俺はふとギルムたちのことを思い出す。あの時は奴らを仲間だと思っていたから魔法をかけるなんて思いもしなかったし、三対一という数の差もあって醜態を晒してしまった。
だが今の俺にためらいはないし、剣聖のリンと、かなりの魔力を持つあの女性を仲間に出来れば人数も三対三になる。
そこまで考えて俺は我に帰る。
先のことよりとりあえず目の前のことに集中しよう。
リンが嫉妬しているのは嬉しいが、今後のことを思うともう少し調教した方がいいのかもしれない。ティアにしろ、他の人にしろ、パーティーはメンバーが増えると戦力が上がるのと同時に内部対立の危険も大きくなる。
だからもう少しティアを従順にしなければ……というのはある意味建前で、昨日のことを思い出して俺はもっとリンの端正な表情が快楽に屈服していくのを見たくて仕方なくなっていた。
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