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猫耳族(ヴァーナ)の里とセシルとの再会
アンデッド討伐
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その後すっかり大人しくなったリンを連れて二人のところに戻り、俺たちはようやく元いた部屋に戻る。部屋に戻ると三人ともほっとしつつもどこか寂しそうな表情を見せながら眠りにつくのだった。
そんなことがあった三日後、俺たちは猫耳族の戦士たちとともにアンデッドが出るという山に向かうことになった。
戦士二十人ほどを率い、飾りのついた槍を構えた族長が改めて俺たちに頭を下げる。
「それでは改めてよろしく頼む」
「ああ、任せてくれ」
あの日は野外であんなに乱れていた三人だが、リンは凛とした剣聖のたたずまいをしているし、ティアは知的な魔術師、ミリアは清楚な聖女にしか見えない。
ちなみに、少し名残惜しいが、さすがに猫耳と猫尻尾は外すことにした。
山に向かってしばらく歩いていると、徐々に森が開けていく。
が、途中でところどころの木々や植物が変な枯れ方をしているのが目に入る。アンデッドが近くを通ると植物はこのように枯れてしまうという。
それを見て俺たちも気を引き締めて進んでいく。
やがて森を出て山に入ると、山肌の中には小動物の死体が転がっているのが見える。肉はほとんど食べられているが、残った頭や皮は腐敗している。
「これも奴らの仕業か」
「おぞましい」
猫耳族の戦士たちがそれを見て眉をひそめる。
「キェェェェェーッ!」
そこへ一体の鹿のような動物が奇声をあげながら向かってくる。
形状は鹿なのだが、頭部は腐敗しており、口からは腐った触手のような舌を生やしている。
完全にアンデッド化してしまっていた。
「いたぞ! やつらだ!」「うて!」
たちまち猫耳族の戦士たちが矢を放つ。
「ホーリー・ソード!」
リンが呪文を唱えると彼女の剣は聖なる光に包まれる。
そんな剣を構えてリンが向かっていくと、猫耳族の戦士たちが放った矢の雨がアンデッドの鹿に降り注ぐ。
矢が当たると鹿の皮膚からは緑や紫の体液が噴き出すが、すでに死んでいるせいか鹿の動きは止まらない。
そこにリンの剣が降り降ろされる。聖なる光をまとった彼女の剣はあっさりと鹿を一刀両断した。
それを見て戦士たちからはどよめきが上がる。
が、俺はそれよりもあのアンデッドのことが気になっていた。
「ティア、アンデッドというのはああいうものなのか?」
「いえ、普通はあそこまで動きが素早くないし、体液の色も異常ですし、口から生えていた触手のようなものも普通ではありません」
ティアも眉をひそめて言う。
やはりこいつは自然発生するアンデッドとは違うらしい。
「突然大量に発生しているというのもありますし、やはり何か原因があるでしょう」
「分かった」
そんなアンデッドたちとの戦闘を重ねつつ、俺たちはいっそう注意して山の中へ分け入っていく。
地形は複雑ではあったが、アンデッドたちは腐臭がすごい上に、行動するとぼたぼたと不気味な体液をこぼしていくので、どの方向に向かえばいいのかはすぐに分かった。
恐らくではあるがこの特殊なアンデッドの体液には、触れた動物をアンデッド化する作用があるのだろう。
アンデッドとはだんだん出会う頻度が高くなっていき、ウサギや鳥など様々なアンデッドを倒しながら俺たちは大きな洞窟の前へとたどり着いた。
中からはこれまでとは比べ物にならない腐臭がする。
恐らくこの中がアンデッドの発生源だろう。
「中は危ないかもしれない。みなは待っていてくれ」
俺は族長たちを入口に留めて中に入る。
腐臭とむわっとする空気が漂ってくる中を進んでいくと、やがて中からごそごそという音がしたかと思うと、巨大な影がずしんと音を立てて動く。
見ると、そこには元は竜だったと思われる腐臭を放つアンデッドがいた。
「これは……ドラゴンゾンビか」
「恐らくこいつが最強でしょう。でも、こいつも他のアンデッドとあまり変わらないようですね。こいつが他のアンデッドを発生させているというよりは、こいつも他の大勢と同じように発生させられたような……」
ティアが話していると、ドラゴンゾンビはかつては空を羽ばたいていた翼は腐り、ずしんずしんと音を立ててこちらへ向かってくる。さらにその後ろからは大小さまざまのアンデッドが現れた。
「く、こんなにたくさん……」
それを見てティアが顔をしかめる。
「よし、ティアは攻撃魔法を、ミリアはリンに支援魔法を!」
「はい、ファイアーストーム!」
ティアが呪文を唱えると炎の渦が広がっていき、アンデッドたちを包みこむ。
ミリアもリンの剣を強化し、リンは強化された剣で腐った体を切り裂いていく。
そんな中、俺は魔力を集めてドラゴンゾンビに魔法を放つ。
有象無象のアンデッドには心はないだろうが、このドラゴンのような巨大なアンデッドであれば妄執のようなものが残っている可能性は高い。
「マインド・クラッシュ!」
「グオオオオオォォォ!」
呪文を唱えるとドラゴンに残っていた精神のようなものにダメージが入ったのか、ドラゴンは悲鳴をあげる。
その間にティアの放った炎で雑魚アンデッドは焼き尽くされていった。
そして強化された剣を構えたリンがドラゴンに斬りかかる。
「ガグゴオオオオッ」
一方のドラゴンはのたうち回りながらも口から触手を吐き出して応戦する。
「せいっ」
リンはすぐにそれを斬り捨て、ドラゴンの首元に剣を突き立てる。
ブスり、とリンの剣はドラゴンの首に食い込んでいくが、体が大きすぎるせいか、ドラゴンは倒れない。
すぐに腕からも触手を生やしてリンを捕えようとする。
リンは慌てて剣を抜こうとするが、剣は突き刺さったせいか抜けず、その隙に触手がリンに襲い掛かる。
「ホーリー・バリア!」
慌ててミリアがバリアを張って触手は弾かれるが、今度は逆側から触手がリンに迫る。
「きゃあっ」
不意をつかれたリンの体が触手に包まれる。
触手はリンを剣から引き離すと、捕まえたことを誇示するように彼女の体を高く掲げる。そして彼女の体を這いまわる。
「や、やめてっ、あたしの中に入ってこないでっ」
ティアとミリアは魔法をかけようとするが、ドラゴンの翼が二人とリンの視界を遮った。これでは支援魔法をかけることが出来ない。
「ファナティシズム!」
まずいと思った俺はリンに精神魔法をかける。
これは対象の精神を興奮させることで火事場の馬鹿力のようなものを引き出す力だ。
「あああああああっ!」
魔法で興奮したリンはぶちぶちと自分を覆う触手を引きちぎっていく。
服には穴が空き、ドラゴンの体液で体はべちょべちょになっていたが、鬼気迫る表情を浮かべたリンはドラゴンの体に刺さっていた件を引き抜くと、それを振り上げる。
「ホーリー・ブレイド」
「ファイア・ブレイド」
そんなリンの剣にティアとミリアが同時に強化魔法をかける。
強化されたリンの剣が一気にドラゴンの首を刎ねた。
「ガグゴオオオオッ」
ぐちょりっ、という気色悪い音と共に、ドラゴンは断末魔の声をあげてその場に倒れる。辺りにズシン、という音が響き渡った。
「ファイアーストーム!」
そして残った雑魚アンデッドたちはティアが全て焼き尽くす。
こうしてめでたく敵を全滅させることが出来たのだった。
もっとも、
「はぁ、はぁ……」
ドラゴンの触手に捕らわれていた上に俺の魔法で一時的に興奮状態にあったリンは呼吸が荒く、体も火照っている。
最後に敵を倒した時の帰り血(正確には体液だが)を浴びて体もぐちゃぐちゃになっており、一人だけやたら煽情的だった。
「はぁ、はぁ……もうだめぇっ、我慢できない……」
そう言ってリンは洞窟の隅に走っていくと、くちゅくちゅと音を立てて乳首とおマンコを触り始める。
構ってあげたいところではあるが、まだ洞窟の探索が終わったわけではない。
「よし、奥まで様子を見にいこう。ミリアはリンの近くにいてくれ」
俺たちは焼け焦げたアンデッドたちの体を踏み越えて奥へと進んでいく。
奥にはまだアンデッド化していない普通の動物の死体、中には弱っているものの生きている動物もいた。
彼らは動物を集めてアンデッド化しようとしていたのだろうか。普通アンデッドにそこまでの知能はないが、一体なぜ……
そんなことを考えつつ俺は奥へ奥へと進んでいく。
ちなみにティアはまだ生きている動物を見るたびに回復魔法をかけていき、回復した動物は腐臭漂う空間から逃げるように洞窟の出口へと向かっていった。
そして洞窟の一番奥へとたどり着いたときだった。
一人の、負傷した人間がこちらに震える手で短剣を構えているのが見える。生きてはいるが、体のところどころが腐ってアンデッド化が進んでいる。
アンデッドにとってはアンデッド化する対象は人間も動物もどちらでも良かったのだろう。
が、問題はその人物だった。
服は破れ、あちこちに傷を負ってはいるが、かつて同じパーティーにいたセシルその人であった。
「せ……セシル?」
「アレン!?」
俺が驚きつつ名前を呼ぶと、彼女も震える声で反応する。
まさかこんなところで再会するとは。
「どうしてこんなところに?」
「も、もうドラゴンゾンビは倒した?」
彼女は脅えたように言う。
「ああ。だから事情を話してくれ」
俺が頷くと、彼女は少しだけ安堵したようだった。
俺は回復魔法をかけようとするティアを手で制する。まだセシルが味方と決まった訳ではない。
「ギルムと一緒にアンデッド討伐に来て、私たちはドラゴンがいない間にここに来た。ギルムが言うには今回のアンデッドはおかしいから、何か発生源のようなものがあるかもしれないっと。中に入ったら案の定アンデッドの発生に関わっていそうな宝玉があったんだけど、そこにドラゴンが帰ってきて……」
そう言ってセシルは言葉を濁す。
とはいえギルムの性格ならそうなったときにどうするかは想像がつく。
「ギルムはお前を囮にして、宝玉だけ持って逃げたってことか」
「そ、そうよ……」
「あいつに味方して俺を追い出した結果がこれだよ」
「そ、それは……そ、それよりそのドラゴンゾンビを本当にあんたが倒したって言うの!?」
セシルは信じられない、という顔をする。
今更俺をいじめたり、雑用を押し付けたり、罵ったりしたことを思い出したのだろうか、彼女は俺の方を見て表情を歪めた。
「そうだ。もっとも俺は今はギルムのパーティーよりも強いパーティーを組んでいるがな」
「そ、そんな……」
元々体力を消耗していた上にドラゴンゾンビがいなくなってほっとした気持ちと俺への恐怖が合わさったのだろう、彼女はそのままばたりと倒れた。
「彼女もミリアさんと同じような方ですか?」
ようやくティアが口を開く。
「そうだな。だから意識が戻らない程度に回復してくれ。連れていく」
「はい」
その後俺はリンとミリアに事情を説明し、族長にはドラゴンのアンデッドを討伐したことを告げて里に戻ったのだった。
そんなことがあった三日後、俺たちは猫耳族の戦士たちとともにアンデッドが出るという山に向かうことになった。
戦士二十人ほどを率い、飾りのついた槍を構えた族長が改めて俺たちに頭を下げる。
「それでは改めてよろしく頼む」
「ああ、任せてくれ」
あの日は野外であんなに乱れていた三人だが、リンは凛とした剣聖のたたずまいをしているし、ティアは知的な魔術師、ミリアは清楚な聖女にしか見えない。
ちなみに、少し名残惜しいが、さすがに猫耳と猫尻尾は外すことにした。
山に向かってしばらく歩いていると、徐々に森が開けていく。
が、途中でところどころの木々や植物が変な枯れ方をしているのが目に入る。アンデッドが近くを通ると植物はこのように枯れてしまうという。
それを見て俺たちも気を引き締めて進んでいく。
やがて森を出て山に入ると、山肌の中には小動物の死体が転がっているのが見える。肉はほとんど食べられているが、残った頭や皮は腐敗している。
「これも奴らの仕業か」
「おぞましい」
猫耳族の戦士たちがそれを見て眉をひそめる。
「キェェェェェーッ!」
そこへ一体の鹿のような動物が奇声をあげながら向かってくる。
形状は鹿なのだが、頭部は腐敗しており、口からは腐った触手のような舌を生やしている。
完全にアンデッド化してしまっていた。
「いたぞ! やつらだ!」「うて!」
たちまち猫耳族の戦士たちが矢を放つ。
「ホーリー・ソード!」
リンが呪文を唱えると彼女の剣は聖なる光に包まれる。
そんな剣を構えてリンが向かっていくと、猫耳族の戦士たちが放った矢の雨がアンデッドの鹿に降り注ぐ。
矢が当たると鹿の皮膚からは緑や紫の体液が噴き出すが、すでに死んでいるせいか鹿の動きは止まらない。
そこにリンの剣が降り降ろされる。聖なる光をまとった彼女の剣はあっさりと鹿を一刀両断した。
それを見て戦士たちからはどよめきが上がる。
が、俺はそれよりもあのアンデッドのことが気になっていた。
「ティア、アンデッドというのはああいうものなのか?」
「いえ、普通はあそこまで動きが素早くないし、体液の色も異常ですし、口から生えていた触手のようなものも普通ではありません」
ティアも眉をひそめて言う。
やはりこいつは自然発生するアンデッドとは違うらしい。
「突然大量に発生しているというのもありますし、やはり何か原因があるでしょう」
「分かった」
そんなアンデッドたちとの戦闘を重ねつつ、俺たちはいっそう注意して山の中へ分け入っていく。
地形は複雑ではあったが、アンデッドたちは腐臭がすごい上に、行動するとぼたぼたと不気味な体液をこぼしていくので、どの方向に向かえばいいのかはすぐに分かった。
恐らくではあるがこの特殊なアンデッドの体液には、触れた動物をアンデッド化する作用があるのだろう。
アンデッドとはだんだん出会う頻度が高くなっていき、ウサギや鳥など様々なアンデッドを倒しながら俺たちは大きな洞窟の前へとたどり着いた。
中からはこれまでとは比べ物にならない腐臭がする。
恐らくこの中がアンデッドの発生源だろう。
「中は危ないかもしれない。みなは待っていてくれ」
俺は族長たちを入口に留めて中に入る。
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「これは……ドラゴンゾンビか」
「恐らくこいつが最強でしょう。でも、こいつも他のアンデッドとあまり変わらないようですね。こいつが他のアンデッドを発生させているというよりは、こいつも他の大勢と同じように発生させられたような……」
ティアが話していると、ドラゴンゾンビはかつては空を羽ばたいていた翼は腐り、ずしんずしんと音を立ててこちらへ向かってくる。さらにその後ろからは大小さまざまのアンデッドが現れた。
「く、こんなにたくさん……」
それを見てティアが顔をしかめる。
「よし、ティアは攻撃魔法を、ミリアはリンに支援魔法を!」
「はい、ファイアーストーム!」
ティアが呪文を唱えると炎の渦が広がっていき、アンデッドたちを包みこむ。
ミリアもリンの剣を強化し、リンは強化された剣で腐った体を切り裂いていく。
そんな中、俺は魔力を集めてドラゴンゾンビに魔法を放つ。
有象無象のアンデッドには心はないだろうが、このドラゴンのような巨大なアンデッドであれば妄執のようなものが残っている可能性は高い。
「マインド・クラッシュ!」
「グオオオオオォォォ!」
呪文を唱えるとドラゴンに残っていた精神のようなものにダメージが入ったのか、ドラゴンは悲鳴をあげる。
その間にティアの放った炎で雑魚アンデッドは焼き尽くされていった。
そして強化された剣を構えたリンがドラゴンに斬りかかる。
「ガグゴオオオオッ」
一方のドラゴンはのたうち回りながらも口から触手を吐き出して応戦する。
「せいっ」
リンはすぐにそれを斬り捨て、ドラゴンの首元に剣を突き立てる。
ブスり、とリンの剣はドラゴンの首に食い込んでいくが、体が大きすぎるせいか、ドラゴンは倒れない。
すぐに腕からも触手を生やしてリンを捕えようとする。
リンは慌てて剣を抜こうとするが、剣は突き刺さったせいか抜けず、その隙に触手がリンに襲い掛かる。
「ホーリー・バリア!」
慌ててミリアがバリアを張って触手は弾かれるが、今度は逆側から触手がリンに迫る。
「きゃあっ」
不意をつかれたリンの体が触手に包まれる。
触手はリンを剣から引き離すと、捕まえたことを誇示するように彼女の体を高く掲げる。そして彼女の体を這いまわる。
「や、やめてっ、あたしの中に入ってこないでっ」
ティアとミリアは魔法をかけようとするが、ドラゴンの翼が二人とリンの視界を遮った。これでは支援魔法をかけることが出来ない。
「ファナティシズム!」
まずいと思った俺はリンに精神魔法をかける。
これは対象の精神を興奮させることで火事場の馬鹿力のようなものを引き出す力だ。
「あああああああっ!」
魔法で興奮したリンはぶちぶちと自分を覆う触手を引きちぎっていく。
服には穴が空き、ドラゴンの体液で体はべちょべちょになっていたが、鬼気迫る表情を浮かべたリンはドラゴンの体に刺さっていた件を引き抜くと、それを振り上げる。
「ホーリー・ブレイド」
「ファイア・ブレイド」
そんなリンの剣にティアとミリアが同時に強化魔法をかける。
強化されたリンの剣が一気にドラゴンの首を刎ねた。
「ガグゴオオオオッ」
ぐちょりっ、という気色悪い音と共に、ドラゴンは断末魔の声をあげてその場に倒れる。辺りにズシン、という音が響き渡った。
「ファイアーストーム!」
そして残った雑魚アンデッドたちはティアが全て焼き尽くす。
こうしてめでたく敵を全滅させることが出来たのだった。
もっとも、
「はぁ、はぁ……」
ドラゴンの触手に捕らわれていた上に俺の魔法で一時的に興奮状態にあったリンは呼吸が荒く、体も火照っている。
最後に敵を倒した時の帰り血(正確には体液だが)を浴びて体もぐちゃぐちゃになっており、一人だけやたら煽情的だった。
「はぁ、はぁ……もうだめぇっ、我慢できない……」
そう言ってリンは洞窟の隅に走っていくと、くちゅくちゅと音を立てて乳首とおマンコを触り始める。
構ってあげたいところではあるが、まだ洞窟の探索が終わったわけではない。
「よし、奥まで様子を見にいこう。ミリアはリンの近くにいてくれ」
俺たちは焼け焦げたアンデッドたちの体を踏み越えて奥へと進んでいく。
奥にはまだアンデッド化していない普通の動物の死体、中には弱っているものの生きている動物もいた。
彼らは動物を集めてアンデッド化しようとしていたのだろうか。普通アンデッドにそこまでの知能はないが、一体なぜ……
そんなことを考えつつ俺は奥へ奥へと進んでいく。
ちなみにティアはまだ生きている動物を見るたびに回復魔法をかけていき、回復した動物は腐臭漂う空間から逃げるように洞窟の出口へと向かっていった。
そして洞窟の一番奥へとたどり着いたときだった。
一人の、負傷した人間がこちらに震える手で短剣を構えているのが見える。生きてはいるが、体のところどころが腐ってアンデッド化が進んでいる。
アンデッドにとってはアンデッド化する対象は人間も動物もどちらでも良かったのだろう。
が、問題はその人物だった。
服は破れ、あちこちに傷を負ってはいるが、かつて同じパーティーにいたセシルその人であった。
「せ……セシル?」
「アレン!?」
俺が驚きつつ名前を呼ぶと、彼女も震える声で反応する。
まさかこんなところで再会するとは。
「どうしてこんなところに?」
「も、もうドラゴンゾンビは倒した?」
彼女は脅えたように言う。
「ああ。だから事情を話してくれ」
俺が頷くと、彼女は少しだけ安堵したようだった。
俺は回復魔法をかけようとするティアを手で制する。まだセシルが味方と決まった訳ではない。
「ギルムと一緒にアンデッド討伐に来て、私たちはドラゴンがいない間にここに来た。ギルムが言うには今回のアンデッドはおかしいから、何か発生源のようなものがあるかもしれないっと。中に入ったら案の定アンデッドの発生に関わっていそうな宝玉があったんだけど、そこにドラゴンが帰ってきて……」
そう言ってセシルは言葉を濁す。
とはいえギルムの性格ならそうなったときにどうするかは想像がつく。
「ギルムはお前を囮にして、宝玉だけ持って逃げたってことか」
「そ、そうよ……」
「あいつに味方して俺を追い出した結果がこれだよ」
「そ、それは……そ、それよりそのドラゴンゾンビを本当にあんたが倒したって言うの!?」
セシルは信じられない、という顔をする。
今更俺をいじめたり、雑用を押し付けたり、罵ったりしたことを思い出したのだろうか、彼女は俺の方を見て表情を歪めた。
「そうだ。もっとも俺は今はギルムのパーティーよりも強いパーティーを組んでいるがな」
「そ、そんな……」
元々体力を消耗していた上にドラゴンゾンビがいなくなってほっとした気持ちと俺への恐怖が合わさったのだろう、彼女はそのままばたりと倒れた。
「彼女もミリアさんと同じような方ですか?」
ようやくティアが口を開く。
「そうだな。だから意識が戻らない程度に回復してくれ。連れていく」
「はい」
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