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第1話 ~勇者始めます~
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聖夜。街はクリスマスを迎え、ネオンに身を包んでいる。そんな中俺、星々 日光(ほしぼし らいと)は普段より一層輝きを放つ街とは対象的に、浮かない顔をしていた。
「もうクリスマスか。」
別にクリスマスについてなんとも思っていないがそう口にした。ツリーの前のカップルを見つける。
撤回。なんとも思ってなくは無い。路上でキスとかしちゃうカップル何なの?非リア嘲笑ってんの?もっと健全なお付き合いしなさいよ!羨ましいんだよちきしょうめええええ!
「は、ははっ。」
何故か笑いがこぼれる。
自分の心の狭さが悲しくなる。しかし、実際のところ、羨ましいというよりは"焦っている" そう言った方が正しい。
俺はもう26になる。友人は競うように結婚していき、最後に残ったのは自分だけだった。さらに追い討ちをかけるのは[年齢=彼女いない歴]の事実。
「もう、人生やり直したいな。」
心の声がポロリとこぼれる。
その時だった。
『危ない!』
ハモリにハモった声が俺の耳を叩く。何が危ないのか、以前に、その言葉が自分に向けられたものだということすら理解していなかった。
突如頭上が明るく光る。俺は何事かと顔を上げる。
「嘘だろ...!」
神々しく輝いたそれは、先ほどのクリスマスツリー。
それは非情にも簡単に自分にのしかかった。
...まるで、心の声に呼応したかのように...
「ん..あぁ?」
俺は目を覚ます。静かに辺りを見回す。そこは、物置ほどの広さの部屋だった。それは万華鏡を筆頭とする、なんとも不思議な世界だ。
「おはようございます!日光様」
どこからか、大きな声が聞こえる。これといった特徴はなく、中性的な声だ。
「えーっと...あの、どちら様で?」
俺は尋ねる。
「ああ!申し遅れました、名前はないのですが...じゃあ、"かみ"とでもお呼びください!」
「えー、じゃあ、かみ..さま?ここはどこでしょうか?」
見知らぬ声をかみと呼ぶことに多少の戸惑いはあったがあえて触れないようにした。
いっぽう、かみを名乗る声は自分を呼んでもらったことが嬉しかったのか、声を荒らげながら話した。
「うんうん。あなたはいい子だ!みんな文句しか言わないからなぁー。ということで大サービス!あなたを勇者にしてあげましょう。」
...は?
えっと?何が?ここは?
「えっと..ここはどこでしょうか?早く帰りたいんですが...」
俺は多少引き気味にしゃべりかけた。
「あそっか、言ってなかったもんね。君、死んだよ?そしてねー、ここは、生まれ変わるかどうか判定するところなの!あなたは特別ね!」
...なんだろう何を話しても無駄な気がした。要するに俺は死んで、今から勇者に生まれ変わると...。
ツリーの下敷きになって死亡か...
つまらない死にかただな...
とことんクリスマスは非リアの敵だ。
多分かみが何かを話している。だが、そんなことに気を配っていられる気分ではなかった。
その後、景色は黒色に染まり、液体の中に沈む感覚とともに意識は途絶えた。
....眩しい
まぶたを閉じているため、視覚的に確認はできないが、その光は確かに俺の目を刺激している。
静かに目を開く。俺が目にしたものは想像を絶するものだった。
「もうクリスマスか。」
別にクリスマスについてなんとも思っていないがそう口にした。ツリーの前のカップルを見つける。
撤回。なんとも思ってなくは無い。路上でキスとかしちゃうカップル何なの?非リア嘲笑ってんの?もっと健全なお付き合いしなさいよ!羨ましいんだよちきしょうめええええ!
「は、ははっ。」
何故か笑いがこぼれる。
自分の心の狭さが悲しくなる。しかし、実際のところ、羨ましいというよりは"焦っている" そう言った方が正しい。
俺はもう26になる。友人は競うように結婚していき、最後に残ったのは自分だけだった。さらに追い討ちをかけるのは[年齢=彼女いない歴]の事実。
「もう、人生やり直したいな。」
心の声がポロリとこぼれる。
その時だった。
『危ない!』
ハモリにハモった声が俺の耳を叩く。何が危ないのか、以前に、その言葉が自分に向けられたものだということすら理解していなかった。
突如頭上が明るく光る。俺は何事かと顔を上げる。
「嘘だろ...!」
神々しく輝いたそれは、先ほどのクリスマスツリー。
それは非情にも簡単に自分にのしかかった。
...まるで、心の声に呼応したかのように...
「ん..あぁ?」
俺は目を覚ます。静かに辺りを見回す。そこは、物置ほどの広さの部屋だった。それは万華鏡を筆頭とする、なんとも不思議な世界だ。
「おはようございます!日光様」
どこからか、大きな声が聞こえる。これといった特徴はなく、中性的な声だ。
「えーっと...あの、どちら様で?」
俺は尋ねる。
「ああ!申し遅れました、名前はないのですが...じゃあ、"かみ"とでもお呼びください!」
「えー、じゃあ、かみ..さま?ここはどこでしょうか?」
見知らぬ声をかみと呼ぶことに多少の戸惑いはあったがあえて触れないようにした。
いっぽう、かみを名乗る声は自分を呼んでもらったことが嬉しかったのか、声を荒らげながら話した。
「うんうん。あなたはいい子だ!みんな文句しか言わないからなぁー。ということで大サービス!あなたを勇者にしてあげましょう。」
...は?
えっと?何が?ここは?
「えっと..ここはどこでしょうか?早く帰りたいんですが...」
俺は多少引き気味にしゃべりかけた。
「あそっか、言ってなかったもんね。君、死んだよ?そしてねー、ここは、生まれ変わるかどうか判定するところなの!あなたは特別ね!」
...なんだろう何を話しても無駄な気がした。要するに俺は死んで、今から勇者に生まれ変わると...。
ツリーの下敷きになって死亡か...
つまらない死にかただな...
とことんクリスマスは非リアの敵だ。
多分かみが何かを話している。だが、そんなことに気を配っていられる気分ではなかった。
その後、景色は黒色に染まり、液体の中に沈む感覚とともに意識は途絶えた。
....眩しい
まぶたを閉じているため、視覚的に確認はできないが、その光は確かに俺の目を刺激している。
静かに目を開く。俺が目にしたものは想像を絶するものだった。
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