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第2章

ソウハルは街に出て将棋を指すことに・・・

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ソウハル「なんだかみんな久しぶりにあった気がするよ」

ダイスケ、ケイイチ、カズヒコ、アツオはまさか死んだはずのソウハルがここにいるとはまるで夢をみているようでビックリしていたが、リーダー的な存在のカズヒコが話しだした。

カズヒコ「本当に聡ちゃん?」

ソウハル「何をいってるんだい。そうだよ。でも、ずいぶん会っていなかったような」

ダイスケ「聡ちゃん、お墓の中にいたんだよ」

ソウハル「えっ、そんなバカなことあるかい」

ケイイチが突然、ソウハルの肩に触れ、ビックリしたようにしていった。

ケイイチ「もしかして、聡ちゃんって双子?」

ソウハル「双子じゃないよ」

ケイイチ「えっ、嘘でしょ。本当に聡ちゃん」

ソウハル「そうだよ」

アツオ「こんなことが起こるなんて信じられない」

カズヒコ「ダイちゃんもさっきいったけど聡ちゃん10年前に亡くなって、ずっとお墓の中にいたんだよ」

ソウハル「よくわからないけど、確かに家はなくなっているし、久しぶりにみんなに会ったきがするよ。久しぶりに将棋やろうよ」

そういうとソウハルは10年前のように玉と飛車2枚(角の位置に飛車を置く)、歩9枚を持ってみんなと将棋を指した。ケイイチもカズヒコもアツオもそして4人の中では一番強いダイスケも歯が立たなかった。

ソウハル「なんだかみんな前よりも強くなった気がするな」

ダイスケ「相変わらず聡ちゃんは強いよ」

カズヒコ「やっぱり聡ちゃんには将棋は敵わないよ」

ケイイチ「久しぶりに将棋して楽しかったよ」

アツオ「やっぱり5人で将棋を指すのは楽しいね」

カズヒコ「ところで聡ちゃん、帰る家ないんだよね」

ソウハル「とりあえず公園で過ごそうと思って。でも、食べるものもお金も全くないからな」

ダイスケ「僕は独り者だから僕のところでしばらくの間、住もう」

ソウハル「助かるよ。明日から街に出て将棋で稼ぐよ」

ソウハルはしばらくの間、ダイスケの家に住むことになった。仲間から少しずつお金を借り、街に出て将棋を指した。もちろん、ソウハルは普通の将棋ではなく、玉と飛車2枚と歩9枚の真剣師として街の将棋自慢と賭け将棋をした。ソウハルは街の将棋有段者と指したが、誰もソウハルには歯が立たなかった。通常、玉と飛車2枚と歩だけでは将棋の強い人にとっては飛車、角がなくてもその他の駒があれば勝てるというのが一般的な考えである。

ソウハルの強さは仮にプロ棋士が相手でもこの手合で十分に勝てるぐらいの強さだったのである。

現に10年以上前、ソウハルが当時生きていた頃、プロ棋士を相手にこの手合でほぼ互角の勝負をしていたのである。もちろん、ソウハルは通常の手合でもプロ棋士並に強かった。

ソウハルの収入は始めの1週間ぐらいは街の道場に通っている腕自慢の有段者が「こんな手合なら楽勝だよ」って感じで1万円以上の掛け金で対局を申し込んでくる者もいたが、ソウハルが強すぎてだんだん挑戦するものも少なくなってきた。

ソウハルは1週間で約20万円の金額を稼ぎ、アパートの大家をしていたカズヒコにワンルームアパートを借りることに成功し、一時的に一緒に住んでいたダイスケに礼をいうとワンルームアパートに引っ越した(続)





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