父親に売られた兄は夕闇に翻弄される

miian

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第一章 壊れた日常の始まり

見ないで※

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 風邪を引いて数日学校を休んだ。父は風邪くらいで休むなと言って客は変わらず取らせた。ぐったりしている俺なんてお構いなしに皆、俺の穴に突っ込み汚い液を出していく。後処理もいつも自分だ。でも、あまりにも熱が酷くて動けないでいると、父が舌打ちして後処理をした。父もさすがにやばいと思ったのか、いつも1日に数人の客を取らせるところを、1日1人の客にした。ようやく風邪が治り、翌日から学校へ行けそうという時だった。

 夕方前に1人の客を父が連れてきた。今日は朝に1人とったところなので、もう来ないと油断していた。夕方は智が学校から帰ってくる可能性がある。

「さっさとすませましょう」

 玄関先で出会ったその男を、部屋へ連れて行き早く終わらせるように促した。でも、客は先ほどの俺の言葉が気に入らなかったらしい。金を上乗せして首を絞め、挿れながらお腹を殴った。苦しかったけど、首を絞められ殴られたことで穴の締まりが良くなり呆気なく男は精液を出した。

 男はこちらを見ることもなく部屋を出て行った。

 暴力を交えた行為で少しぐったりしていると玄関先の方から人の話し声が聞こえた。父と先ほどの客が喋っているのだろうか?でも、客はちょっと前に出て行ったのだからまだ家にいるのはおかしい。

 服を何とか着て、玄関先へと向かう。玄関を覗くと、その先には迅がいた。

 迅と目が合う。

「なんだお前?あいつの同級生か?あいつとやりたきゃ、金を払え」
「やめて!」

 迅は俺が売りをしているのは知っている。父に売りをさせられていることも。だからと言って、こんなところを見られたくなかった。適当に服を着たから乱れていることも気に止めず、父の腕を引っ張った。

「……迅、帰って……」

 迅の顔を見ることが出来ない。小さな声で懇願するように迅に言った。迅は拳をぎゅっと握りしめたものの何も言わず、家を後にした。

 頭を上げて迅の背中をこっそり見る。せっかく来てくれたのに冷たい態度をとるしかなかった。背中を向けた迅が一瞬立ち止まる。迅の目の前には智がいた。

(智が帰ってくる前に客が帰ってくれて良かった……)

「智、入って」

 促すと、立ち止まっていた智が家の方へと向かってきた。その時、迅が振り返り、目が合う。お互いに視線は絡み合っているのに言葉を発することが出来ない。

(こんな惨めで薄汚れた自分を見ないで……)

 これ以上、迅の顔を見ることは出来ない。フイっと地面に視線を落とし、何も言わずにそっと扉を閉めた。
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