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第一章 異世界へ
良太とお化け屋敷
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香園さんからもらったお化け屋敷のチケットで早速、お化け屋敷へと入った。
「うわぁ……結構本格的だね……」
隣にいる良太が怯えたようにそう言って、手を繋いでくる。ビビリな癖にお化け屋敷に行きたがる良太に少し呆れつつ、手を離そうかと考えたけど、今から歩く暗い道を見ると、何かが出てくるかもしれない雰囲気に、思わず握られた手に力を込めてしまった。
(まぁ、今日くらいは手を繋ぐのもいいか……)
高校の文化祭なのに、このお化け屋敷は本格的でおどろおどろしい。
人の気配がなく無音で、良太と話せばいいのに緊張していて、何も言わず目の前の細くて薄暗い通路を2人で歩いた。
少し歩くと徐々に何かの音が聞こえ始めた。ピチョンピチョンと水の滴る音だ。
その水の音がどこから聞こえるのかと辺りを見渡すも、まだ目が慣れず視界は暗いままだ。
ーーベチャッ
「うわぁあー!!!!」
「うわぁー!ゆうにぃ怖いよー!!!!」
歩いている俺のおでこに生暖かい何かがぶつかり思わず悲鳴を上げてしまう。その悲鳴にびっくりした良太も俺に抱きついて叫ぶ。
「はぁはぁっ……なんだコンニャクか……」
さっき当たったものを手で触ってみるとただのコンニャクだった。思わず手を嗅ぐとコンニャク特有の匂いがして「くさっ」と呟いてしまう。
「あははっ……ゆうにぃ、あれだけ叫んでただのコンニャクって……あははっ」
隣で良太が爆笑する。そういう良太だって隣で震えて叫んでたくせに……
「お前だって叫んでただろっ!笑うなよ!」
そう怒りつつも俺も思わず笑ってしまう。今日は高校最後の学園祭で、もう少しで良太と離れた生活をすると自分の中で区切りをつけれたおかげか、久しぶりに心の底から笑えた気がした。
「ほらほら!ゆうにぃ、あそこに生首あるよ!」
ようやく視界が暗闇に慣れると、血まみれになった生首が机の上に置かれていた。
それを見た良太が手を繋ぎながら俺を引っ張るようにして生首の方へ行き、リアルな血の色で塗られたそれを見て2人で「うわぁ」と引き気味に見ていた。
その後も、手を突っ込んで下さいと書いてある箱に手を突っ込んで蛇のおもちゃを掴んだりとお化け屋敷を2人で堪能した。
怯えながらも楽しくお化け屋敷を良太と回ることができて、あとで香園さんにきちんとお礼を言おうと思った。
「うわぁ……結構本格的だね……」
隣にいる良太が怯えたようにそう言って、手を繋いでくる。ビビリな癖にお化け屋敷に行きたがる良太に少し呆れつつ、手を離そうかと考えたけど、今から歩く暗い道を見ると、何かが出てくるかもしれない雰囲気に、思わず握られた手に力を込めてしまった。
(まぁ、今日くらいは手を繋ぐのもいいか……)
高校の文化祭なのに、このお化け屋敷は本格的でおどろおどろしい。
人の気配がなく無音で、良太と話せばいいのに緊張していて、何も言わず目の前の細くて薄暗い通路を2人で歩いた。
少し歩くと徐々に何かの音が聞こえ始めた。ピチョンピチョンと水の滴る音だ。
その水の音がどこから聞こえるのかと辺りを見渡すも、まだ目が慣れず視界は暗いままだ。
ーーベチャッ
「うわぁあー!!!!」
「うわぁー!ゆうにぃ怖いよー!!!!」
歩いている俺のおでこに生暖かい何かがぶつかり思わず悲鳴を上げてしまう。その悲鳴にびっくりした良太も俺に抱きついて叫ぶ。
「はぁはぁっ……なんだコンニャクか……」
さっき当たったものを手で触ってみるとただのコンニャクだった。思わず手を嗅ぐとコンニャク特有の匂いがして「くさっ」と呟いてしまう。
「あははっ……ゆうにぃ、あれだけ叫んでただのコンニャクって……あははっ」
隣で良太が爆笑する。そういう良太だって隣で震えて叫んでたくせに……
「お前だって叫んでただろっ!笑うなよ!」
そう怒りつつも俺も思わず笑ってしまう。今日は高校最後の学園祭で、もう少しで良太と離れた生活をすると自分の中で区切りをつけれたおかげか、久しぶりに心の底から笑えた気がした。
「ほらほら!ゆうにぃ、あそこに生首あるよ!」
ようやく視界が暗闇に慣れると、血まみれになった生首が机の上に置かれていた。
それを見た良太が手を繋ぎながら俺を引っ張るようにして生首の方へ行き、リアルな血の色で塗られたそれを見て2人で「うわぁ」と引き気味に見ていた。
その後も、手を突っ込んで下さいと書いてある箱に手を突っ込んで蛇のおもちゃを掴んだりとお化け屋敷を2人で堪能した。
怯えながらも楽しくお化け屋敷を良太と回ることができて、あとで香園さんにきちんとお礼を言おうと思った。
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