35 / 38
番外編
とうとうきてしまいました 1
しおりを挟む
その日、目覚めたロザリアは不調を感じた。
――なんだか、熱っぽい?
吐く息に熱がこもり、全身がだるい。
風邪かもしれないと不安になったロザリアは、魔王が起きだす前にベッドを抜け出し、メイド長のもとを訪れた。
「すみません。風邪のようです。本日の職務をお休みにしていただいてもいいですか?」
「まあ、ロザリア! すぐに休んだほうがいいわ」
瞳を潤ませているロザリアに、メイド長はすぐに休みを言い渡す。
メイドの仕事についてもすぐに代わりの人員を手配してくれた。
「お医者様に見てもらったほうがいいかしら?」
「いえいえ、そこまでではないと思います。でも、魔王様にうつしてしまうわけにはいきませんから」
生まれてからほとんど医者にかかったことのないロザリアは、大慌てで遠慮する。メイド長のいう医者とは、魔王城に勤めている医者のことで、本来ならば魔王様のために雇われている者だ。
「それはそうなのだけれど……、きっと魔王様は心配されると思うわ」
「本当に、寝ていれば治りますから」
それに、ロザリアは医者にかかるのが怖かった。
幼い頃に数日間熱が引かず、下町の町医者に父親と行った記憶があるが、恐ろしかったような気がするだけで、よく覚えていない。
が、それ以来ロザリアは医者が苦手になった。医者に診てもらわなくとも、食べて、飲んで、寝ていれば治る。獣の血を引く魔界の住人にとっては、それが常識だった。
「そう……?」
ロザリアは不安そうなメイド長に別れを告げ自室に戻る。
魔王からプレゼントされた寝間着に着替え、久しぶりに自分のベッドに横になった。
「はあ……っ」
本格的に熱が上がってきたようで、背中がぞわぞわする。力が入らず全身がだるい。
これほど体調を崩したのはいつぶりのことだろうか。
ロザリアは天蓋のないベッドの中からぼんやりと天井を眺めた。
最近はほとんどの時間を魔王の部屋で過ごすことが多く、自室の天井の景色はかなり久しぶりだった。
ごろりと寝返りを打つけれど、とても眠れる気がしない。
いつの間にか魔王と一緒に眠るのが当たり前になっていて、彼の体温をそばで感じずに眠るのはなんだか落ち着かない。
それでも早く風邪を治さなければと、ロザリアはベッドの中で寝返りを繰り返した。
このフロアには魔王城で働く者が住んでいる。忙しく動き始める人の気配を感じながら、一向に眠気が訪れる気配がなく、ロザリアはため息をこぼす。
「ロザリア!」
突然扉が大きく開かれ、怒りに満ちた声が彼女の名前を呼んだ。
「ま、魔王様!?」
ロザリアはベッドの中で飛び上がった。
「具合が悪いのなら、どうして我に言わないのだ?」
魔王はすごい勢いでロザリアのベッドに近づいた。
「ダメですってば。風邪がうつっちゃいます! メイド長にお願いしたはずなのに……」
これではなんのためにわざわざ距離をとったのかわからなくなる。
「だからこうして医者を連れてきたんだよ。きちんと医者に診てもらったほういい」
魔王のうしろに人の気配が在ることに、ロザリアはようやく気付いた。
「ま、まさか、お医者さまですか?」
「シルヴィオ医師、よろしく頼む」
魔王が脇によけると、背後から白衣を着た老年の男性が進み出た。
「ふむ……」
銀縁のめがねをかけた医師は、右手の人差し指で眼鏡のズレを治した。魔王と位置を入れ替えて、ベッドに横たわるロザリアの脇に立ち、医師は温度を感じさせない視線でロザリアを見下ろしている。
「いつからだ?」
「えっと、今朝目が覚めたら身体がだるくて……」
ロザリアはびくびくしながら、医師の質問に答える。
「ほかに症状は?」
「すこし熱っぽい……くらいです」
医師の感情を交えない平坦な声に、ロザリアは緊張した。ただの風邪だと思うのだが、なにか別の病気かもしれないと思うと、不安になる。
「すこし、触るぞ」
医師は宣言して、ロザリアの首筋に両手で触れる。耳の下までひんやりとした手が肌の下の感触を確かめるように移動する。
「は、あ……」
ロザリアはぞくりと背中を走った感覚に、ため息をこぼした。
医師はぎょっとしたかと思うと、すばやく手を離す。
それまで医師の背後に下がって見守っていた魔王は、険しい表情で彼女に近づいた。
「シルヴィオ医師、ロザリアにいったいなにをした?」
魔王はシルヴィオ医師の手をつかみあげる。
「脈と気の流れを診ただけだ。お前さんが心配するようなことは、なにもしとりゃせん」
医師は冷たい目で魔王を睨みつけ、つかまれた手を振り払って取り返した。
魔王は不承不承ながら、診察の邪魔にならぬよう一歩下がる。
医師はポケットから銀色の平たい棒のようなものを取り出すと、ロザリアのあごに手を伸ばした。
「ほら、口を開けろ」
「く、くち?」
「ほら、あーん、だ」
「あーーー、んぐっ」
急に銀色の棒を喉の奥に差し込まれて、ロザリアは目を白黒させた。
「うーむ、風邪ではないようだな。咳や鼻水、頭痛などもないのだろう?」
えずくロザリアを意に介することなく、医師は彼女に問いかけてくる。
「……はい」
「上を見ろ」
「え?」
「上を見ろと言った」
冷たい命令口調に、ロザリアは思わず従っていた。
医師の手が下まぶたを押さえて、なにかを観察する。ようやく医師の手が離れて、ロザリアはほっとした。
「シルヴィオ医師、なにかわかったのか?」
「ふむ。お嬢ちゃん、つかぬ事を聞くがそなた、もしかして発情期なのではないか?」
「え?」
「ええっ?」
思いがけない問いかけに、ロザリアは大きく目を見開いた。
魔王も医師の隣で愕然とした表情をしている。
「はつ、じょう、き?」
ロザリアは茫然とした。
魔猫は、伴侶だと認めなければ発情しないはずだ。つまり、ロザリアは魔王を伴侶と認め、発情しているということになる。
――うそ……。私、魔王様のことをそんなに好きになってたの?
ロザリアは自分でも気付かぬうちに魔王のことを深く愛していたらしい。
彼女とは違って魔王は引く手あまたで、誰でも選ぶことができる立場にある。いまは彼の寵愛を受けてはいるが、それは一時のことで、いずれ飽きられるまでの関係だと思っていた。
魔王の伴侶に迎えたいという言葉も、どこか半信半疑でいた。
ロザリアがいくら教育を受けようとも、自分が強大な魔力を誇る魔王のかたわらに在るのにふさわしいとは思えない。
いくら上辺を取り繕っても、美しいドレスを身にまとっても、ロザリアはどうにも貴族の世界になじめそうにない。所詮、住む世界が違うのだからと、ロザリアはなるべく魔王のことを好きにならないようにしていた。
魔王城で働く人々の間では、魔王は他者に心を動かされることのない冷酷な人物と噂をされていたが、ロザリアに対しては感情豊かに、いろいろな表情を見せてくれる。
執務においては冷酷な面もあるけれど、苦痛に耐えながら魔水晶に力を注ぐ姿は、見ている彼女のほうが辛くなるほどだった。
もとよりその身ひとつで魔界を支える魔王に尊敬の念を抱いてはいたけれど、その想いが思慕へと移り変わるのは必然だったのかもしれない。
ロザリアの自制など意味がなかったのだ。
「ロザリア、どうなの?」
魔王がいらいらとしながらロザリアに詰め寄る。
「そう、かも、しれません」
以前に友達から聞いた発情期の症状に思い当たったロザリアは、さあっと顔を青ざめさせた。
――なんだか、熱っぽい?
吐く息に熱がこもり、全身がだるい。
風邪かもしれないと不安になったロザリアは、魔王が起きだす前にベッドを抜け出し、メイド長のもとを訪れた。
「すみません。風邪のようです。本日の職務をお休みにしていただいてもいいですか?」
「まあ、ロザリア! すぐに休んだほうがいいわ」
瞳を潤ませているロザリアに、メイド長はすぐに休みを言い渡す。
メイドの仕事についてもすぐに代わりの人員を手配してくれた。
「お医者様に見てもらったほうがいいかしら?」
「いえいえ、そこまでではないと思います。でも、魔王様にうつしてしまうわけにはいきませんから」
生まれてからほとんど医者にかかったことのないロザリアは、大慌てで遠慮する。メイド長のいう医者とは、魔王城に勤めている医者のことで、本来ならば魔王様のために雇われている者だ。
「それはそうなのだけれど……、きっと魔王様は心配されると思うわ」
「本当に、寝ていれば治りますから」
それに、ロザリアは医者にかかるのが怖かった。
幼い頃に数日間熱が引かず、下町の町医者に父親と行った記憶があるが、恐ろしかったような気がするだけで、よく覚えていない。
が、それ以来ロザリアは医者が苦手になった。医者に診てもらわなくとも、食べて、飲んで、寝ていれば治る。獣の血を引く魔界の住人にとっては、それが常識だった。
「そう……?」
ロザリアは不安そうなメイド長に別れを告げ自室に戻る。
魔王からプレゼントされた寝間着に着替え、久しぶりに自分のベッドに横になった。
「はあ……っ」
本格的に熱が上がってきたようで、背中がぞわぞわする。力が入らず全身がだるい。
これほど体調を崩したのはいつぶりのことだろうか。
ロザリアは天蓋のないベッドの中からぼんやりと天井を眺めた。
最近はほとんどの時間を魔王の部屋で過ごすことが多く、自室の天井の景色はかなり久しぶりだった。
ごろりと寝返りを打つけれど、とても眠れる気がしない。
いつの間にか魔王と一緒に眠るのが当たり前になっていて、彼の体温をそばで感じずに眠るのはなんだか落ち着かない。
それでも早く風邪を治さなければと、ロザリアはベッドの中で寝返りを繰り返した。
このフロアには魔王城で働く者が住んでいる。忙しく動き始める人の気配を感じながら、一向に眠気が訪れる気配がなく、ロザリアはため息をこぼす。
「ロザリア!」
突然扉が大きく開かれ、怒りに満ちた声が彼女の名前を呼んだ。
「ま、魔王様!?」
ロザリアはベッドの中で飛び上がった。
「具合が悪いのなら、どうして我に言わないのだ?」
魔王はすごい勢いでロザリアのベッドに近づいた。
「ダメですってば。風邪がうつっちゃいます! メイド長にお願いしたはずなのに……」
これではなんのためにわざわざ距離をとったのかわからなくなる。
「だからこうして医者を連れてきたんだよ。きちんと医者に診てもらったほういい」
魔王のうしろに人の気配が在ることに、ロザリアはようやく気付いた。
「ま、まさか、お医者さまですか?」
「シルヴィオ医師、よろしく頼む」
魔王が脇によけると、背後から白衣を着た老年の男性が進み出た。
「ふむ……」
銀縁のめがねをかけた医師は、右手の人差し指で眼鏡のズレを治した。魔王と位置を入れ替えて、ベッドに横たわるロザリアの脇に立ち、医師は温度を感じさせない視線でロザリアを見下ろしている。
「いつからだ?」
「えっと、今朝目が覚めたら身体がだるくて……」
ロザリアはびくびくしながら、医師の質問に答える。
「ほかに症状は?」
「すこし熱っぽい……くらいです」
医師の感情を交えない平坦な声に、ロザリアは緊張した。ただの風邪だと思うのだが、なにか別の病気かもしれないと思うと、不安になる。
「すこし、触るぞ」
医師は宣言して、ロザリアの首筋に両手で触れる。耳の下までひんやりとした手が肌の下の感触を確かめるように移動する。
「は、あ……」
ロザリアはぞくりと背中を走った感覚に、ため息をこぼした。
医師はぎょっとしたかと思うと、すばやく手を離す。
それまで医師の背後に下がって見守っていた魔王は、険しい表情で彼女に近づいた。
「シルヴィオ医師、ロザリアにいったいなにをした?」
魔王はシルヴィオ医師の手をつかみあげる。
「脈と気の流れを診ただけだ。お前さんが心配するようなことは、なにもしとりゃせん」
医師は冷たい目で魔王を睨みつけ、つかまれた手を振り払って取り返した。
魔王は不承不承ながら、診察の邪魔にならぬよう一歩下がる。
医師はポケットから銀色の平たい棒のようなものを取り出すと、ロザリアのあごに手を伸ばした。
「ほら、口を開けろ」
「く、くち?」
「ほら、あーん、だ」
「あーーー、んぐっ」
急に銀色の棒を喉の奥に差し込まれて、ロザリアは目を白黒させた。
「うーむ、風邪ではないようだな。咳や鼻水、頭痛などもないのだろう?」
えずくロザリアを意に介することなく、医師は彼女に問いかけてくる。
「……はい」
「上を見ろ」
「え?」
「上を見ろと言った」
冷たい命令口調に、ロザリアは思わず従っていた。
医師の手が下まぶたを押さえて、なにかを観察する。ようやく医師の手が離れて、ロザリアはほっとした。
「シルヴィオ医師、なにかわかったのか?」
「ふむ。お嬢ちゃん、つかぬ事を聞くがそなた、もしかして発情期なのではないか?」
「え?」
「ええっ?」
思いがけない問いかけに、ロザリアは大きく目を見開いた。
魔王も医師の隣で愕然とした表情をしている。
「はつ、じょう、き?」
ロザリアは茫然とした。
魔猫は、伴侶だと認めなければ発情しないはずだ。つまり、ロザリアは魔王を伴侶と認め、発情しているということになる。
――うそ……。私、魔王様のことをそんなに好きになってたの?
ロザリアは自分でも気付かぬうちに魔王のことを深く愛していたらしい。
彼女とは違って魔王は引く手あまたで、誰でも選ぶことができる立場にある。いまは彼の寵愛を受けてはいるが、それは一時のことで、いずれ飽きられるまでの関係だと思っていた。
魔王の伴侶に迎えたいという言葉も、どこか半信半疑でいた。
ロザリアがいくら教育を受けようとも、自分が強大な魔力を誇る魔王のかたわらに在るのにふさわしいとは思えない。
いくら上辺を取り繕っても、美しいドレスを身にまとっても、ロザリアはどうにも貴族の世界になじめそうにない。所詮、住む世界が違うのだからと、ロザリアはなるべく魔王のことを好きにならないようにしていた。
魔王城で働く人々の間では、魔王は他者に心を動かされることのない冷酷な人物と噂をされていたが、ロザリアに対しては感情豊かに、いろいろな表情を見せてくれる。
執務においては冷酷な面もあるけれど、苦痛に耐えながら魔水晶に力を注ぐ姿は、見ている彼女のほうが辛くなるほどだった。
もとよりその身ひとつで魔界を支える魔王に尊敬の念を抱いてはいたけれど、その想いが思慕へと移り変わるのは必然だったのかもしれない。
ロザリアの自制など意味がなかったのだ。
「ロザリア、どうなの?」
魔王がいらいらとしながらロザリアに詰め寄る。
「そう、かも、しれません」
以前に友達から聞いた発情期の症状に思い当たったロザリアは、さあっと顔を青ざめさせた。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
カラダからはじめる溺愛結婚~婚約破棄されたら極上スパダリに捕まりました~
結祈みのり
恋愛
結婚間近の婚約者から、突然婚約破棄された二十八歳の美弦。略奪女には生き方を全否定されるし、会社ではあることないこと噂されるしで、女としての自尊心はボロボロ。自棄になった美弦は、酔った勢いで会ったばかりの男性と結婚の約束をしてしまう。ところが翌朝、彼が自社の御曹司・御影恭平と気がついて!? 一気に青くなる美弦だけれど、これは利害の一致による契約と説明されて結婚を了承する。しかし「俺は紙切れ上だけの結婚をするつもりはないよ」と、溺れるほどの優しさと淫らな雄の激しさで、彼は美弦の心と体を甘く満たしていき――。紳士な肉食スパダリに愛され尽くす、極甘新婚生活!
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる