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第1章 アストリア王国に転生
44 護衛騎士エリザのお話し
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私(エリザ)はレオポルド騎士爵家の長男エリファズの長女として生まれました。
私が生まれた時、レオポルド家に一緒に住んでいたのは、祖父、祖母、父、母と、父の弟が2人でした。
父の弟2人は騎士学校に通っていて、末の弟クロッシュアが、後にレオポルド辺境伯に成るのです。
父には姉と妹も居ましたが、私が生まれた時には既に貴族家で側仕えとして、住み込みで働いていました。
私には妹と弟が居て、弟が1番年下になります。
年齢は2歳づつ離れていました。
レオポルド騎士爵の家は決して広く無く、王都の貴族街の外れに有ります。
祖父と父は現役の騎士で、王国の騎士団に勤めていますが、祖父はそろそろ引退する年齢だそうです。
騎士爵は貴族の末端階級で、収入は低く体力仕事の為に、年を取るとキツイ仕事だそうです。
そして有事には、身を挺して主人をお守りしなければなりません。
貴族の次男や三男等、家を継がなかった者が騎士や侍従になって、貴族籍を維持する者が多いのですが。王宮や役所、騎士団、貴族家等にも雇われなければ、平民として扱われてしまうのです。
私は、幼い頃から騎士になる為に修行しました。
騎士の娘が貴族の息子と結婚するのは難しいのです。
私の様な立場は微妙で、貴族家に正妻として嫁ぐ事はあまり無く、愛人や妾になる事が多い様です。
私は15歳で騎士学校を卒業しました。
その後はアストリア王国騎士団に入団して、平騎士として訓練を受けました。
私は騎士に成り、実家の家計を支える為に頑張って、自分の将来などは考えていなかったのです。
ところが、家を離れて音信が殆ど途絶えていた父の末弟が、突然辺境伯家に婿入りしたのです。
父は3人兄弟の長男でしたが、3番目の弟クロッシュアが出世してレオポルド辺境伯に成ったのでした。
この国の常識では、騎士爵の子供が辺境伯に婿入りなどありえません。しかも、すぐに当主になったと言うのです。
祖父と父は色めき立ちました。
上級貴族の辺境伯の血縁に成ったのですから当然です。
辺境伯は国境の土地を守る大領主なのです。
父は弟に手紙を送り面会を求めて、漸くと私を辺境伯家に雇わせたのでした。
私の妹と弟も騎士学校に通っていて、妹のエリシャナは15歳で今年卒業します。
父の次弟の息子3人も騎士学校に通っています。
祖父は孫全員を是非とも辺境伯家の騎士にして貰うつもりに成っています。
騎士団の平騎士より、上級貴族の血縁者として働いた方が、将来の不安が無いと思ったのでしょう。
私はレオポルド辺境伯の娘マリエル様の専属護衛騎士になりました。
そして、初めてマリエル様に会った瞬間に、全身に衝撃が走ったのです。
「何てことでしょう! こんなに可愛い御令嬢が、あの厳つい叔父の娘だなんて!」
しかし、初めて辺境伯夫人に御目通りして分かりました。
(あらまぁ、マリエル様の可愛さは、辺境伯夫人の遺伝子のお陰でしたのね……)
従姉妹なのだから、ギュッと抱いても良いかしら。
頬にチュッ!としても大丈夫かしら、不敬罪にならないわよね。
しかし、レオポルド辺境伯家の侍従長に言われたのです。
「雇われた限りは礼節を持って主に仕えて頂きます。決して主従の一線を越えては成りませんよ」
「はい、畏まりました」
ショボン……、
「マリエルお嬢様、こちらは新しい護衛騎士のエリザです」
侍従長が私を紹介しました。
「まぁ、従姉妹のエリザお姉様ですね。始めまして、よろしくお願い致します」
「お嬢様。エリザは護衛騎士ですから、『エリザ』と御呼びくださいませ」
「はい。……エリザ、会えるのを楽しみにしてました。よろしくね」
「はい、お嬢様。粉骨砕身御仕え致します」
(ひゃ~、声も可愛い~。ギュッとしたい、萌え死にするぅ♡」
エリザは未経験でした。
ファーストキスもまだなのです。
同年代の男性と手を繋いだ事すらありませんでした。
澄ましていれば面長の美人タイプなのですが。一家を背負う気概が強く、騎士学校と騎士団を通して恋人は出来なかったのです。
眉が細く大きな目をしてますが、近視の為に目付きが鋭く。ぼやけて見える相手を一歩踏み込んで、目を細めて見る癖が有る為に、接触してくる者を威圧してしまうのでした。
勿論そんな事を本人は気付いていません。
それに、今迄に心を惹かれる男性も居なかったのです。
或る日の事、
「エリザは、近視なのでしょうか?」
マリエルがエリザの目付きに気付きました。
「はい……キンシ? ですか」
マリエルはエリザに近づいて、両目を覗き込みました。
「エリザの両目を【消毒】【復元】!」
ピッキィイイイイインッ!
シュワシュワシュワシュワッ!
「はぁぁっ! 気持ちいいぃっ!」
目が温かくなり潤いに満たされ、ハッキリとマリエルお嬢様の顔が見えました。
「エリザ、どうですか?」
「はい、より一層可愛く見えます。これが『萌えキュン』と言う物なのですね!?」
「萌えキュン? 誰に教わったのですか?」
「お嬢様のクマの人形さんです」
「はぁ、ケンちゃんが……、エリザの目は瞳も大きくて、やさしく可愛らしいです。目を細める癖を直しましょうね」
「はい、御嬢様の顔が良く見えて嬉しいです」
騎士爵は1代限りの貴族籍なので世襲できませんが、辺境伯は子息が世襲する上級貴族です。
血縁を頼って、縁を繋げれば子孫の安定を図ることが出来ます。
父も叔父も叔母も従兄弟も辺境伯家に騎士として雇われ、血縁として子孫の就職先の安定を考えているのでした。
更に幸運が舞い降りました。
レオポルド辺境伯が侯爵に陞爵して、領地も拡大したのです。
当然雇い人も増える事でしょう。
しかも私はマリエル騎士団の団長に任命されました、マリエル騎士団とはマリエル様専属の女性騎士団なのです。
私は妹に、さっそく入団面接を受けるようにと連絡しました。
侯爵に陞爵して、騎士団と領軍が増員される事に成るので、レオポルド騎士爵一家を優先して採用して貰うつもりです。
私が生まれた時、レオポルド家に一緒に住んでいたのは、祖父、祖母、父、母と、父の弟が2人でした。
父の弟2人は騎士学校に通っていて、末の弟クロッシュアが、後にレオポルド辺境伯に成るのです。
父には姉と妹も居ましたが、私が生まれた時には既に貴族家で側仕えとして、住み込みで働いていました。
私には妹と弟が居て、弟が1番年下になります。
年齢は2歳づつ離れていました。
レオポルド騎士爵の家は決して広く無く、王都の貴族街の外れに有ります。
祖父と父は現役の騎士で、王国の騎士団に勤めていますが、祖父はそろそろ引退する年齢だそうです。
騎士爵は貴族の末端階級で、収入は低く体力仕事の為に、年を取るとキツイ仕事だそうです。
そして有事には、身を挺して主人をお守りしなければなりません。
貴族の次男や三男等、家を継がなかった者が騎士や侍従になって、貴族籍を維持する者が多いのですが。王宮や役所、騎士団、貴族家等にも雇われなければ、平民として扱われてしまうのです。
私は、幼い頃から騎士になる為に修行しました。
騎士の娘が貴族の息子と結婚するのは難しいのです。
私の様な立場は微妙で、貴族家に正妻として嫁ぐ事はあまり無く、愛人や妾になる事が多い様です。
私は15歳で騎士学校を卒業しました。
その後はアストリア王国騎士団に入団して、平騎士として訓練を受けました。
私は騎士に成り、実家の家計を支える為に頑張って、自分の将来などは考えていなかったのです。
ところが、家を離れて音信が殆ど途絶えていた父の末弟が、突然辺境伯家に婿入りしたのです。
父は3人兄弟の長男でしたが、3番目の弟クロッシュアが出世してレオポルド辺境伯に成ったのでした。
この国の常識では、騎士爵の子供が辺境伯に婿入りなどありえません。しかも、すぐに当主になったと言うのです。
祖父と父は色めき立ちました。
上級貴族の辺境伯の血縁に成ったのですから当然です。
辺境伯は国境の土地を守る大領主なのです。
父は弟に手紙を送り面会を求めて、漸くと私を辺境伯家に雇わせたのでした。
私の妹と弟も騎士学校に通っていて、妹のエリシャナは15歳で今年卒業します。
父の次弟の息子3人も騎士学校に通っています。
祖父は孫全員を是非とも辺境伯家の騎士にして貰うつもりに成っています。
騎士団の平騎士より、上級貴族の血縁者として働いた方が、将来の不安が無いと思ったのでしょう。
私はレオポルド辺境伯の娘マリエル様の専属護衛騎士になりました。
そして、初めてマリエル様に会った瞬間に、全身に衝撃が走ったのです。
「何てことでしょう! こんなに可愛い御令嬢が、あの厳つい叔父の娘だなんて!」
しかし、初めて辺境伯夫人に御目通りして分かりました。
(あらまぁ、マリエル様の可愛さは、辺境伯夫人の遺伝子のお陰でしたのね……)
従姉妹なのだから、ギュッと抱いても良いかしら。
頬にチュッ!としても大丈夫かしら、不敬罪にならないわよね。
しかし、レオポルド辺境伯家の侍従長に言われたのです。
「雇われた限りは礼節を持って主に仕えて頂きます。決して主従の一線を越えては成りませんよ」
「はい、畏まりました」
ショボン……、
「マリエルお嬢様、こちらは新しい護衛騎士のエリザです」
侍従長が私を紹介しました。
「まぁ、従姉妹のエリザお姉様ですね。始めまして、よろしくお願い致します」
「お嬢様。エリザは護衛騎士ですから、『エリザ』と御呼びくださいませ」
「はい。……エリザ、会えるのを楽しみにしてました。よろしくね」
「はい、お嬢様。粉骨砕身御仕え致します」
(ひゃ~、声も可愛い~。ギュッとしたい、萌え死にするぅ♡」
エリザは未経験でした。
ファーストキスもまだなのです。
同年代の男性と手を繋いだ事すらありませんでした。
澄ましていれば面長の美人タイプなのですが。一家を背負う気概が強く、騎士学校と騎士団を通して恋人は出来なかったのです。
眉が細く大きな目をしてますが、近視の為に目付きが鋭く。ぼやけて見える相手を一歩踏み込んで、目を細めて見る癖が有る為に、接触してくる者を威圧してしまうのでした。
勿論そんな事を本人は気付いていません。
それに、今迄に心を惹かれる男性も居なかったのです。
或る日の事、
「エリザは、近視なのでしょうか?」
マリエルがエリザの目付きに気付きました。
「はい……キンシ? ですか」
マリエルはエリザに近づいて、両目を覗き込みました。
「エリザの両目を【消毒】【復元】!」
ピッキィイイイイインッ!
シュワシュワシュワシュワッ!
「はぁぁっ! 気持ちいいぃっ!」
目が温かくなり潤いに満たされ、ハッキリとマリエルお嬢様の顔が見えました。
「エリザ、どうですか?」
「はい、より一層可愛く見えます。これが『萌えキュン』と言う物なのですね!?」
「萌えキュン? 誰に教わったのですか?」
「お嬢様のクマの人形さんです」
「はぁ、ケンちゃんが……、エリザの目は瞳も大きくて、やさしく可愛らしいです。目を細める癖を直しましょうね」
「はい、御嬢様の顔が良く見えて嬉しいです」
騎士爵は1代限りの貴族籍なので世襲できませんが、辺境伯は子息が世襲する上級貴族です。
血縁を頼って、縁を繋げれば子孫の安定を図ることが出来ます。
父も叔父も叔母も従兄弟も辺境伯家に騎士として雇われ、血縁として子孫の就職先の安定を考えているのでした。
更に幸運が舞い降りました。
レオポルド辺境伯が侯爵に陞爵して、領地も拡大したのです。
当然雇い人も増える事でしょう。
しかも私はマリエル騎士団の団長に任命されました、マリエル騎士団とはマリエル様専属の女性騎士団なのです。
私は妹に、さっそく入団面接を受けるようにと連絡しました。
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