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第2章 アリタリカ帝国に留学
63 放課後のお喋りとケーキ
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放課後になって、私は寮の自室に戻り、グレーテちゃんとモモちゃんと午後のお喋りを楽しんでいます。
「御嬢様、お紅茶はダージリンで宜しいですか?」
「はい、ケイシー。チーズケーキには、ほろ苦いダージリンが合いますよね」
「はい、畏まりました」
側仕えのケイシーが紅茶セットを運んでくれます、既に準備が出来ていたのでしょう。
「は~ぁ、至高のひと時ですわ!」
と、マルグレーテが呟きました。
「はい、これほど美味しいケーキは他では食べられませんわね♪」
と、モモリルが相槌を打ちます。
「うふふ、ローザンヌに新しくケーキ専用工場を建てたのですよ」
「まぁ、素敵! 商用展開なさるのですか?」
「はい、よろしかったら皆さんの領地でも販売してくださいね」
「「勿論ですわ」」
「でもケーキは時間が経つと、味が落ちてしまいますわよね?」
「そうなんです。だから保冷馬車と言うものを作ったのですよ! 凍る前の温度を保つ荷物室を魔道具で作製したので、輸送に1日掛っても美味しく運べるのです」
「あら、それは良いアイディアですこと」
「港町から新鮮なお魚も輸入できますのよ」
「まぁ、そんな事を考えるなんて、やっぱりマリーは食いしん坊さんですね」
「あうっ、それは…否定できませんけれどもね」
「「「おほほほほ」」」
2人が帰った後で、隠密行動から帰って来たスズちゃんが、今日の報告をしてくれます。
「マリアンヌ様がチーズケーキを食べたがっていました」
「まぁ、教室でのお話が聞こえてたのですね」
「側近に、『どなたか、手に入れられませんか?』と訪ねていましたが、だれも期待に答えられない様でした」
「まぁ……ケイシー、チーズケーキのホールをマリアンヌ様の部屋に届けてください。側近や側仕え達も食べられる量を持って行ってくださいな。『お近づきの印に御裾分けしたい』と言ってくださいね」
「お受け取り頂けなかった時はどういたしますか?」
「その時は、『御自由に処分してください』と言って押し付けて下さい」
「畏まりました」
〇 ▼ 〇
マリアンヌの自室のテーブルの上にレアチーズケーキが運ばれてきました。
タルト生地の上に、冷たいプルプルなレアチーズ。ブルーベリージャムとミントの葉がアクセントに乗っています。
「ふんっ、こんな物で私と仲良く出来ると思ったら大間違いですわ! でも……て、敵に塩を送ると言う諺も有りましてよっ! 折角ですから頂きましょう」
「「「はい♪」」」
諺の使いどころに疑問を感じながらも、側近や側仕え達も相伴に預かりました。
通常、側仕えは仕事中に食事をしませんが、冷たいレアチーズケーキなので、一緒に食べて良いとマリアンヌが許可しました。
「まぁ、美味しい! 今迄で一番美味しいチーズケーキですわ」
マリアンヌが我慢しきれずに感嘆の声を出すと、側近達も本音で褒め出しました。
「美味しいですわ」
「新鮮なミルクが使われてるのですね」
「まろやかで甘酸っぱいですわ」
「以前、アランフォード辺境伯から送られて来た時より、美味しくなっていますわ」
「まぁ、そうなんですね」
「シュヴィーツが独立しなければ、フランクの特産品でしたのに」
「んまぁ、残念です事」
「本当に」
次の日には、プリンが御裾分けされました。
「まぁ、美味しい! 初めて食べましたけど、とっても美味しいデザートですわ」
マリアンヌが我慢しきれずに感嘆の声を出すと、側近達も本音で褒め出しました。
「美味しいですわ」
「新鮮なミルクが使われてるのですね」
「まろやかで甘いですわ」
「アランフォード辺境伯もプリンと言う物は、送って来たことがありませんわ」
「まぁ、そうなんですね」
「シュヴィーツが独立しなければ、フランクの特産品でしたのに」
「んまぁ、残念です事」
「本当に」
甘味で顔が解れると心もやがて解れるようです。クラスでも自然と距離が縮まっていきました。
5年生に成る頃には、フランクとローザンヌで貿易協定を結びました。ローザンヌから加工した乳製品を輸出して、フランクから魚貝類や果物を輸入するのです。その内に平和条約も結べると良いですね。
〇 ▼ 〇
ローザンヌのケーキ工場の建設には、サッチャンの知識が多いに生かされました。
サッチャンが転生時に女神エイルに求めたのは『本の有る生活』だったのです。
「残念ながら貴方がこれから行く世界には、本があまり有りません。製紙技術も印刷技術も製本技術も未発達なのです。本の絶対数が少なく高価な物なのです」
「そんなぁぁぁ! ガックシですぅぅ」
「貴方の脳内書庫で、元の世界の本を閲覧出来る様にしてあげましょう。ただしコッチの世界では、元の世界の本を実現化は出来ません。本が永い年月保管されると、文化に大きく影響してしまうからです」
「わたしがコッチで本を作るのもダメなのですか?」
「『例の本』ですか?」
「はい……」
「う~ん、『例の本』なら、まぁいいでしょう。かなり偏った個性的な趣味ですし、文化は兎も角、科学技術に影響は無いでしょうから」
「じゃあ、自力で同人誌を製本できるスキルを下さい」
「まぁ、チートでなければ良しとしましょう」
「あと本は重いから、本に限り何冊でも持ち運べる様にして下さい」
「そうですね。じゃあ、本に限り無限収納をあげましょう」
「本が汚れたり破損したりしないようにしてほしい」
「分かりました。無限収納に時間停止と修復を付けてあげます」
「紙も入れさせて欲しい。製作中は紙の状態だから、移動する時に大変だから」
「はいはい。本と紙が入る時間停止修復可能無限収納ですね」
「チートでも無双不可能だから……」
「分かりました、大丈夫ですよ。チョチョイのチョイっと、はいどうぞ!」
「女神様、感謝!」
「は~い、いってらっしゃ~い」
「と、言う訳で。現代知識の全てが頭の中で閲覧可能。ケーキ工場は我々の手に掛ればオートメーション化出来る筈。御嬢様が資源や材料を持ってるので、単純作業をするゴーレムを作る。御嬢様が居なくても稼動出来る様に魔石を埋め込んで魔力を充填して置けばいい」
(筆者は大手菓子メーカーのケーキ工場で働いていたことがありますが、現代日本でケーキがフルオートメーションで作られてる話は聞いた事が有りません。大手菓子メーカーでは、流れ作業でもケーキのデコレーションは手作りでした。ケーキ作りは時間が掛かるのです)
「ゴーレムは複雑な作業が苦手でしょう?」
「はい。役割分担させて単純作業だけさせればいい。あと荷物の運搬とかにも向いている」
「分かりましたわ。人手も雇って、細かいデコレーションとかに補助的に働いて貰いましょうね」
「それでいいです」
「亜熊人形……熱帯地方でカカオを取って来て?」
「やだよ~ぅ」
「チョコレートケーキを作るんだけど……」
「ワ~ォ、カカオを取りに行ってきま~す。ガルナに【転移門】オープンッ!」
ブゥウウウウウンッ!
「亜熊人形、凄い。既にエイフリカのガルナまで辿り着いてるとは!」
「ガルナチョコレートのガルナなの?」
「たぶんそう」
約30分後、
「ただいま~。サチコ、ほらっ!」
ドサドサドサドサッ!
ケンちゃんが沢山のカカオの実を取り出します。
「ここで出さないで、工場の倉庫に出して。ご褒美に最初に試食させたげるから」
「オッケー。ローザンヌの倉庫に【転移門】オープン!」
ブゥウウウウウンッ!
「御し易きかな亜熊人形。毒見役をさせて上げる。クククククッ……」
「御嬢様、お紅茶はダージリンで宜しいですか?」
「はい、ケイシー。チーズケーキには、ほろ苦いダージリンが合いますよね」
「はい、畏まりました」
側仕えのケイシーが紅茶セットを運んでくれます、既に準備が出来ていたのでしょう。
「は~ぁ、至高のひと時ですわ!」
と、マルグレーテが呟きました。
「はい、これほど美味しいケーキは他では食べられませんわね♪」
と、モモリルが相槌を打ちます。
「うふふ、ローザンヌに新しくケーキ専用工場を建てたのですよ」
「まぁ、素敵! 商用展開なさるのですか?」
「はい、よろしかったら皆さんの領地でも販売してくださいね」
「「勿論ですわ」」
「でもケーキは時間が経つと、味が落ちてしまいますわよね?」
「そうなんです。だから保冷馬車と言うものを作ったのですよ! 凍る前の温度を保つ荷物室を魔道具で作製したので、輸送に1日掛っても美味しく運べるのです」
「あら、それは良いアイディアですこと」
「港町から新鮮なお魚も輸入できますのよ」
「まぁ、そんな事を考えるなんて、やっぱりマリーは食いしん坊さんですね」
「あうっ、それは…否定できませんけれどもね」
「「「おほほほほ」」」
2人が帰った後で、隠密行動から帰って来たスズちゃんが、今日の報告をしてくれます。
「マリアンヌ様がチーズケーキを食べたがっていました」
「まぁ、教室でのお話が聞こえてたのですね」
「側近に、『どなたか、手に入れられませんか?』と訪ねていましたが、だれも期待に答えられない様でした」
「まぁ……ケイシー、チーズケーキのホールをマリアンヌ様の部屋に届けてください。側近や側仕え達も食べられる量を持って行ってくださいな。『お近づきの印に御裾分けしたい』と言ってくださいね」
「お受け取り頂けなかった時はどういたしますか?」
「その時は、『御自由に処分してください』と言って押し付けて下さい」
「畏まりました」
〇 ▼ 〇
マリアンヌの自室のテーブルの上にレアチーズケーキが運ばれてきました。
タルト生地の上に、冷たいプルプルなレアチーズ。ブルーベリージャムとミントの葉がアクセントに乗っています。
「ふんっ、こんな物で私と仲良く出来ると思ったら大間違いですわ! でも……て、敵に塩を送ると言う諺も有りましてよっ! 折角ですから頂きましょう」
「「「はい♪」」」
諺の使いどころに疑問を感じながらも、側近や側仕え達も相伴に預かりました。
通常、側仕えは仕事中に食事をしませんが、冷たいレアチーズケーキなので、一緒に食べて良いとマリアンヌが許可しました。
「まぁ、美味しい! 今迄で一番美味しいチーズケーキですわ」
マリアンヌが我慢しきれずに感嘆の声を出すと、側近達も本音で褒め出しました。
「美味しいですわ」
「新鮮なミルクが使われてるのですね」
「まろやかで甘酸っぱいですわ」
「以前、アランフォード辺境伯から送られて来た時より、美味しくなっていますわ」
「まぁ、そうなんですね」
「シュヴィーツが独立しなければ、フランクの特産品でしたのに」
「んまぁ、残念です事」
「本当に」
次の日には、プリンが御裾分けされました。
「まぁ、美味しい! 初めて食べましたけど、とっても美味しいデザートですわ」
マリアンヌが我慢しきれずに感嘆の声を出すと、側近達も本音で褒め出しました。
「美味しいですわ」
「新鮮なミルクが使われてるのですね」
「まろやかで甘いですわ」
「アランフォード辺境伯もプリンと言う物は、送って来たことがありませんわ」
「まぁ、そうなんですね」
「シュヴィーツが独立しなければ、フランクの特産品でしたのに」
「んまぁ、残念です事」
「本当に」
甘味で顔が解れると心もやがて解れるようです。クラスでも自然と距離が縮まっていきました。
5年生に成る頃には、フランクとローザンヌで貿易協定を結びました。ローザンヌから加工した乳製品を輸出して、フランクから魚貝類や果物を輸入するのです。その内に平和条約も結べると良いですね。
〇 ▼ 〇
ローザンヌのケーキ工場の建設には、サッチャンの知識が多いに生かされました。
サッチャンが転生時に女神エイルに求めたのは『本の有る生活』だったのです。
「残念ながら貴方がこれから行く世界には、本があまり有りません。製紙技術も印刷技術も製本技術も未発達なのです。本の絶対数が少なく高価な物なのです」
「そんなぁぁぁ! ガックシですぅぅ」
「貴方の脳内書庫で、元の世界の本を閲覧出来る様にしてあげましょう。ただしコッチの世界では、元の世界の本を実現化は出来ません。本が永い年月保管されると、文化に大きく影響してしまうからです」
「わたしがコッチで本を作るのもダメなのですか?」
「『例の本』ですか?」
「はい……」
「う~ん、『例の本』なら、まぁいいでしょう。かなり偏った個性的な趣味ですし、文化は兎も角、科学技術に影響は無いでしょうから」
「じゃあ、自力で同人誌を製本できるスキルを下さい」
「まぁ、チートでなければ良しとしましょう」
「あと本は重いから、本に限り何冊でも持ち運べる様にして下さい」
「そうですね。じゃあ、本に限り無限収納をあげましょう」
「本が汚れたり破損したりしないようにしてほしい」
「分かりました。無限収納に時間停止と修復を付けてあげます」
「紙も入れさせて欲しい。製作中は紙の状態だから、移動する時に大変だから」
「はいはい。本と紙が入る時間停止修復可能無限収納ですね」
「チートでも無双不可能だから……」
「分かりました、大丈夫ですよ。チョチョイのチョイっと、はいどうぞ!」
「女神様、感謝!」
「は~い、いってらっしゃ~い」
「と、言う訳で。現代知識の全てが頭の中で閲覧可能。ケーキ工場は我々の手に掛ればオートメーション化出来る筈。御嬢様が資源や材料を持ってるので、単純作業をするゴーレムを作る。御嬢様が居なくても稼動出来る様に魔石を埋め込んで魔力を充填して置けばいい」
(筆者は大手菓子メーカーのケーキ工場で働いていたことがありますが、現代日本でケーキがフルオートメーションで作られてる話は聞いた事が有りません。大手菓子メーカーでは、流れ作業でもケーキのデコレーションは手作りでした。ケーキ作りは時間が掛かるのです)
「ゴーレムは複雑な作業が苦手でしょう?」
「はい。役割分担させて単純作業だけさせればいい。あと荷物の運搬とかにも向いている」
「分かりましたわ。人手も雇って、細かいデコレーションとかに補助的に働いて貰いましょうね」
「それでいいです」
「亜熊人形……熱帯地方でカカオを取って来て?」
「やだよ~ぅ」
「チョコレートケーキを作るんだけど……」
「ワ~ォ、カカオを取りに行ってきま~す。ガルナに【転移門】オープンッ!」
ブゥウウウウウンッ!
「亜熊人形、凄い。既にエイフリカのガルナまで辿り着いてるとは!」
「ガルナチョコレートのガルナなの?」
「たぶんそう」
約30分後、
「ただいま~。サチコ、ほらっ!」
ドサドサドサドサッ!
ケンちゃんが沢山のカカオの実を取り出します。
「ここで出さないで、工場の倉庫に出して。ご褒美に最初に試食させたげるから」
「オッケー。ローザンヌの倉庫に【転移門】オープン!」
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