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14 一狩りする?
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千代がカタランヌ町の郊外の工房に来てから1ヶ月が過ぎた。
お店も完成した。
店主がローリーで店員が千代である。
ローリーが接客をして、千代がお茶を出す。
千代は安定の人見知りだから。
お店に並んでいる製品は、見るからに光沢と輝きが従来の品と違っていた。
ローリー工房のガラス製品と陶磁器は、順調に売り上げを伸ばしている。
商人はローリーの工房で買い付けた製品を、遠くの町々迄行って売り歩いてくれる。
その商人たちが『カタランヌ製ガラスと陶磁器』がブランド化しつつあると、言っている。
工房では製品がスグに売り切れてしまい、貴族や商人からの注文生産も増え続けている。
その為に、お店の陳列棚がしょっちゅうスカスカな状態だ。
千代は【ガラス細工Ⅲ】に続いて、陶磁器職人としてもスキルが【陶磁器製作Ⅲ】にアップしたので、見習いを卒業して一端の陶磁器職人となった。
しかし、相変わらず午前中は石英の採取をして、その後はガラス・陶磁器両工房の雑用をこなしている。
その事に千代は何も不平を感じなかった。
それどころか、ガラス製品と陶磁器の製作に関われる喜びの方が勝っていた。
毎日行きたい工房へ行き、作りたい物を作りたいように作っている。
注文生産品は千代以外のベテラン職人達が作っていて、千代は自分の作りたい物だけを作っていた。
千代の精製する珪砂のお陰で、ベテラン職人達の製品も価値がグ~ンと上がっている。
『カタランヌのローリー工房』の名前が、遠くの町迄広がっていった。
☆ ★ ☆
千代は相変わらずに、毎朝5時起で家畜と畑の世話をする。
その後、軽い朝食を済ませてから採取に出かける。
最近は千代1人で出かける事も多くなった。
ローリーとロッティは一緒に行っても、する事が無くなっていたからだ。
「おはよう、チヨ。今日は採取に一緒に行くわ、運動不足になっちゃうからね」
「はい、おはようございます。一緒に行きましょう」
ローリーは、腰のベルトに2本のロングナイフをさしている。
サバイバルナイフぐらいのサイズだがギザギザの歯は付いていない。
始めて出会った時から、採取などで山に出かける時は、いつもナイフを装備していた。
千代は工房に元々置いてあった2メートルの槍を、杖代わりに持たされている。
槍の中間あたりには、太く赤い紐が20センチほど巻き付けてあり、グリップの様で持ちやすい。
穂先には革製のカバーが被せてあり、対局側には鉄製の石突きが付いていた。
千代はその槍を片手に持って、トレッキングポールの様にして歩くのが常だった。
「山にはゴブリンやコボルトがいるのよ。ベアー、ボア、レインダー等の食べれる獣もいるしね」
「そうなんですね」
「食べれる獣がいた時は積極的に狩りますからね、動物性たんぱく質は大事なのよ」
「はい、そうですね」
出会った当時からそう言っていて、時々一緒に狩りをしている。
ある日、突然に熊と出会ってしまった事がある。
こっちだけではなく、熊も驚いたようで、興奮して襲い掛かって来た。
「キィエエエエエッ!」
という奇声と共に、ローリーが熊に【後ろ回し蹴り】をお見舞いして。体勢を崩した所に両ナイフを逆手に持って飛び掛かり、アッと言う間に首の頸動脈を切って、心臓にナイフを突き刺した。
「はぁ、お見事です!」
パチパチパチパチ!
「まぁね~」
「ローリーさんて、ひょっとして強いのかな?って、思ってましたけど。想像の斜め上を行く強さでした」
「あら、言って無かったかしら。自信も無く、女だけで山や森に入る訳ないでしょうに……」
「はぁ、町のチンピラがローリーさんに手を出さない理由が分かりました」
「うふっ。今の所、私に勝てる男はカタランヌの町に居ないわね」
「そうなんですね」
「私は【格闘】と【短剣】と言う戦闘スキルを持ってるのよ」
ピンポロリン♪
と鳴って、【格闘0】と【短剣0】が千代のスキルに加わったが、その事は敢えてローリーには黙っておいた。
「私も何か、戦闘スキルを勉強した方がいいでしょうか?」
「チヨは魔力が多いみたいだから、ファイヤーボールとか使ってみたら?」
「でもファイヤーボールだと、獣の皮が焦げちゃって勿体無いですからぁ」
「風属性魔法は使えないの? 【風刃】ウインドカッターとかも、良いと思うわよ」
「やってみますね。【風刃】ウインドカッター!」
スカッ……、
ピンポロリン♪
【風刃Ⅰ】ウインドカッターが千代のスキルに加わった。
「もう1回やってみますね。【風刃Ⅰ】ウインドカッター!」
ビュンッ…ザシュッ!
10メートルぐらい離れていた木に、大きな切り傷が付いた。
「出来ました!」
「さすがチヨね、安定のスキル取得率だわ!」
「へへへェ、何かすいません」
「いいのよ、1番にチヨのスキルの恩恵を受けてるのが私なんだから……もう、チヨと結婚するわ!」
「まぁ、嬉しい」
「「あはははは」」
「これならもう、1人で狩猟に出かけても大丈夫そうね」
「はい」
それでも千代は、槍も練習してみた。
ビュッと素振りをしたら、
ピンポロリン♪
と鳴って、【槍Ⅰ】が千代のスキルに加わった。
千代はスキルの取得が、より早く成ってる気がする。
見聞きしたスキルが【門前の小僧Ⅰ】の影響で次々と加わっていくのだろうか、とも思った。
採取から帰ると、いつものように洗濯と掃除をして昼食の準備をする。
ローリーは熊の血抜きをして、熊肉を解体した。
それを少し手伝った千代のステータスに、【解体Ⅰ】スキルが加わっていた。
次の日のお昼に、熊鍋を職人達に振舞った。
お一人様歴が長かった千代の料理は、異世界の職人達にも喜ばれる。
千代は長野県生まれで、ジビエの熊鍋や鹿鍋を、母と一緒に作っていた事を懐かしく思い出していた。
お店も完成した。
店主がローリーで店員が千代である。
ローリーが接客をして、千代がお茶を出す。
千代は安定の人見知りだから。
お店に並んでいる製品は、見るからに光沢と輝きが従来の品と違っていた。
ローリー工房のガラス製品と陶磁器は、順調に売り上げを伸ばしている。
商人はローリーの工房で買い付けた製品を、遠くの町々迄行って売り歩いてくれる。
その商人たちが『カタランヌ製ガラスと陶磁器』がブランド化しつつあると、言っている。
工房では製品がスグに売り切れてしまい、貴族や商人からの注文生産も増え続けている。
その為に、お店の陳列棚がしょっちゅうスカスカな状態だ。
千代は【ガラス細工Ⅲ】に続いて、陶磁器職人としてもスキルが【陶磁器製作Ⅲ】にアップしたので、見習いを卒業して一端の陶磁器職人となった。
しかし、相変わらず午前中は石英の採取をして、その後はガラス・陶磁器両工房の雑用をこなしている。
その事に千代は何も不平を感じなかった。
それどころか、ガラス製品と陶磁器の製作に関われる喜びの方が勝っていた。
毎日行きたい工房へ行き、作りたい物を作りたいように作っている。
注文生産品は千代以外のベテラン職人達が作っていて、千代は自分の作りたい物だけを作っていた。
千代の精製する珪砂のお陰で、ベテラン職人達の製品も価値がグ~ンと上がっている。
『カタランヌのローリー工房』の名前が、遠くの町迄広がっていった。
☆ ★ ☆
千代は相変わらずに、毎朝5時起で家畜と畑の世話をする。
その後、軽い朝食を済ませてから採取に出かける。
最近は千代1人で出かける事も多くなった。
ローリーとロッティは一緒に行っても、する事が無くなっていたからだ。
「おはよう、チヨ。今日は採取に一緒に行くわ、運動不足になっちゃうからね」
「はい、おはようございます。一緒に行きましょう」
ローリーは、腰のベルトに2本のロングナイフをさしている。
サバイバルナイフぐらいのサイズだがギザギザの歯は付いていない。
始めて出会った時から、採取などで山に出かける時は、いつもナイフを装備していた。
千代は工房に元々置いてあった2メートルの槍を、杖代わりに持たされている。
槍の中間あたりには、太く赤い紐が20センチほど巻き付けてあり、グリップの様で持ちやすい。
穂先には革製のカバーが被せてあり、対局側には鉄製の石突きが付いていた。
千代はその槍を片手に持って、トレッキングポールの様にして歩くのが常だった。
「山にはゴブリンやコボルトがいるのよ。ベアー、ボア、レインダー等の食べれる獣もいるしね」
「そうなんですね」
「食べれる獣がいた時は積極的に狩りますからね、動物性たんぱく質は大事なのよ」
「はい、そうですね」
出会った当時からそう言っていて、時々一緒に狩りをしている。
ある日、突然に熊と出会ってしまった事がある。
こっちだけではなく、熊も驚いたようで、興奮して襲い掛かって来た。
「キィエエエエエッ!」
という奇声と共に、ローリーが熊に【後ろ回し蹴り】をお見舞いして。体勢を崩した所に両ナイフを逆手に持って飛び掛かり、アッと言う間に首の頸動脈を切って、心臓にナイフを突き刺した。
「はぁ、お見事です!」
パチパチパチパチ!
「まぁね~」
「ローリーさんて、ひょっとして強いのかな?って、思ってましたけど。想像の斜め上を行く強さでした」
「あら、言って無かったかしら。自信も無く、女だけで山や森に入る訳ないでしょうに……」
「はぁ、町のチンピラがローリーさんに手を出さない理由が分かりました」
「うふっ。今の所、私に勝てる男はカタランヌの町に居ないわね」
「そうなんですね」
「私は【格闘】と【短剣】と言う戦闘スキルを持ってるのよ」
ピンポロリン♪
と鳴って、【格闘0】と【短剣0】が千代のスキルに加わったが、その事は敢えてローリーには黙っておいた。
「私も何か、戦闘スキルを勉強した方がいいでしょうか?」
「チヨは魔力が多いみたいだから、ファイヤーボールとか使ってみたら?」
「でもファイヤーボールだと、獣の皮が焦げちゃって勿体無いですからぁ」
「風属性魔法は使えないの? 【風刃】ウインドカッターとかも、良いと思うわよ」
「やってみますね。【風刃】ウインドカッター!」
スカッ……、
ピンポロリン♪
【風刃Ⅰ】ウインドカッターが千代のスキルに加わった。
「もう1回やってみますね。【風刃Ⅰ】ウインドカッター!」
ビュンッ…ザシュッ!
10メートルぐらい離れていた木に、大きな切り傷が付いた。
「出来ました!」
「さすがチヨね、安定のスキル取得率だわ!」
「へへへェ、何かすいません」
「いいのよ、1番にチヨのスキルの恩恵を受けてるのが私なんだから……もう、チヨと結婚するわ!」
「まぁ、嬉しい」
「「あはははは」」
「これならもう、1人で狩猟に出かけても大丈夫そうね」
「はい」
それでも千代は、槍も練習してみた。
ビュッと素振りをしたら、
ピンポロリン♪
と鳴って、【槍Ⅰ】が千代のスキルに加わった。
千代はスキルの取得が、より早く成ってる気がする。
見聞きしたスキルが【門前の小僧Ⅰ】の影響で次々と加わっていくのだろうか、とも思った。
採取から帰ると、いつものように洗濯と掃除をして昼食の準備をする。
ローリーは熊の血抜きをして、熊肉を解体した。
それを少し手伝った千代のステータスに、【解体Ⅰ】スキルが加わっていた。
次の日のお昼に、熊鍋を職人達に振舞った。
お一人様歴が長かった千代の料理は、異世界の職人達にも喜ばれる。
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