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プロローグ
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特に反応は無い。
東雲鈴音は巨乳グラドルのポスターなんかには目もくれず、部屋へ駆け込んで俺のベッドにダイブをかました。
現実世界じゃないと言っても、男のベッドにダイブするのは、下い方面に勘違いをされても文句は言えないだろう。
危険過ぎる。
どれだけ内面が残念であっても、外見は作り物みたいに優れているのだから。
「枕を嗅ぐな!変態か!」
この底抜けにヤベェ奴感が、飽きっぽい招木猫の好奇心を掴んで離さないのだろう。
あと誰かが見てないと何を仕出かすかわからない。
ここで寝ると言い出して、ちょっぴりキモかったので、妹の部屋に追放処分とした。
次の【活性化】まで1時間も無いので、早急に睡眠状態に入るとする。
瞼を閉じて10秒。
意識が暗闇の中に入り込むと、ウインドウが表示された。
『睡眠状態に入りますか?はい/いいえ』
【はい】
『アラームをセットしますか?はい/いいえ』
【はい】
『起床時間を選択して下さい』
【17時50分】
『睡眠時と起床後5分間、成木原裕哉の周囲1mは安全地帯となります
睡眠状態に入ります
30秒前…29…28…』
カウントダウンが始まった。
招木猫曰く、意識が落ちたらアラームの時間までは一瞬らしい。
つまり強制睡眠になったとして、強制ログアウトからの翌日以降ログインって流れになるのだろう。
ん…?
考えてみれば、招木猫はどうやって強制睡眠の情報を知った?
SNSと言っていたが、サ開から遊んでいたプレイヤーが強制睡眠に入るのは、最短で現実時間13時20分。
俺が2度目のログインをしたのが12時58分。
招木猫から強制睡眠の話を聞いたのは、一度目の【活性化】が起きた15時から直ぐの事。
NOT THE GAMEの時間は現実の12分の1になっているから、どれだけ長く見積もっても現実時間だと13時13分。
13時20分に起こる強制睡眠の情報を、招木猫…他プレイヤーから聞くのは、どう考えたって不可能じゃないか。
実は何らかの方法でNOT THE GAMEの仕様が書かれたヘルプにアクセス出来るとかはあるかもしれないが、招木猫がそれを隠す理由は…?
招木猫がヘルプの存在を秘匿している、若しくは運営側の人間。
もしそうでなかったとしたら。
NOT THE GAMEと現実世界の時間軸は剥離している説が濃厚になる―――。
微睡む意識。
間もなく睡眠状態に入る。
…
……
………
『17時50分
安全地帯は5分後に解除されます』
意識が落ちてからは一瞬だった。
現実である寝起きの辛さや不快感は存在しない。
俺を取り囲む形で、光の円が出現している。
見るのは二度目だが、どうやらこれが安全地帯のサインらしい。
ピリリ ピリリ ピリリ ピリリ
招木猫から音声通話の着信。
どうやら安全地帯の中でも通話は問題無く可能なようだ。
「はい」
『そろそろ2回目の活性化にゃ。二人とも起きてたにゃぁ』
『今目覚めたところだ。妹さんの枕に顔を埋てめたいら一瞬だったよ』
「変態に思われるから言い方考えろ?活性化、狩り、睡眠。一日の流れはこんな感じなのか?」
『そうみたいにゃ。使い道が謎なアイテムがあるから、他にもありそうだけどにゃ』
「ああ、多分生産系の何かはありそうだよな」
『MMOの定番だね。料理作りとかも定番だが、NOT THE GAMEには無いのだろうか?』
「空腹度とかが無いからな。腹が減るとステータスの状態が空腹になったりするのか?」
『あたしも無いと思うにゃ。あったら宝箱から食材が手に入ると思うにゃ。それにお菓子の袋を開けようとしたけど開かなかったにゃ』
「もう試したんだな。開かなかったというか、持ち上げるのも無理じゃなかったか?
『そうなのにゃ。コンビニのお菓子食べ放題と思ったのに残念にゃ』
『にゃんにゃん…』
「現実じゃないからって万引きするのはどうかと思うぞ…」
東雲鈴音もちょっぴり失望しているし。
ゲームだから略奪OK、ゲームだからPKもOK。
みたいな考えは、個人的にはあまり好まない。
『それは素晴らしいアイデアだね!』
「おい」
『やっぱりそう思うにゃ?』
『私も酢昆布と酢イカをお腹一杯食べたい!』
「チョイスが渋いな。というかそもそも万引きするな。あと駄菓子ぐらい普通に買えよ」
『にゃははっ。冗談にゃ。そろそろ安全地帯解けるにゃ?狩りの準備するにゃ』
『何だ、冗談だったのか…。残念だ…』
「東雲さんはがっかりするな?人格を疑われるぞ?」
光の円が消えて、東雲鈴音と合流。
外に出る。
そう言えばNPCの柊は普通にスーパーで買い物をしていた。
あの時は籠や米を普通に持ってたいし、現金で支払いもしてたな。
プレイヤーとNPCでは出来る事が異なるって仕組みなのだろうか。
『魔物が活性化します。各エリアに魔物が出現しました』
おっと、狩り時間が始まった。
東雲鈴音は巨乳グラドルのポスターなんかには目もくれず、部屋へ駆け込んで俺のベッドにダイブをかました。
現実世界じゃないと言っても、男のベッドにダイブするのは、下い方面に勘違いをされても文句は言えないだろう。
危険過ぎる。
どれだけ内面が残念であっても、外見は作り物みたいに優れているのだから。
「枕を嗅ぐな!変態か!」
この底抜けにヤベェ奴感が、飽きっぽい招木猫の好奇心を掴んで離さないのだろう。
あと誰かが見てないと何を仕出かすかわからない。
ここで寝ると言い出して、ちょっぴりキモかったので、妹の部屋に追放処分とした。
次の【活性化】まで1時間も無いので、早急に睡眠状態に入るとする。
瞼を閉じて10秒。
意識が暗闇の中に入り込むと、ウインドウが表示された。
『睡眠状態に入りますか?はい/いいえ』
【はい】
『アラームをセットしますか?はい/いいえ』
【はい】
『起床時間を選択して下さい』
【17時50分】
『睡眠時と起床後5分間、成木原裕哉の周囲1mは安全地帯となります
睡眠状態に入ります
30秒前…29…28…』
カウントダウンが始まった。
招木猫曰く、意識が落ちたらアラームの時間までは一瞬らしい。
つまり強制睡眠になったとして、強制ログアウトからの翌日以降ログインって流れになるのだろう。
ん…?
考えてみれば、招木猫はどうやって強制睡眠の情報を知った?
SNSと言っていたが、サ開から遊んでいたプレイヤーが強制睡眠に入るのは、最短で現実時間13時20分。
俺が2度目のログインをしたのが12時58分。
招木猫から強制睡眠の話を聞いたのは、一度目の【活性化】が起きた15時から直ぐの事。
NOT THE GAMEの時間は現実の12分の1になっているから、どれだけ長く見積もっても現実時間だと13時13分。
13時20分に起こる強制睡眠の情報を、招木猫…他プレイヤーから聞くのは、どう考えたって不可能じゃないか。
実は何らかの方法でNOT THE GAMEの仕様が書かれたヘルプにアクセス出来るとかはあるかもしれないが、招木猫がそれを隠す理由は…?
招木猫がヘルプの存在を秘匿している、若しくは運営側の人間。
もしそうでなかったとしたら。
NOT THE GAMEと現実世界の時間軸は剥離している説が濃厚になる―――。
微睡む意識。
間もなく睡眠状態に入る。
…
……
………
『17時50分
安全地帯は5分後に解除されます』
意識が落ちてからは一瞬だった。
現実である寝起きの辛さや不快感は存在しない。
俺を取り囲む形で、光の円が出現している。
見るのは二度目だが、どうやらこれが安全地帯のサインらしい。
ピリリ ピリリ ピリリ ピリリ
招木猫から音声通話の着信。
どうやら安全地帯の中でも通話は問題無く可能なようだ。
「はい」
『そろそろ2回目の活性化にゃ。二人とも起きてたにゃぁ』
『今目覚めたところだ。妹さんの枕に顔を埋てめたいら一瞬だったよ』
「変態に思われるから言い方考えろ?活性化、狩り、睡眠。一日の流れはこんな感じなのか?」
『そうみたいにゃ。使い道が謎なアイテムがあるから、他にもありそうだけどにゃ』
「ああ、多分生産系の何かはありそうだよな」
『MMOの定番だね。料理作りとかも定番だが、NOT THE GAMEには無いのだろうか?』
「空腹度とかが無いからな。腹が減るとステータスの状態が空腹になったりするのか?」
『あたしも無いと思うにゃ。あったら宝箱から食材が手に入ると思うにゃ。それにお菓子の袋を開けようとしたけど開かなかったにゃ』
「もう試したんだな。開かなかったというか、持ち上げるのも無理じゃなかったか?
『そうなのにゃ。コンビニのお菓子食べ放題と思ったのに残念にゃ』
『にゃんにゃん…』
「現実じゃないからって万引きするのはどうかと思うぞ…」
東雲鈴音もちょっぴり失望しているし。
ゲームだから略奪OK、ゲームだからPKもOK。
みたいな考えは、個人的にはあまり好まない。
『それは素晴らしいアイデアだね!』
「おい」
『やっぱりそう思うにゃ?』
『私も酢昆布と酢イカをお腹一杯食べたい!』
「チョイスが渋いな。というかそもそも万引きするな。あと駄菓子ぐらい普通に買えよ」
『にゃははっ。冗談にゃ。そろそろ安全地帯解けるにゃ?狩りの準備するにゃ』
『何だ、冗談だったのか…。残念だ…』
「東雲さんはがっかりするな?人格を疑われるぞ?」
光の円が消えて、東雲鈴音と合流。
外に出る。
そう言えばNPCの柊は普通にスーパーで買い物をしていた。
あの時は籠や米を普通に持ってたいし、現金で支払いもしてたな。
プレイヤーとNPCでは出来る事が異なるって仕組みなのだろうか。
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おっと、狩り時間が始まった。
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