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第6章
破壊神現る
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俺達が屋上にたどり着くと、そこに屋上から地上を見下ろしている人影が見えた。
俺達はゆっくりと歩いてその人影に近づくと、そいつは驚いたように俺達を見た。
「え! なんで皆ここにいるの?」
それはクラス委員の藤原だった。
「お前こそ! なんでこんな所に?」
「太陽が見えなくなって……何が起きてるんだろうって。なんか凄く不安に押しつぶされそうになって、いてもたってもいられなかった……」
そう言うと、藤原は俺達に聞いた。
「これから、何か起こるの?」
「俺達にも分からない……けど、ここは恐らく危険だから、とりあえず離れよう」
そう言って彼女に近づこうとした誠を、俺と真生が手で塞ぎ、止める。
「何が起こるかは、お前が1番よく知っているんじゃないか?」
そう言った俺を誠が驚いて見た。真生も藤原を見て冷や汗を垂らしながら言う。
「お前、破壊神だな? いつから、その姿で紛れ込んでいた……?」
それを聞いた藤原はクスッと笑って俺達を見た。
「記憶操作させてもらって、体育祭の後あたりからかなー……。けど、気配消していたのに、なんで気づいたの?」
「鍵、閉まったままだったから。普通の人間はここには入って来れない」
「なるほどね……鍵、開けとけば良かった」
そう言った後、藤原…いや破壊神が佳奈を見た。
「女神アース……」
「はっ、はい」
俺達は女神を見て驚いて目を見開いた。彼女が、座り込み頭を垂れていたからだ。
それを見て、俺は女神と破壊神の格の違いを改めて実感し、ゾッとした。
ーー女神は、いつからそうしていた!?
「こいつらはなんだ?」
「破壊神様、恐れながらお答え致します。お気づきの通り、彼らは他の世界より地球を守るため私が連れて参りました」
「そこまでして、この地球の人類を守りたいか」
「……はい」
直後。破壊神が女神に向けて目を見開くと、急に女神は後ろに吹き飛んでフェンスに激しくぶつかって倒れた。激しく咳き込む彼女の口から血が吹き出す。
「ーー!!!」
「女神!!!」
ーー今、こいつ、何をした?
真生が女神の元に駆け寄る。
俺が誠を見ると、彼はガタガタ震えていた。自分で避難できなさそうだと察した俺は、誠を抱えて少し離れた安全な場所に瞬時に移動すると「ここから動かないで」と伝える。そして女神の元に急いだ。
誠はその場で腰を抜かして座り込み、その場の状況を理解しきれずにボーゼンとして呟いた。
「佳奈が……女神? 藤原が破壊神って……え、今何が起きた?」
俺が女神の傍に駆け寄ると、真生が女神に治癒魔法を使っていた。
「女神、大丈夫か?」
女神は弱々しく目をそっと開けて俺を見ると「だ、大丈夫」と小さい声で言った。
俺は女神の無事を確認して少しホッとした後、ヤツを睨む。
「おい、藤原……いや、破壊神」
「なんだ、小僧」
「小僧ではない。俺様は他の世界から来た魔王だ」
「異世界から来た魔王が、この地球を守る義理はないのではないか?」
「ああ、無いさ。義理はない。けどな、貴様の考え方が気に食わん」
破壊神は俺を睨むと「神である我の考えが気に食わないと、そうもハッキリと言うとは良い度胸だな」と言った。
「神であろうと誰だろうと、地球で生きている人間のことをちゃんと知ろうともしないで、勝手に決めてんじゃねえ!!」
俺はそう怒鳴って、ドンッと地面を殴ると地面に亀裂が入る。
「心外だ。われはちゃんと人間のことを知った上で滅ぼすことにしたのだ」
俺は破壊神の顔を真っ直ぐに見て聞いた。
「お前は、この地球上の全ての人間が最低だと本当に思っているのか?」
俺がそう聞くと、破壊神は俺を真顔で見つめて「どういうことだ」と聞いた。
「貴様が見ているのは、人間の悪い面だけのように思えるがな」
破壊神は俺の言葉を聞いているのか、黙って俺を見つめている。
「もし、貴様の主観のみで気に食わぬ人間どもを排除しようというのなら、貴様の言う人類の醜い部分と同じではないか。それを強行しようというのなら、破壊神こそ自分の理想と異なるを受け入れぬ、醜い生命体ではないか!」
そう言い切った俺を皆が見ていた。俺は言葉を続けた。
「確かにこの地球上に醜い者は沢山いる。だが俺は、そうでない人たちのことも知っている。だから、この地球を守ると決めた……」
俺はそう言うと破壊神をまっすぐ見て、そして言った。
「地球の人類を破滅させたければ、俺様を倒してからにしてくれないか」
俺達はゆっくりと歩いてその人影に近づくと、そいつは驚いたように俺達を見た。
「え! なんで皆ここにいるの?」
それはクラス委員の藤原だった。
「お前こそ! なんでこんな所に?」
「太陽が見えなくなって……何が起きてるんだろうって。なんか凄く不安に押しつぶされそうになって、いてもたってもいられなかった……」
そう言うと、藤原は俺達に聞いた。
「これから、何か起こるの?」
「俺達にも分からない……けど、ここは恐らく危険だから、とりあえず離れよう」
そう言って彼女に近づこうとした誠を、俺と真生が手で塞ぎ、止める。
「何が起こるかは、お前が1番よく知っているんじゃないか?」
そう言った俺を誠が驚いて見た。真生も藤原を見て冷や汗を垂らしながら言う。
「お前、破壊神だな? いつから、その姿で紛れ込んでいた……?」
それを聞いた藤原はクスッと笑って俺達を見た。
「記憶操作させてもらって、体育祭の後あたりからかなー……。けど、気配消していたのに、なんで気づいたの?」
「鍵、閉まったままだったから。普通の人間はここには入って来れない」
「なるほどね……鍵、開けとけば良かった」
そう言った後、藤原…いや破壊神が佳奈を見た。
「女神アース……」
「はっ、はい」
俺達は女神を見て驚いて目を見開いた。彼女が、座り込み頭を垂れていたからだ。
それを見て、俺は女神と破壊神の格の違いを改めて実感し、ゾッとした。
ーー女神は、いつからそうしていた!?
「こいつらはなんだ?」
「破壊神様、恐れながらお答え致します。お気づきの通り、彼らは他の世界より地球を守るため私が連れて参りました」
「そこまでして、この地球の人類を守りたいか」
「……はい」
直後。破壊神が女神に向けて目を見開くと、急に女神は後ろに吹き飛んでフェンスに激しくぶつかって倒れた。激しく咳き込む彼女の口から血が吹き出す。
「ーー!!!」
「女神!!!」
ーー今、こいつ、何をした?
真生が女神の元に駆け寄る。
俺が誠を見ると、彼はガタガタ震えていた。自分で避難できなさそうだと察した俺は、誠を抱えて少し離れた安全な場所に瞬時に移動すると「ここから動かないで」と伝える。そして女神の元に急いだ。
誠はその場で腰を抜かして座り込み、その場の状況を理解しきれずにボーゼンとして呟いた。
「佳奈が……女神? 藤原が破壊神って……え、今何が起きた?」
俺が女神の傍に駆け寄ると、真生が女神に治癒魔法を使っていた。
「女神、大丈夫か?」
女神は弱々しく目をそっと開けて俺を見ると「だ、大丈夫」と小さい声で言った。
俺は女神の無事を確認して少しホッとした後、ヤツを睨む。
「おい、藤原……いや、破壊神」
「なんだ、小僧」
「小僧ではない。俺様は他の世界から来た魔王だ」
「異世界から来た魔王が、この地球を守る義理はないのではないか?」
「ああ、無いさ。義理はない。けどな、貴様の考え方が気に食わん」
破壊神は俺を睨むと「神である我の考えが気に食わないと、そうもハッキリと言うとは良い度胸だな」と言った。
「神であろうと誰だろうと、地球で生きている人間のことをちゃんと知ろうともしないで、勝手に決めてんじゃねえ!!」
俺はそう怒鳴って、ドンッと地面を殴ると地面に亀裂が入る。
「心外だ。われはちゃんと人間のことを知った上で滅ぼすことにしたのだ」
俺は破壊神の顔を真っ直ぐに見て聞いた。
「お前は、この地球上の全ての人間が最低だと本当に思っているのか?」
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「貴様が見ているのは、人間の悪い面だけのように思えるがな」
破壊神は俺の言葉を聞いているのか、黙って俺を見つめている。
「もし、貴様の主観のみで気に食わぬ人間どもを排除しようというのなら、貴様の言う人類の醜い部分と同じではないか。それを強行しようというのなら、破壊神こそ自分の理想と異なるを受け入れぬ、醜い生命体ではないか!」
そう言い切った俺を皆が見ていた。俺は言葉を続けた。
「確かにこの地球上に醜い者は沢山いる。だが俺は、そうでない人たちのことも知っている。だから、この地球を守ると決めた……」
俺はそう言うと破壊神をまっすぐ見て、そして言った。
「地球の人類を破滅させたければ、俺様を倒してからにしてくれないか」
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