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5人の道
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「いえええええい!」
「きゃああああ!素敵すぎますっ!かっこいい!」
8月に入ってすぐの平日。まだ夏休みのミカ達は海辺の花火大会にきていた。ステージではトークやダンスのイベントがあり、リイが最近ハマっているダンス集団が出るとのことで、急遽行くことに決まったのである。
「本当にっ、すごいですっ。どうしましょう、もう倒れそうですよっ!」
「それ熱中症だろ」
「あかんで、夏実ちゃん。ほいお水。後、塩分タブレットも」
興奮するリイに丸井が冷静につっこんで、吉田が甲斐甲斐しく世話をする。それを見て望杏が1人かき氷を食べながら笑っていた。
「なっちゃんは素敵と思うと一直線だからねー」
「本当にな」
望杏の言葉にミカは頷く。こうして今5人で一緒にいられるのは、あの日に望杏達と本当の意味で心を通じ合わせられたからだとミカは実感する。
「はぁ……本当に素敵でした」
「しっかり楽しめたか?」
「もちろんです!みなさんのおかげで2回もステージが観れました!ファンサもくれたんですよ!コンコンって!」
ステージ近くから戻ってきたリイ達に声をかけるとまたしても興奮した様子でリイが手でキツネサインを作る。それを見て思わず笑うミカ。吉田や丸井もリイに付き合って前の方で観ていたからか、思ったよりも刺激されて感動していた。
「いやぁ、ほんまにすごかったなぁ。ダンスの種類も5人ともほぼちゃうし。あれえぐかったな、クルクルーッて回って片手の逆立ち」
「ブレイクダンスしてた奴だな。確かに、かっこよかったな」
「おふたりともハマりましたね!もうあの方達は5人全員がすごい素敵なんですから!一緒に推しましょう!」
「また観てもええかなとは思うし、今度は今日みたいに短いのやなくて、ちゃんとしたライブ行きたいわ」
「行きましょう!初の五大都市ツアーがあるんですから!チケットまだとれますよ!」
吉田の返事にリイは目を輝かせる。その勢いに吉田だけでなく丸井も誘われて、たじろぎつつも行くことをOKしている2人の姿に、ミカは自然と頬が緩む。
「秋斗も冬吾もすっかりリイの勢いに押されてるな」
「まぁでも、楽しそうだし。それに2人だけじゃないと思うよ、誘われるの」
望杏が呟くと「そうですよ!」とリイがミカの方に振り返る。
「ミカさんも望杏くんもみんなで行きましょうよ!絶対楽しいですから!」
「うん、そうだな」
リイの笑顔にミカは素直に頷く。彼女の言葉通り、5人なら何をしても絶対に楽しい……それは揺るがない自信があった。
「お?そろそろ花火始まるな」
丸井の言葉にミカ達は夜空を見上げる。ドォンッドンッ!と花火の重低音と共に鮮やかに咲く輝きに、リイが興奮気味に指差した。
「見て下さい!綺麗ですよ!」
その言葉に4人も空を見て感動する。その美しさに身を委ねながらミカはふと想う。この日々をいつまでも……彼らのそばにいたいなとーー。
この日々は二度と戻らない。だからこそ、かけがえのない素晴らしいものなのだ。悩みや不安、葛藤を経験して、心を成長させていく。
ミカ達はそれぞれの想いを胸に抱き、5人一緒にこの道を辿る。
ーーこの、青春の時を。
end.
「きゃああああ!素敵すぎますっ!かっこいい!」
8月に入ってすぐの平日。まだ夏休みのミカ達は海辺の花火大会にきていた。ステージではトークやダンスのイベントがあり、リイが最近ハマっているダンス集団が出るとのことで、急遽行くことに決まったのである。
「本当にっ、すごいですっ。どうしましょう、もう倒れそうですよっ!」
「それ熱中症だろ」
「あかんで、夏実ちゃん。ほいお水。後、塩分タブレットも」
興奮するリイに丸井が冷静につっこんで、吉田が甲斐甲斐しく世話をする。それを見て望杏が1人かき氷を食べながら笑っていた。
「なっちゃんは素敵と思うと一直線だからねー」
「本当にな」
望杏の言葉にミカは頷く。こうして今5人で一緒にいられるのは、あの日に望杏達と本当の意味で心を通じ合わせられたからだとミカは実感する。
「はぁ……本当に素敵でした」
「しっかり楽しめたか?」
「もちろんです!みなさんのおかげで2回もステージが観れました!ファンサもくれたんですよ!コンコンって!」
ステージ近くから戻ってきたリイ達に声をかけるとまたしても興奮した様子でリイが手でキツネサインを作る。それを見て思わず笑うミカ。吉田や丸井もリイに付き合って前の方で観ていたからか、思ったよりも刺激されて感動していた。
「いやぁ、ほんまにすごかったなぁ。ダンスの種類も5人ともほぼちゃうし。あれえぐかったな、クルクルーッて回って片手の逆立ち」
「ブレイクダンスしてた奴だな。確かに、かっこよかったな」
「おふたりともハマりましたね!もうあの方達は5人全員がすごい素敵なんですから!一緒に推しましょう!」
「また観てもええかなとは思うし、今度は今日みたいに短いのやなくて、ちゃんとしたライブ行きたいわ」
「行きましょう!初の五大都市ツアーがあるんですから!チケットまだとれますよ!」
吉田の返事にリイは目を輝かせる。その勢いに吉田だけでなく丸井も誘われて、たじろぎつつも行くことをOKしている2人の姿に、ミカは自然と頬が緩む。
「秋斗も冬吾もすっかりリイの勢いに押されてるな」
「まぁでも、楽しそうだし。それに2人だけじゃないと思うよ、誘われるの」
望杏が呟くと「そうですよ!」とリイがミカの方に振り返る。
「ミカさんも望杏くんもみんなで行きましょうよ!絶対楽しいですから!」
「うん、そうだな」
リイの笑顔にミカは素直に頷く。彼女の言葉通り、5人なら何をしても絶対に楽しい……それは揺るがない自信があった。
「お?そろそろ花火始まるな」
丸井の言葉にミカ達は夜空を見上げる。ドォンッドンッ!と花火の重低音と共に鮮やかに咲く輝きに、リイが興奮気味に指差した。
「見て下さい!綺麗ですよ!」
その言葉に4人も空を見て感動する。その美しさに身を委ねながらミカはふと想う。この日々をいつまでも……彼らのそばにいたいなとーー。
この日々は二度と戻らない。だからこそ、かけがえのない素晴らしいものなのだ。悩みや不安、葛藤を経験して、心を成長させていく。
ミカ達はそれぞれの想いを胸に抱き、5人一緒にこの道を辿る。
ーーこの、青春の時を。
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