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友達。きよみちゃん。
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小学校4年生ころだったと思う。
私にはじめて友達らしい友達ができた。
きよみちゃん。
それまでの私はクラスで一人ぼっちになったり、
いじめられたりするようなことはなかったけど、
放課後やお休みに遊ぶような子はいなかった。
なんで仲良くなったのかきっかけは覚えていない。
けど、仲良くなってからは妙にウマが合っていつも一緒に居るようになった。
きよみちゃんのお家はフルーツ屋さん。
お父さんとお母さんも優しいし、小さな弟は可愛かった。
きよみちゃん家で何度かご飯をご馳走になった。
思ってはいけないけど、この家の子供になりたいなと思った。
私が一番欲しかった幸せの中にいたきよみちゃん。
それなのに、きよみちゃんはどこか私とおんなじだった。
あまり幸せそうに見えなかったし子供らしくないリアリズムな考え方。
悪くいえばちょっとひねくれた考え方をする子だった。
だからこそ気が合ったんのだろうけど。
きよみちゃんとは未来の話をよくした。
私は優しい人と結婚をして幸せな家族を作りたいって言った。
きよみちゃんは結婚はしなくて良いから漫画家や小説家になりたいって言ってた。
きよみちゃんは哲学的なこと言ったり大人のような視点で物事を見る子。
とても頭が良いと思っていたから、
「きよみちゃんなら絶対すごい先生になるよ」
と私は応援した。
きよみちゃんも私に、
「操ちゃんは本当はすごく優しいから良いお嫁さんになる」
って言ってくれた。
きよみちゃんはちょっと照れて笑っていた。
私は私をちゃんと見てくれて言葉をかけてくれることが嬉しくて、
ちょっとだけ涙ぐんで笑った。
小学校5年生の冬のある月曜日。
きよみちゃんが学校に来ない。
風邪かな。今日一日つまらないな。
朝のホームルームになり先生が教室に入ってくる。
入ってきた瞬間から何かいつもと雰囲気が違うことを察した。
少し嫌な予感がした。
先生は深刻そうな顔で語った。
きよみちゃんが土曜日に倒れた。
頭の中の血管が切れて今も寝たまま目を覚ましていない。
しばらく学校に来れないと思うけど良くなるようにみんな心の中で応援してください。
学校のかえりにきよみちゃんの家の前まで行ってみた。
お店は閉まっていたけど何かを取りに来たのか、
たまたまきよみちゃんのお母さんが家の中に入っていくのが見えた。
私は声もかけられず、ただきよみちゃんの家の前で立っていた。
しばらくするときよみちゃんのお母さんが荷物を持って出てきた。
きよみちゃんのお母さんは私を見つけるとボロボロ泣き出して私を抱きしめた。
その時だけは私も大きな声を出して泣いた。
「きよみが返ってきたら、長くなるかも知れないけどまた仲良くしてね」
きよみちゃんのお母さんは真っ赤な目で言った。
私はきよみちゃんが良くなって遊べるまでずっと待ってるって言った。
小学校6年生の8月11日。
きよみちゃんは目を覚まさないまま。
死んでしまった。
私にはじめて友達らしい友達ができた。
きよみちゃん。
それまでの私はクラスで一人ぼっちになったり、
いじめられたりするようなことはなかったけど、
放課後やお休みに遊ぶような子はいなかった。
なんで仲良くなったのかきっかけは覚えていない。
けど、仲良くなってからは妙にウマが合っていつも一緒に居るようになった。
きよみちゃんのお家はフルーツ屋さん。
お父さんとお母さんも優しいし、小さな弟は可愛かった。
きよみちゃん家で何度かご飯をご馳走になった。
思ってはいけないけど、この家の子供になりたいなと思った。
私が一番欲しかった幸せの中にいたきよみちゃん。
それなのに、きよみちゃんはどこか私とおんなじだった。
あまり幸せそうに見えなかったし子供らしくないリアリズムな考え方。
悪くいえばちょっとひねくれた考え方をする子だった。
だからこそ気が合ったんのだろうけど。
きよみちゃんとは未来の話をよくした。
私は優しい人と結婚をして幸せな家族を作りたいって言った。
きよみちゃんは結婚はしなくて良いから漫画家や小説家になりたいって言ってた。
きよみちゃんは哲学的なこと言ったり大人のような視点で物事を見る子。
とても頭が良いと思っていたから、
「きよみちゃんなら絶対すごい先生になるよ」
と私は応援した。
きよみちゃんも私に、
「操ちゃんは本当はすごく優しいから良いお嫁さんになる」
って言ってくれた。
きよみちゃんはちょっと照れて笑っていた。
私は私をちゃんと見てくれて言葉をかけてくれることが嬉しくて、
ちょっとだけ涙ぐんで笑った。
小学校5年生の冬のある月曜日。
きよみちゃんが学校に来ない。
風邪かな。今日一日つまらないな。
朝のホームルームになり先生が教室に入ってくる。
入ってきた瞬間から何かいつもと雰囲気が違うことを察した。
少し嫌な予感がした。
先生は深刻そうな顔で語った。
きよみちゃんが土曜日に倒れた。
頭の中の血管が切れて今も寝たまま目を覚ましていない。
しばらく学校に来れないと思うけど良くなるようにみんな心の中で応援してください。
学校のかえりにきよみちゃんの家の前まで行ってみた。
お店は閉まっていたけど何かを取りに来たのか、
たまたまきよみちゃんのお母さんが家の中に入っていくのが見えた。
私は声もかけられず、ただきよみちゃんの家の前で立っていた。
しばらくするときよみちゃんのお母さんが荷物を持って出てきた。
きよみちゃんのお母さんは私を見つけるとボロボロ泣き出して私を抱きしめた。
その時だけは私も大きな声を出して泣いた。
「きよみが返ってきたら、長くなるかも知れないけどまた仲良くしてね」
きよみちゃんのお母さんは真っ赤な目で言った。
私はきよみちゃんが良くなって遊べるまでずっと待ってるって言った。
小学校6年生の8月11日。
きよみちゃんは目を覚まさないまま。
死んでしまった。
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