好き避け君に恋してる

あんこ

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第5話

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そのまま時が過ぎて5年生になった。
なんと、また淕と同じクラスになることが出来た!!
だから、話しかけようと思ったら…

-淕。また同じクラスだね!

-あ、うん。


…えっ?何これ?えっ。何この初対面感。
えっ。どゆこと。1からやり直し的な感じ??マジで?え、何?そういう感じ??


えっ


-あ、あー、また席近くになれたらいいね~。

-うん。


マジか~。ま、いっか。頑張ろ!

-淕おはよー!

-おはよう。

なんやねん!この人!え、世の中にこういう人っていんのかな??

-淕!同じ委員会入らない??友達と一緒の方が心強いし!

-いいよ!何の委員会??

-図書委員!1番楽しそうな気がして!

-分かった!一緒にやろ!!

(やった~!「!」復活~!しかも、一緒に委員会もできるとか最高♡)



-はーい。みんな席ついたか~。じゃあ、授業始めるぞ~。

-はーい。

-今日は委員会決めてくぞ~。

(きたー!淕、よろしく頼みますよ!)

-じゃあまず、生活委員からな~。やりたい人~。

-はい!

-おー。橋本!やってくれるか!他にやりたい人いるか??いない。じゃあ橋本さん、よろしくな。男子は~。

-じゃー、はい。

-おっ。横田!やってくれるか!他にやりたい人いるか??いないな。じゃあ横田、よろしな。

どんどん委員会が決まっていく。

-じゃあ、最後、図書委員な~。やりたい人~。

-はい!              -はい!             -はい!

私と淕の声が重なった。そして、吉沢さんの声も…

-お。男子は佐藤で決定な~。女子は被ったからジャンケンで勝った方で。

(なんで。佐野さんはやりたくないって言ってたのに…)


-吉沢さん。なんで?

-佐藤くんがやるからよ。あんた、佐藤くんに一緒にやろうって言ってたでしょ。絶対あんたなんかにはやらせない。

-そんな。吉沢さんも淕のこと好きなの?

-そうに決まってるじゃん。てか、淕って呼び方やめてくんない。馴れ馴れしいんだよ。

-淕がそう呼んでいいって言ったんだからいいじゃん。

-まぁ、私、ジャンケン強いから。

-絶対勝つ。

-最初はグー。ジャンケンポン!!

私はグー。吉沢さんは…


チョキだ!!

-勝った!!!


-吉沢は、また後期に図書委員チャレンジしてな~。ってことで、前期の図書委員は、佐藤と藤田で。

-やった~!!


授業後…

-藤田さん!

淕が話しかけてきた。

-ちょっと、さっき焦ったよ~。藤田さんジャンケン負けたらどうしよ~って。

-私も焦ったよ~。淕と同じ委員会出来なかったらって。

-ホント怖かった~。吉沢さん、なんでいきなりやるとか言い出したのかな。

(淕に言ったらダメだよね)

-んー。人間、気が変わる時があるしね~。

-そうだね。


翌日…

私が朝学校に行くと、吉沢さんが来た。

-藤田さん。あんた、ふざけてるの??

-え、何が?

-佐藤くんと同じ委員会やるなんて許さない。ちょっと来なよ。

-えっ!?

私は吉沢さんに引っ張られてテラスに連れていかれた。

吉沢さんは柔道を小さい頃からやっているから、私の力ではとうていかなわない。

-藤田さん。いや、藤田。よく聞いて。あんたみたいなふざけたやつは1発お見舞しとかないと行けないの!!

(怖い。吉沢さんのパンチなんてくらったら、私の顔はお岩さん状態だ。)


吉沢さんの拳が私の顔に当たる寸前…






-何してるんだよ!!

私の大好きなあの人の声がした。

-淕!!

-佐藤くん!!これは、ち、違うの!!

-吉沢さん!何してるんだよ!なんで藤田さんの顔の横に君の拳があるんだよ!!

淕は私と吉沢さんの間に入って私を庇ってくれた。その時の安心感は忘れられない。

-佐藤くん。これはね、えっと、、

-吉沢さん!藤田さんに何しようとしたんだよ!そんなことしていいと思ってるの?

淕が初めて声を荒らげているのを見た。その時の淕はいつもの何十倍も大きく見えた。

-そんなことする人だとは思ってなかった。幻滅だよ。

-佐藤くん!違うの!だから、これは!

-何が違うんだよ!!じゃあ、その手はなんだよ!なんでそこにあるんだよ!

-だから…

-言い訳なんていい。藤田さん、行こ。

-…。うん。

淕が繋いでくれた手を離したくなかった。

前繋いだ時よりも淕の手は大きく感じた。

-藤田さん。大丈夫??

-うん。ありがとう。

-なんで藤田さんに吉沢さんが。

淕の不思議そうな表情を見ていると、さっきの恐怖が蘇って涙が出てきた。

-藤田さん!?ホントに大丈夫??何かあったの??先生に言わないと。

-ううん。淕、大丈夫。ありがとう。淕が助けてくれてすっごく嬉しかったし、救われた。先生には言わなくても大丈夫だよ。

-ホントに大丈夫なの??心配だよ。

-ホントに大丈夫!!淕はホントに優しいな~^^*

-も~。ふざけないでよ~。ホントに心配してるんだからね!!

-ありがと。でも、ホントに大丈夫だから!心配ご無用!www

-分かった!心配ご無用!www

(やっぱ淕にはホントのことは言えないよ。ごめんね)
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