勇者と女魔王の日常

夜夢

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初めの出会い

制服

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 手紙をエトワル学園に送り二日程経った頃、エトワル学園から手紙と箱が送られて来た。今度の内容は来週までには学校に来るような内容が書いてあった、来週からは新しい年にちょうどなる頃だからだろう、新入生が入学する時期だから。
 
 気になる箱を開けてみると中には服が二着入っていた、エトワル学園は学園内に居る際は基本的に、皆と同じ服装じゃなきゃいけないらしい、制服と呼ばれる服が、僕のとロウズの分が入っており、男子制服は黒で左胸元に学園の紋章にはこの国メーベル国の神に等しい精霊アルズの姿が刺繍されている。勿論ロウズの女子制服にもその刺繍はある、女子は黒色の膝までのスカートだった。

 僕は制服を試しに着てみた、少しゆったりした感じだったが普通に着ることができた、のに対しロウズは身長が僕の肩程しかないのだ、型崩れしていた。物凄くだらしなく見えとてもロウズに一番似合うと言い切れていまうような服装だ。いくらロウズでもこんな事言ったら怒られちゃうな。
 しかしそうなると、ロウズの服はどうしたらいいか。

 「ステラさん、ロウズさんの着崩れに悩んでるんですか?」

 「あぁ、流石にこのまま学校行ったら色々と不味いだろうし」

 百%不味いだろう、しかも変態が居たらこの姿を見たら食い付くだろうし、どうしよう。

 「私の力で少し縮めましょうか」

 「そんなこと出来るの!レモニお願い」

 ロウズの着ている制服にレモニが触れ少し目をつぶって詠唱を唱えている、声が小さすぎてなんて言ってるかは分からないけど、不思議と制服はどんどん小さくなっていく。最終的にはロウズはきちんと制服を着こなして胸を威張っていた、どこに威張ってんだよ、分からないよ、少なからずレモニが威張るぶんにはまだ分かる、あの不思議な魔法にかんして。

 「レモニ凄いな、どうやってるんだ?」

 恥ずかしそうにレモニは答えた。

 「体内に力として吸収しました」

 そんな事出来るのか、恥ずかしがる事ないとレモニと背中を軽く叩き、恥しさが解けたのか微笑んでいる。近い内にその魔法教えてもらいたいものだ。

 「ステラぁ、見て似ぁう?」

 「あぁ、似やってるよ」

 さっきの方が断然にだらしない雰囲気が出てて、今では常に眠そうな優等生そんな風に見えてしまう、服一着でこんなに印象って変わんるだな、改めて実感する。

 「後は、エトワル学園に行く準備だな」

 二人は元気よく返事をして、魔法もバックに大切な物を入れている。あの日の指輪は皆付けたまんまだった。
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