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呪いの解き方
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リヴィオは怒りで髪が逆だっている。転移魔法で帰ろうとしたが、私が使えないことを話す。腕を見せると金色の目は怒りで赤く染めあげた。
「おまえか?これをセイラにかけたのは?」
トトとテテの兄という彼はヒィィィと言いながら壁際へ下がっていく。ダンッ!と壁を突き破りそうなくらい蹴りを彼の横へ入れた。パラパラと落ちる壁……。
「ゼイン殿下のところへ行く」
「やるか」
やばいです……ジーニーも止めず感情をコントロールすることに長けている彼すら低い声でそう言う。二人で殴り込み……学園時代を思い出すが、ここは学園ではないのだ!!
「落ち着くのだーっ!」
「バカ兄貴、さっさと解呪するのだー!」
トトとテテがリヴィオとジーニーを落ち着かせる。このままでは本気でズタボロにしかねない。
「できない」
「はあああ!?ふざけてんの!?」
胸ぐらを思わず掴む私。トトとテテも呆れたように、セイラやっちゃってと兄を売る。
「ちょっ、ちょっと待って。私も前にこの術が記されている本を学園の図書館で読んだのよね……そう……解呪の方法……」
……ない。呪いというのは難しいのだ。かけるのは割と簡単なのに複雑に入り組んだパズルを解いていくに等しくてかけるよりも解く方が難解で力がいるのである。ケーキを作って元の材料に戻すということができないように。
……って書いてあった気がするうううう!!
私は頭を抱える。温泉旅館をしているだけなら、さほど魔法を使う機会などないのだから、落ち着け私。
「皆さん、お部屋のご用意できました」
各自の部屋へ行くように侍女が言う。リヴィオはその前に精算してこねーとな。…とスタスタとどこかへ消えていく。ジーニーが一緒に行くとついていく。
トトとテテはガシッと兄を引きずり、去っていく……。フォスター家というのは伯爵家で代々王宮魔道士を排出している名家らしい。トトとテテは異色だったらしいが、フォスター家当主はその才能を認め、伸ばすため学園に入れたらしい。
皆がいなくなり、私はポイポイッとドレスや靴を脱ぎ捨てて行く。はー、スッキリ。やっぱり合わないわ。身軽になり、ホッとした。右腕の黒い紋様は気になるものの、ベットに疲れて寝転ぶ。
なにかあった瞬間が私のチャンスだわと思っていたが……まさか皆が心配して来てくれると思わなくて、嬉しかった。
「フフッ」
嬉しくて笑い声が出た。
フカフカのベットに寝転び、安心したせいかすぐに深い眠りへと沈んでいった。
王宮の夜が更けていく。
目が覚めたのは深夜だった。暗い部屋に気配を感じた。思わず魔法の明かりを使用しようとしたが、使えないことに気づく。
……なんだろう?この気配。嫌な感じではないが畏怖のようなものを感じる。
部屋の隅からヒタヒタという近づく足音。
ぞっとして目を凝らす……。
こっ!これはーー!!
「………かわいいっ!!おいで!」
黒猫だ!毛並みの良い、くるんとした目をしている。どことなく上品さがあるのは……この王宮で誰かが飼っているからだろうか?
「猫ちゃーん!迷子になったの?」
「妾を猫と呼ぶなっ!」
「空耳かなぁ?」
よしよーしとベットから飛び起きて撫でてやろうとしたがヒョイッと軽やかに避けられた。
「ちゃんと聞け!揃いも揃って失礼なやつらじゃの」
誰かと比べてる?私は姿勢を低くしてかわいい猫を眺めた。スリスリしたいがものすごく嫌がられそうなので、我慢する。
「なんて呼べばいいの?猫じゃないならなんなの?」
「アオ様と呼べ!」
「わかったわ!アオ!」
「アオさまと呼べと言ったであろう!?……ったく、似すぎであろう」
「お祖父様の知り合い?」
猫はフフンと少し得意げになる。
「知り合いではない!シンは……下僕じゃ!」
……たぶんお祖父様が聞いたら、違いますと言いそうだがとりあえず、あ、ハイと頷く。予想だけど、使い魔的な者なのかな?お祖父様、相当魔力があったらしいし。
「お祖父様がいなくなって、アオも寂しいわね」
ヨシヨシと撫でてやる。耳がピンと立つ。
「寂しくなどないわっ!」
「ハイハイ。どうする?私と一緒に来る?」
黒猫がアオが一瞬迷う素振りをした。
「そ、そうじゃのぅ……よし!しばしつきおうてやろう!」
お祖父様の使い魔はきっといきなり亡くなってしまい、寂しい思いをしていたのだろう。
「あー、そうじゃ、奇っ怪な述をかけられておるな。解いてやろう」
「は?」
アオは事もなげに私の右腕に気持ちいい肉球をぷにっと押し当てると黒い紋様は空気に溶けるように空中に浮かんで……スウッと消えた。
「すごい!」
ど、どうやった!?使い魔すごっ!
「そーであろう!フフン!アオ様をもっと褒め称えよ!」
「アオ、すごいわねー!」
よしよしよーしといっぱい撫でてやる。
「待て!?さっきから猫扱いしておるだろう!?」
……ドサクサに紛れてナデナデ、スリスリを堪能しようとしたのがバレた。
「気のせいよ!さあっ!一緒に寝ましょう」
かわいい毛玉と寝れる幸せよ!!ポンポンとベットを叩いて誘う。アオは納得いかない感じを見せつつも素直になれない私の傍で眠った。
はー、ふかふか毛並みかわいい!と撫でて幸せを感じつつ、二度寝した。
おはよー!と私が明るく言うとリヴィオとジーニーもおう!おはよ!と清々しい様子であった。トトとテテも帰る準備万端のようだ。
「呪いが消えた!?」
ジーニーが驚く。呪いを解く難しさを彼もまた知識の中で知っていたのだ。
「おまえ、すげーな」
リヴィオがよしよしとアオを撫でようとするとペチッと手を振り払われる。
「猫扱いすんなし!この『黒猫』がっ!」
「俺のこと知ってるのか?……おい。おまえのほうが猫だぞ?」
「なんでも知っておるわ。猫ではない!失礼な。妾のことはアオ様と呼べ!」
アオとリヴィオのやりとりは永遠に続きそうだった。
「帰ろーなのだー」
「王宮は気を使うのだー」
トトとテテが飽きてきたようなので、さっさと帰ろうとする……。
「ゼイン殿下がすまなかったな」
見送りにきたのはカムパネルラ公爵、女王陛下だった。
「へ、陛下!?」
私が驚くと陛下が申し訳無さそうに笑う。
「どうも王の器ではないといじけて育ってしまってな……ワガママを許し、甘やかしすぎたようじゃ。少し鍛え直すことにする」
「騒ぎに巻き込んでしまってすまなかった」
女王陛下や宰相が謝るところではなかったが……。
「少し指導しておきましたから」
にっこり微笑むジーニー。
「そういえは、昨夜、ゼイン殿下の部屋や騎士団の詰め所が騒がしかったような……」
「気のせいですよ。ただのじゃれ合いです」
カムパネルラ公爵がおまえら二人は……と呆れている。陛下は苦笑して言う。
「よい。昨夜の騒ぎは不問とする」
どうも二人で乗り込んで暴れてきた模様だ。ジーニーはいえいえ、ほんの挨拶をしただけですよと言い張る。
「ゼイン殿下よりの者たちを粛清してやったのだ」
「兄様にもお灸を据えてやったのだ」
「ゼイン殿下もなんか声上げていたのだ」
「しかたないのだ!やらかしちゃったのだー」
……トトとテテが小声で不穏なことを言っている。……聞こえない聞こえないっと。頬に一筋の汗。
「じゃあ、帰ります」
さっさと退散しよう。私がそう言うとアオがポンッと肩にのる。その瞬間、陛下の顔色が変わった。
「黒猫……?シン=バシュレがいつも連れていた猫と似ている……」
アオは答えない。ただ女王陛下をジッと見据える。カムパネルラ公爵も興味深く見ている。
お祖父様が?猫好きだったかな。
「私、黒猫には縁があるようです」
「確かに!」
「間違いないのだ!」
「懐かれやすいのだ!」
私の冗談に笑うジーニー、トトとテテ。
リヴィオは俺のことかよ!と言っている。
「それでは……」
私は膝を折って礼をとると転移魔法を描き出す。
「めんどくさいのぅ。一度に送ってやるわ」
「えっ?」
私達5人をアオが一瞬で呪文も術式もなく、転移魔法で連れていった。
眼の前には馴染みのある屋敷、旅館の見えるナシュレ。行き場所も把握していたようだ。
「何者だよ」
リヴィオがアオの首根っこを抑える。バタバタするアオ。
「こら!乱暴しないのよ」
私は慌てて、アオをかかえ、ガキ大将リヴィオから受け取る。
「おぬし!失礼過ぎるわっ!」
「そーか?怪しいだろ。セイラを守るのか?何しにきた?」
「フフン!当分はセイラを守ってやろうではないか!ありがたくおもえ!……契約も無しに妾の気まぐれだぞ。破格のことじゃぞっ」
「なんだかいちいち偉そうな猫だな」
なんじゃとー!と怒るアオ。……リヴィオとアオは合わない。猫同士の縄張り争いを見ているようだ。
「さー、解散解散!皆、仕事あるだろう」
ジーニーが声をかける。トトとテテもそうだねーと工房へ行こうとする。その背中に私は慌てて言う。
「あのっ!皆……ありがとうね。助けにきてくれて!」
目を丸くしてこちらを見る4人の目。
「何いってんだ?護衛である、オレのミスだ」
「いいや、こんなことがあると予測できたはずだった」
「気にしないのだー。久しぶりに兄様に会えたのだ」
「セイラにはいつもお世話になってるのだっ!」
4人はそれぞれに言い、笑った。……今度皆がピンチの時は私も絶対に駆けつけることを心の中で誓った。
さー!今日も頑張るぞー!私は旅館の方へ向かって歩きだした。
「おまえか?これをセイラにかけたのは?」
トトとテテの兄という彼はヒィィィと言いながら壁際へ下がっていく。ダンッ!と壁を突き破りそうなくらい蹴りを彼の横へ入れた。パラパラと落ちる壁……。
「ゼイン殿下のところへ行く」
「やるか」
やばいです……ジーニーも止めず感情をコントロールすることに長けている彼すら低い声でそう言う。二人で殴り込み……学園時代を思い出すが、ここは学園ではないのだ!!
「落ち着くのだーっ!」
「バカ兄貴、さっさと解呪するのだー!」
トトとテテがリヴィオとジーニーを落ち着かせる。このままでは本気でズタボロにしかねない。
「できない」
「はあああ!?ふざけてんの!?」
胸ぐらを思わず掴む私。トトとテテも呆れたように、セイラやっちゃってと兄を売る。
「ちょっ、ちょっと待って。私も前にこの術が記されている本を学園の図書館で読んだのよね……そう……解呪の方法……」
……ない。呪いというのは難しいのだ。かけるのは割と簡単なのに複雑に入り組んだパズルを解いていくに等しくてかけるよりも解く方が難解で力がいるのである。ケーキを作って元の材料に戻すということができないように。
……って書いてあった気がするうううう!!
私は頭を抱える。温泉旅館をしているだけなら、さほど魔法を使う機会などないのだから、落ち着け私。
「皆さん、お部屋のご用意できました」
各自の部屋へ行くように侍女が言う。リヴィオはその前に精算してこねーとな。…とスタスタとどこかへ消えていく。ジーニーが一緒に行くとついていく。
トトとテテはガシッと兄を引きずり、去っていく……。フォスター家というのは伯爵家で代々王宮魔道士を排出している名家らしい。トトとテテは異色だったらしいが、フォスター家当主はその才能を認め、伸ばすため学園に入れたらしい。
皆がいなくなり、私はポイポイッとドレスや靴を脱ぎ捨てて行く。はー、スッキリ。やっぱり合わないわ。身軽になり、ホッとした。右腕の黒い紋様は気になるものの、ベットに疲れて寝転ぶ。
なにかあった瞬間が私のチャンスだわと思っていたが……まさか皆が心配して来てくれると思わなくて、嬉しかった。
「フフッ」
嬉しくて笑い声が出た。
フカフカのベットに寝転び、安心したせいかすぐに深い眠りへと沈んでいった。
王宮の夜が更けていく。
目が覚めたのは深夜だった。暗い部屋に気配を感じた。思わず魔法の明かりを使用しようとしたが、使えないことに気づく。
……なんだろう?この気配。嫌な感じではないが畏怖のようなものを感じる。
部屋の隅からヒタヒタという近づく足音。
ぞっとして目を凝らす……。
こっ!これはーー!!
「………かわいいっ!!おいで!」
黒猫だ!毛並みの良い、くるんとした目をしている。どことなく上品さがあるのは……この王宮で誰かが飼っているからだろうか?
「猫ちゃーん!迷子になったの?」
「妾を猫と呼ぶなっ!」
「空耳かなぁ?」
よしよーしとベットから飛び起きて撫でてやろうとしたがヒョイッと軽やかに避けられた。
「ちゃんと聞け!揃いも揃って失礼なやつらじゃの」
誰かと比べてる?私は姿勢を低くしてかわいい猫を眺めた。スリスリしたいがものすごく嫌がられそうなので、我慢する。
「なんて呼べばいいの?猫じゃないならなんなの?」
「アオ様と呼べ!」
「わかったわ!アオ!」
「アオさまと呼べと言ったであろう!?……ったく、似すぎであろう」
「お祖父様の知り合い?」
猫はフフンと少し得意げになる。
「知り合いではない!シンは……下僕じゃ!」
……たぶんお祖父様が聞いたら、違いますと言いそうだがとりあえず、あ、ハイと頷く。予想だけど、使い魔的な者なのかな?お祖父様、相当魔力があったらしいし。
「お祖父様がいなくなって、アオも寂しいわね」
ヨシヨシと撫でてやる。耳がピンと立つ。
「寂しくなどないわっ!」
「ハイハイ。どうする?私と一緒に来る?」
黒猫がアオが一瞬迷う素振りをした。
「そ、そうじゃのぅ……よし!しばしつきおうてやろう!」
お祖父様の使い魔はきっといきなり亡くなってしまい、寂しい思いをしていたのだろう。
「あー、そうじゃ、奇っ怪な述をかけられておるな。解いてやろう」
「は?」
アオは事もなげに私の右腕に気持ちいい肉球をぷにっと押し当てると黒い紋様は空気に溶けるように空中に浮かんで……スウッと消えた。
「すごい!」
ど、どうやった!?使い魔すごっ!
「そーであろう!フフン!アオ様をもっと褒め称えよ!」
「アオ、すごいわねー!」
よしよしよーしといっぱい撫でてやる。
「待て!?さっきから猫扱いしておるだろう!?」
……ドサクサに紛れてナデナデ、スリスリを堪能しようとしたのがバレた。
「気のせいよ!さあっ!一緒に寝ましょう」
かわいい毛玉と寝れる幸せよ!!ポンポンとベットを叩いて誘う。アオは納得いかない感じを見せつつも素直になれない私の傍で眠った。
はー、ふかふか毛並みかわいい!と撫でて幸せを感じつつ、二度寝した。
おはよー!と私が明るく言うとリヴィオとジーニーもおう!おはよ!と清々しい様子であった。トトとテテも帰る準備万端のようだ。
「呪いが消えた!?」
ジーニーが驚く。呪いを解く難しさを彼もまた知識の中で知っていたのだ。
「おまえ、すげーな」
リヴィオがよしよしとアオを撫でようとするとペチッと手を振り払われる。
「猫扱いすんなし!この『黒猫』がっ!」
「俺のこと知ってるのか?……おい。おまえのほうが猫だぞ?」
「なんでも知っておるわ。猫ではない!失礼な。妾のことはアオ様と呼べ!」
アオとリヴィオのやりとりは永遠に続きそうだった。
「帰ろーなのだー」
「王宮は気を使うのだー」
トトとテテが飽きてきたようなので、さっさと帰ろうとする……。
「ゼイン殿下がすまなかったな」
見送りにきたのはカムパネルラ公爵、女王陛下だった。
「へ、陛下!?」
私が驚くと陛下が申し訳無さそうに笑う。
「どうも王の器ではないといじけて育ってしまってな……ワガママを許し、甘やかしすぎたようじゃ。少し鍛え直すことにする」
「騒ぎに巻き込んでしまってすまなかった」
女王陛下や宰相が謝るところではなかったが……。
「少し指導しておきましたから」
にっこり微笑むジーニー。
「そういえは、昨夜、ゼイン殿下の部屋や騎士団の詰め所が騒がしかったような……」
「気のせいですよ。ただのじゃれ合いです」
カムパネルラ公爵がおまえら二人は……と呆れている。陛下は苦笑して言う。
「よい。昨夜の騒ぎは不問とする」
どうも二人で乗り込んで暴れてきた模様だ。ジーニーはいえいえ、ほんの挨拶をしただけですよと言い張る。
「ゼイン殿下よりの者たちを粛清してやったのだ」
「兄様にもお灸を据えてやったのだ」
「ゼイン殿下もなんか声上げていたのだ」
「しかたないのだ!やらかしちゃったのだー」
……トトとテテが小声で不穏なことを言っている。……聞こえない聞こえないっと。頬に一筋の汗。
「じゃあ、帰ります」
さっさと退散しよう。私がそう言うとアオがポンッと肩にのる。その瞬間、陛下の顔色が変わった。
「黒猫……?シン=バシュレがいつも連れていた猫と似ている……」
アオは答えない。ただ女王陛下をジッと見据える。カムパネルラ公爵も興味深く見ている。
お祖父様が?猫好きだったかな。
「私、黒猫には縁があるようです」
「確かに!」
「間違いないのだ!」
「懐かれやすいのだ!」
私の冗談に笑うジーニー、トトとテテ。
リヴィオは俺のことかよ!と言っている。
「それでは……」
私は膝を折って礼をとると転移魔法を描き出す。
「めんどくさいのぅ。一度に送ってやるわ」
「えっ?」
私達5人をアオが一瞬で呪文も術式もなく、転移魔法で連れていった。
眼の前には馴染みのある屋敷、旅館の見えるナシュレ。行き場所も把握していたようだ。
「何者だよ」
リヴィオがアオの首根っこを抑える。バタバタするアオ。
「こら!乱暴しないのよ」
私は慌てて、アオをかかえ、ガキ大将リヴィオから受け取る。
「おぬし!失礼過ぎるわっ!」
「そーか?怪しいだろ。セイラを守るのか?何しにきた?」
「フフン!当分はセイラを守ってやろうではないか!ありがたくおもえ!……契約も無しに妾の気まぐれだぞ。破格のことじゃぞっ」
「なんだかいちいち偉そうな猫だな」
なんじゃとー!と怒るアオ。……リヴィオとアオは合わない。猫同士の縄張り争いを見ているようだ。
「さー、解散解散!皆、仕事あるだろう」
ジーニーが声をかける。トトとテテもそうだねーと工房へ行こうとする。その背中に私は慌てて言う。
「あのっ!皆……ありがとうね。助けにきてくれて!」
目を丸くしてこちらを見る4人の目。
「何いってんだ?護衛である、オレのミスだ」
「いいや、こんなことがあると予測できたはずだった」
「気にしないのだー。久しぶりに兄様に会えたのだ」
「セイラにはいつもお世話になってるのだっ!」
4人はそれぞれに言い、笑った。……今度皆がピンチの時は私も絶対に駆けつけることを心の中で誓った。
さー!今日も頑張るぞー!私は旅館の方へ向かって歩きだした。
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