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花火消えたるあとの星
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トトとテテがジェットバス最高!と泡で白い湯船のところでずっと入っている。
「水圧がいい感じに腰が気持ちいいのだ!発明してると体が凝るのだー」
「泡を掴むのだー!」
ジェットバスが終わったと思ったら、次は滝のところへ行き、頭からバババッとお湯にうたれている。
「修行なのだーっ!」
「精神統一なのだっ!」
「ま、まさかっ!?トトとテテ、修行って!?忍者なの!?」
私の驚きに二人は首を傾げる。
「ニンジャってなんなのだ?」
「上から水が落ちてくれば、打たれたくなるだけなのだ」
びっくりした!私はマジマジと二人を見た。この滝にうたれて修行って……つい小学生男子がやっちゃうやつ、世界共通なのねー。
トトとテテも転生者なのかと思った。
「『海鳴亭』のお風呂気に入ったのだ」
「楽しすぎるのだ!」
良かったわと微笑む。
「トトとテテには多大な協力をしてもらったもの。ホントにありがとう。ここまで私のイメージが実現するとは思わなかったわ」
『我らは楽しいことしかしないのだっ!』
おかまいなくとケラケラと楽しそうに笑う。
「カモメが飛んできたのだ!」
窓ガラスの外の手すりにとまるカモメ。太り気味なのは近くの漁港で魚にありついているからに違いない。
「かわいーのだー!」
「ほんと!可愛いわね」
少し塩の香りのするお風呂に浸かりながら、海とカモメを眺めてほんわかとした気持ちになる。
今日は予約のお客さんが少ないので、『海鳴亭』完成後に初めて、4人を誘ってお風呂に入りに来た。
都合を無理やりつけたリヴィオとイベントにはやってくるジーニーもいる。男湯からあがってきた。
「デスクワークで凝った腰と肩にジェットバスいいな」
そういうジーニーにトトとテテが『同じこと言わないのだ!』と難色を示している。
「オレはやっぱりサウナだな!」
どの温泉でもサウナは必須なのね……とリヴィオのサウナ好きはブレなかった。
旅館の中をうろうろ見て回る。まずは一階の玄関近くに並んだお店たち。
「売店が4店舗!?」
驚くジーニー。そうよと私は頷いた。
サニーサンデーのアイスクリーム屋さんは外の海水浴客も来れるように外とも繋がっている。
次は地酒や地元の食材などを売っているお店。ナシュレ、スタンウェル鉱山の物も売っている。ナシュレ産の野菜のピクルスやジャムの瓶詰めは好評である。
3店舗目は宿泊に必要なものを忘れたときに買う雑貨のお店。下着を忘れても安心してください。
4店舗目はお土産コーナー。温泉まんじゅう、クッキー、せんべい、キャンディー、チョコレートなどやハーブの石鹸、入浴剤など。
ここには、サニーちゃん、カミナリどん、ゆきんこちゃんグッズも揃えてあり、購入可能です。
4人はしばらくお見せを見て回る。トトとテテがお土産コーナーで♨マークのハンカチを買っている。まさか社交界のパーティーで使わないよね?
ジーニーは地酒を買って、夜な夜な仕事後に飲もうと言い、ニヤリとしている。
「むっ!我らもお酒を買っておくのだ」
「けっこうお酒の種類がそろってるのだ!」
お酒好きな双子ちゃんは物色してそういう。
私も何か買っていこうかな?とお酒を眺めると、リヴィオが一言釘を刺す。
「セイラはやめとけよ。それか度数低めのにしろよ!?そこの酒飲みの双子と自分を一緒にするなよ!?」
「お酒となると……なんかやけに真剣になるわねぇ」
「なるだろっ!」
私はなにかあるの?と首を傾げつつ、反対されてまでは飲みたくないので、りんごサイダーにしておいた。
少し早めの夕飯を一室でとる。レイチェルの料理は和食と王都の料理の融合で新しいけど馴染みのある料理になっているとジーニーが評した。
「海鳴亭けっこういいな。花葉亭とは似ているが違うように作ったんだな」
今日、過ごしてみての感想をリヴィオが言う。
「そうよ。客層を変えてもいいかなと思ったの」
海鳴亭は観光地の大型の旅館をイメージして作った。ファミリー層でも泊まりやすく、また気軽に宿泊だけでなく、王都から近いので、お茶会、パーティーなど集まる場として利用してもらえるといいなぁと思った。
花葉亭や鉱山温泉は昔ながらの伝統ある旅館で落ち着いた佇まいにしている。
デザートのカスタードプリンとフルーツの盛り合わせを食べて、ゆっくりお茶を飲んだところで私は立ち上がる。
「そろそろね……さて、最後にお風呂へかるーく入って帰りましょう。二階の露天風呂に入ってね」
「一階じゃなくて、二階の方へ入れって指定なのか?」
リヴィオが尋ねる。私はフフッと笑い、そうよと頷いた。
何があるんだ?と男湯へリヴィオとジーニーは消えて聞き、私達も女湯の露天風呂へ行く。
「なにがあるのだ?」
「お風呂にさっきと変わりはないのだ」
トトとテテがそう言うと私はこっちよーと暗い海が眼前に広がっている眺めの良い方へ誘う。夜なのでまったく海の景色は見えないが………。
そろそろね……。
ヒューッと音がしてパッと明るくなる。夜空にキラキラと赤や青の花が広がった。
ドーンと重い音が響く。
『うわあ!!!』
トトとテテが歓声をあげた。それと同時に2発、3発と花火が空に広がる。
「きれいなのだっ!」
「お風呂入りながら花火をみるのはすごいのだ!」
はしゃぐ二人。喜んでもらえたようで、私もホッとした。
男湯の二人も楽しんでくれているだろうか?
日頃どころか、ずっとお世話になってる4人をもてなしなくて考えていたのだ。新しい旅館ができたら招待しようと。
『セイラ!ありがとーなのだっ!』
私の意図に気づいて抱きついてくる双子ちゃん。3人で並んで花火をしばし楽しんだのだった。
花火が終わった後の海は静けさを取り戻し、少しさびしげだったが……。
閑けさや 花火消えたる あとの星 である。
キラキラと星が空には瞬いていた。
「水圧がいい感じに腰が気持ちいいのだ!発明してると体が凝るのだー」
「泡を掴むのだー!」
ジェットバスが終わったと思ったら、次は滝のところへ行き、頭からバババッとお湯にうたれている。
「修行なのだーっ!」
「精神統一なのだっ!」
「ま、まさかっ!?トトとテテ、修行って!?忍者なの!?」
私の驚きに二人は首を傾げる。
「ニンジャってなんなのだ?」
「上から水が落ちてくれば、打たれたくなるだけなのだ」
びっくりした!私はマジマジと二人を見た。この滝にうたれて修行って……つい小学生男子がやっちゃうやつ、世界共通なのねー。
トトとテテも転生者なのかと思った。
「『海鳴亭』のお風呂気に入ったのだ」
「楽しすぎるのだ!」
良かったわと微笑む。
「トトとテテには多大な協力をしてもらったもの。ホントにありがとう。ここまで私のイメージが実現するとは思わなかったわ」
『我らは楽しいことしかしないのだっ!』
おかまいなくとケラケラと楽しそうに笑う。
「カモメが飛んできたのだ!」
窓ガラスの外の手すりにとまるカモメ。太り気味なのは近くの漁港で魚にありついているからに違いない。
「かわいーのだー!」
「ほんと!可愛いわね」
少し塩の香りのするお風呂に浸かりながら、海とカモメを眺めてほんわかとした気持ちになる。
今日は予約のお客さんが少ないので、『海鳴亭』完成後に初めて、4人を誘ってお風呂に入りに来た。
都合を無理やりつけたリヴィオとイベントにはやってくるジーニーもいる。男湯からあがってきた。
「デスクワークで凝った腰と肩にジェットバスいいな」
そういうジーニーにトトとテテが『同じこと言わないのだ!』と難色を示している。
「オレはやっぱりサウナだな!」
どの温泉でもサウナは必須なのね……とリヴィオのサウナ好きはブレなかった。
旅館の中をうろうろ見て回る。まずは一階の玄関近くに並んだお店たち。
「売店が4店舗!?」
驚くジーニー。そうよと私は頷いた。
サニーサンデーのアイスクリーム屋さんは外の海水浴客も来れるように外とも繋がっている。
次は地酒や地元の食材などを売っているお店。ナシュレ、スタンウェル鉱山の物も売っている。ナシュレ産の野菜のピクルスやジャムの瓶詰めは好評である。
3店舗目は宿泊に必要なものを忘れたときに買う雑貨のお店。下着を忘れても安心してください。
4店舗目はお土産コーナー。温泉まんじゅう、クッキー、せんべい、キャンディー、チョコレートなどやハーブの石鹸、入浴剤など。
ここには、サニーちゃん、カミナリどん、ゆきんこちゃんグッズも揃えてあり、購入可能です。
4人はしばらくお見せを見て回る。トトとテテがお土産コーナーで♨マークのハンカチを買っている。まさか社交界のパーティーで使わないよね?
ジーニーは地酒を買って、夜な夜な仕事後に飲もうと言い、ニヤリとしている。
「むっ!我らもお酒を買っておくのだ」
「けっこうお酒の種類がそろってるのだ!」
お酒好きな双子ちゃんは物色してそういう。
私も何か買っていこうかな?とお酒を眺めると、リヴィオが一言釘を刺す。
「セイラはやめとけよ。それか度数低めのにしろよ!?そこの酒飲みの双子と自分を一緒にするなよ!?」
「お酒となると……なんかやけに真剣になるわねぇ」
「なるだろっ!」
私はなにかあるの?と首を傾げつつ、反対されてまでは飲みたくないので、りんごサイダーにしておいた。
少し早めの夕飯を一室でとる。レイチェルの料理は和食と王都の料理の融合で新しいけど馴染みのある料理になっているとジーニーが評した。
「海鳴亭けっこういいな。花葉亭とは似ているが違うように作ったんだな」
今日、過ごしてみての感想をリヴィオが言う。
「そうよ。客層を変えてもいいかなと思ったの」
海鳴亭は観光地の大型の旅館をイメージして作った。ファミリー層でも泊まりやすく、また気軽に宿泊だけでなく、王都から近いので、お茶会、パーティーなど集まる場として利用してもらえるといいなぁと思った。
花葉亭や鉱山温泉は昔ながらの伝統ある旅館で落ち着いた佇まいにしている。
デザートのカスタードプリンとフルーツの盛り合わせを食べて、ゆっくりお茶を飲んだところで私は立ち上がる。
「そろそろね……さて、最後にお風呂へかるーく入って帰りましょう。二階の露天風呂に入ってね」
「一階じゃなくて、二階の方へ入れって指定なのか?」
リヴィオが尋ねる。私はフフッと笑い、そうよと頷いた。
何があるんだ?と男湯へリヴィオとジーニーは消えて聞き、私達も女湯の露天風呂へ行く。
「なにがあるのだ?」
「お風呂にさっきと変わりはないのだ」
トトとテテがそう言うと私はこっちよーと暗い海が眼前に広がっている眺めの良い方へ誘う。夜なのでまったく海の景色は見えないが………。
そろそろね……。
ヒューッと音がしてパッと明るくなる。夜空にキラキラと赤や青の花が広がった。
ドーンと重い音が響く。
『うわあ!!!』
トトとテテが歓声をあげた。それと同時に2発、3発と花火が空に広がる。
「きれいなのだっ!」
「お風呂入りながら花火をみるのはすごいのだ!」
はしゃぐ二人。喜んでもらえたようで、私もホッとした。
男湯の二人も楽しんでくれているだろうか?
日頃どころか、ずっとお世話になってる4人をもてなしなくて考えていたのだ。新しい旅館ができたら招待しようと。
『セイラ!ありがとーなのだっ!』
私の意図に気づいて抱きついてくる双子ちゃん。3人で並んで花火をしばし楽しんだのだった。
花火が終わった後の海は静けさを取り戻し、少しさびしげだったが……。
閑けさや 花火消えたる あとの星 である。
キラキラと星が空には瞬いていた。
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