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一人の力では成し得ない
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破壊されたナシュレの街はすばやい再建をしていく。私は驚いて、すごいと呟くとリヴィオが得意そうにフフンと笑う。
「役所をきちんと動かせば、こんなものだ。人材と物資の確保、交通の利便性、潤沢な資金……普段から揃えてあって、できることだけどな!」
「領主の仕事どころか、宰相の才能まであるんじゃないの?」
彼の父、ハリーの顔が思い浮かんだ。リヴィオもそのことに気付き、やめろと微妙な表情になった。
ナシュレに王宮魔道士や騎士団からも警護に来てくれることになったり、周辺に結界の石を埋め込むという方法を教えて貰ってしてみたりし、なんとか女王陛下から帰って良いと許可を得た。
「あっ!セイラなのだー!」
「おかえりなのだっ!」
トトとテテがギューーーッと抱きついてきた。ただいま!というと二人共、見るのだ!と街に突如現れた物を指さす。思わず、私とリヴィオはフリーズした。
「……………えっと。これガン○ム?」
「言いたいことはわかる。だが、トトとテテには理解不能な言語だぞ?」
リヴィオが突っ込む。そこにあったのは、ドーーーーンと立っている、巨大なからくり人形だった。見上げると青い空に映える。
「兵器は作らない主義じゃないの?」
私が困ったように言うと双子ちゃんは笑う。
「これが兵器に見えるとは!まだまだなのだっ!」
え………?
「いくのだ!からくり人形28号っ!」
ガションッと音がして目が光る。サーチライト?
「目は魔物をサーチするのだ」
「腕は飛び出すと、檻のようになり、魔物を捕獲するのだ」
「このお腹辺りは脱出用のシェルターに変形するのだ」
足のところは……と説明を聞いているうちにリヴィオが額に手を当てる。
「おい……おまえら、静かにこんなもん作ってたのか?最近、静かだと思っていたら」
「こんなものとはなんなのだ!」
「魔物の話を聞いてから、いずれこんな日がくるかもしれないと予測していたのだ!」
「おまえらが!?」
リヴィオがトトとテテの先見の明に驚く。
「天才発明家に不可能はないのだっ!」
そうふんぞり返る双子ちゃん。後ろからジーニーがおいおい……と言ってやってきた。
「いや、僕が二人にそんな日が来るかもしれないから、なにか良い発明品を考えてくれと頼んだんだ。まぁ、僕も知識の塔の賢者たちに二人が動くことで、もしかしてナシュレにもなにか起こるかもしれないと忠告されていたからなんだ」
知識の塔は相変わらず千里眼である。
「でも考えてくれてありがとう。心強いわ」
『どういたしましてなのだっ!』
お台場のガン○ムみたいなのが、ナシュレに登場してしまったけど……まぁ、いいか。新しい観光名所になりそうだ。子どもたちはすでに、からくり人形の足元でキャーキャーと言って楽しそうに駆け回っている。
「セイラ様!ご無事でしたか!?」
「姿が見えなかったので、心配してました」
「みてください!ナシュレはちゃーんと再建しますよっ!」
「皆でやればすぐだ!」
アハハハッと笑うナシュレの人々。私達に気づいて駆け寄ってきてくれた。
「みんな……本当に本当にありがとう!」
私は心から思った。この地に住む人達が大好きだと。
「セイラ様がきて、賑やかになったし、面白いイベントをしてくれるし……」
「温泉で疲れもとれるし、生活もグッと良くなったし……」
「こちらこそ、礼を言いたい!」
私が泣き出しそうな顔をしたのをリヴィオは気づいて、ポンポンと頭を叩く。
「セイラ、自分を責めるなよ。今までしてきたことやセイラがみんなを思う気持ちは、ちゃんと人々の心に届いている」
うん……と声にならない声を私は出したのだった。
「役所をきちんと動かせば、こんなものだ。人材と物資の確保、交通の利便性、潤沢な資金……普段から揃えてあって、できることだけどな!」
「領主の仕事どころか、宰相の才能まであるんじゃないの?」
彼の父、ハリーの顔が思い浮かんだ。リヴィオもそのことに気付き、やめろと微妙な表情になった。
ナシュレに王宮魔道士や騎士団からも警護に来てくれることになったり、周辺に結界の石を埋め込むという方法を教えて貰ってしてみたりし、なんとか女王陛下から帰って良いと許可を得た。
「あっ!セイラなのだー!」
「おかえりなのだっ!」
トトとテテがギューーーッと抱きついてきた。ただいま!というと二人共、見るのだ!と街に突如現れた物を指さす。思わず、私とリヴィオはフリーズした。
「……………えっと。これガン○ム?」
「言いたいことはわかる。だが、トトとテテには理解不能な言語だぞ?」
リヴィオが突っ込む。そこにあったのは、ドーーーーンと立っている、巨大なからくり人形だった。見上げると青い空に映える。
「兵器は作らない主義じゃないの?」
私が困ったように言うと双子ちゃんは笑う。
「これが兵器に見えるとは!まだまだなのだっ!」
え………?
「いくのだ!からくり人形28号っ!」
ガションッと音がして目が光る。サーチライト?
「目は魔物をサーチするのだ」
「腕は飛び出すと、檻のようになり、魔物を捕獲するのだ」
「このお腹辺りは脱出用のシェルターに変形するのだ」
足のところは……と説明を聞いているうちにリヴィオが額に手を当てる。
「おい……おまえら、静かにこんなもん作ってたのか?最近、静かだと思っていたら」
「こんなものとはなんなのだ!」
「魔物の話を聞いてから、いずれこんな日がくるかもしれないと予測していたのだ!」
「おまえらが!?」
リヴィオがトトとテテの先見の明に驚く。
「天才発明家に不可能はないのだっ!」
そうふんぞり返る双子ちゃん。後ろからジーニーがおいおい……と言ってやってきた。
「いや、僕が二人にそんな日が来るかもしれないから、なにか良い発明品を考えてくれと頼んだんだ。まぁ、僕も知識の塔の賢者たちに二人が動くことで、もしかしてナシュレにもなにか起こるかもしれないと忠告されていたからなんだ」
知識の塔は相変わらず千里眼である。
「でも考えてくれてありがとう。心強いわ」
『どういたしましてなのだっ!』
お台場のガン○ムみたいなのが、ナシュレに登場してしまったけど……まぁ、いいか。新しい観光名所になりそうだ。子どもたちはすでに、からくり人形の足元でキャーキャーと言って楽しそうに駆け回っている。
「セイラ様!ご無事でしたか!?」
「姿が見えなかったので、心配してました」
「みてください!ナシュレはちゃーんと再建しますよっ!」
「皆でやればすぐだ!」
アハハハッと笑うナシュレの人々。私達に気づいて駆け寄ってきてくれた。
「みんな……本当に本当にありがとう!」
私は心から思った。この地に住む人達が大好きだと。
「セイラ様がきて、賑やかになったし、面白いイベントをしてくれるし……」
「温泉で疲れもとれるし、生活もグッと良くなったし……」
「こちらこそ、礼を言いたい!」
私が泣き出しそうな顔をしたのをリヴィオは気づいて、ポンポンと頭を叩く。
「セイラ、自分を責めるなよ。今までしてきたことやセイラがみんなを思う気持ちは、ちゃんと人々の心に届いている」
うん……と声にならない声を私は出したのだった。
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