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気持ちを探る王

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 どういうことだと思う?そうセオドアとエリック、アナベルを呼んでオレは尋ねる。三人は顔を見合わせ、その中で、アナベルがおそれながらと口を開いた。

「お嬢様は今まで、エイルシア王国の中での陛下しか存じていませんでした。それも一年半ほど前に仲の良いご学友であった陛下が王であったことに気付いたばかり……気持ちがうまくついていっていないのかと思われます」

 優しく言ってくれているが、つまり急すぎたというわけだろうか?確かにいろいろあった。

「エイルシア王国の中では、まだ陛下のことは親しみやすい存在であったのでしょうが、ここの方々から後宮について聞いたり、陛下の評判を聞いたりし、悩んでいた雰囲気ではありました」

「オレの評判?なんだろう?」

 エリックがププッと噴出した。

「なんだ!?なに笑ってるんだ!?」

 なぜ笑う!?エリックがアハハと笑いを我慢できずに爆笑しだす。

「いやぁ。陛下は思っている以上にモテてるんですよ。そんな中で嫉妬や羨望の中でリアン様が不安に思ってしまうこともあるのでは?」

「えっ!?モテなことなんてないぞ!?誰かに嫌がらせでもされたか!?リアンを不安にさせるやつは叩っ斬る!」

 リアンを悩ませるまで追い詰めたやつはどこだ!?とオレが苛立つとエリックがご自分ですよとオレを指さす。え?オレなの?

「二人とも頭は良いし、国のことならなんでもやっちゃうのに、恋愛となるとどうしてこうなんですかねぇ?」

「エリック、口がすぎるぞ。陛下とリアン様が恋愛下手なのは今に始まったことではない」

 そうエリックに返すセオドアの言葉が一番失礼だけどな。

「陛下の愛が伝わってないんじゃないですか?これくらいで揺らいじゃうなんてねぇ?」

 エリックは可愛い顔をしているが、女の扱いに関してはオレの知ってる中では一番上手いから言い返せないし、そうなのか?と納得してしまう。けっこうリアンのこと大事にしてると思うんだけどなぁ?

「あの……実はユクドールの後宮にはたくさんの王妃様がいらしてて、それが当たり前のことだと見て感じられ、リアン様は陛下の想い一つだけで動かされる運命に怖くなったのかもしれません」

「それはつまり、オレが他の女性を好きになって、リアン以外の王妃を寵愛し、リアンのことをいらなくなってしまうことが怖いってことか!?」

 アナベルがそうですとうなずいた。

 へぇ~とオレは笑った。エリックとセオドアが怖い笑いをしないでくださいと顔を引きつらせた。

「ふーん……リアンはオレがどれだけリアンのこと好きか知らないし、疑ってるってことか。なるほどね」

「へ、陛下?」

「リアンのところへ行く」

「お、お待ちください!今、リアン様は後宮に招かれていて!後宮にはコンラッド様しか男性は入れません」

 オレはアナベル達の制止する声を無視する。リアンは甘い。オレがどれだけ君を待っていたか。王とバレてしまった時に離れる覚悟を決めていて、リアンが後宮にいることを選択してくれた時、どれほどうれしかったのか。知らないんだな。教えてやろう。そのオレの強い想いを。
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