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みんな同じ
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みんなおなじ
短編①
クラスメイトA「えーせんせー!私ブスミと隣の席やなんだけどー!」
クラスメイトB「ブスミと隣とかAちゃんかわいそーw」
教室内に笑い声が広がる。
担任「くじ引きで決まったんだ。文句言うなー。」
また、いつものように隣の席になるクラスメイトに嫌がられる。
机への落書きや教科書を破られたりゴミ箱に捨てられていたりは日常茶飯事だ。
カヤ「アユミ、あんな奴らのことなんて無視しとけばいいんだよ。移動教室いこ。」
『...うん、ありがとう。』
そんな中でも、カヤだけは私に優しくしてくれる。中学校に上がってから、ずっと仲のいい友達だ。
『ごめん、トイレ行ってくるから、先行ってて。』
カヤ「おっけー。」
誰かに見られると、また-
と思い、急いでトイレに行く。便座に座って、ふうとため息をついた時、
バッシャーン
突然上から水が降ってきた。
驚いてぱっと上を見上げると、A、Bが上から見下ろしていた。
クラスメイトB「あっれー、ブスミ、そんなビショビショにして、急いだけど間に合わなかったー?w」
クラスメイトA「うーわ、きったなー。掃除しときなよーw」
すぐに2人はどこかへ行った。
チャイムが鳴ったが、この制服では音楽の授業には行けない。私は、教室へ行った。
誰もいない教室で、びしょ濡れになった制服を脱ぎ、体操服に着替えてから、制服を絞って、職員室で「気分が悪いので早退する」と言って学校を出た。
2人ほどではないが。私に嫌がらせをするクラスメイトは少なくないし、他も多くが巻き込まれまいと私に冷たくする。みんな同じだ。
学校を出れば平和というわけでもない。家に帰れば、学校から早退の連絡を受けたお母さんが待っているから。
母「あんた、また早退したの?すぐ仮病なんて使って...。それに、また制服こんなにびしょ濡れにして...誰が洗うと思ってんの!?」
『お母さん、これは、Aちゃん達が...』
母「またそんなこと言って!あの子たちがそんなことするわけないじゃない!ママさんもしっかりしてる人たちで...」
これ以上何と言っても信じてくれそうにない。このやりとりも何度目かわからない。
お母さんだって、私の気持ちをわかってくれていない。みんなと同じだ。
ある日、学校の道徳の時間で、いじめについて話された。
先生「いいかー。いじめに遭ったり、見かけたりしたら、自分で解決しようとせずに、先生や大人に相談するんだ。」
...先生もそう言っているんだ。きっと、先生なら話せばわかってくれる...
そう思って、放課後に先生のところへ行った。
先生「どうした?随分暗い顔して。生活が明るくないと、勉強も捗らないぞー?」
と、明るい口調で話す。
この人なら、なんとかしてくれるかもしれない。そう思って、いじめに遭っているんじゃないかと告白した。
先生「なるほど、それは辛かっただろうな...」
やっぱり、先生は私の事をー
先生「でもな、勘違いってこともあるかもしれないぞ?あいつらだって、悪気があって言ってるんじゃないだろうし...。ほら、気になるんだったら本人達に聞いといてやるから。」
駄目だ。
そんな事をしたって何も変わらない。私が普段どう言われてるか、どんな事をされてるか見ているはずなのに、何もわかっていない。
いや、わかっていても他人事の様に流しているのかもしれない。だから、私に言われても気付かないのだ。
先生「それに、もしかしたらお前に何か非があるかもしれないだろ?何かあいつらに言っちゃったとかさ。」
『...ありがとうございました。考えてみます。』
先生「おうっ。気をつけて帰れよー。」
ガタガタガタとドアを閉めて、呆然と立ちすくんでいると、先生の独り言が聞こえた。
先生「はぁ~。いるんだよなぁ。ああいう被害妄想の強い奴が。」
先生も私の気持ちを考えてくれなかった。みんなと同じだ。
カヤ「ねー、昨日の放課後先生のとこ行ってたみたいだけど、なんかあったの?」
『ううん。出し忘れてたプリント提出しに行っただけ。』
カヤ「そっかぁ。」
やっぱり、カヤは私のただ一つの心の在りどころだ。いつも私に寄り添ってくれる。
カヤ「あ、ちょっとトイレ行ってくるねー。」
せかせかとトイレのほうに走っていくカヤを見て、私もなんだかトイレに行きたくなってきた。
カヤがいれば、あんまり派手なことはされないだろう。そう思って。
カヤの背中を追いかけると、トイレとは違う方に歩いていく。ついて行くと、そこにはAとBがいた。
A「カヤ、まだあいつに優しくしてんのー?」
カヤ「違うよー。最初の方にちょっと優しくしたら、向こうからウザいぐらいかまってくるだけーw」
B「はは、ひっどーいw」
それを聞いた時、私の中で何かが崩れる音がした。
ああ、カヤも、みんな...いっしょなんだ。
私はその場に倒れ込んだ。
目が覚めると、私はどこかのベッドにいた。
保健室...じゃない。
「あら、目が覚めました?」
誰かが優しい口調で話しかけてくる。視界がぼやけていて、顔はよく見えない。
「あ、起きてるー!!」
ドアの開く音と共に、聞き馴染みのある声が聞こえる。やっぱり顔はよく見えない。
「ほら、アユミ学校で倒れちゃったんだよー?私、先生に付き添ってやれって言われちゃってさーw」
壁を見ると、時計は11時を指していた。1時間目の後だったから、1時間以上倒れていたことになる。
ふと、疑問に思った。なんで壁にかかっている時計はちゃんと見えるのに、顔はぼんやりとしか見えないんだろう?
「おそらく寝不足でしょうねぇ。学校に連絡しておくので、とりあえず親御さんに迎えにきてもらいましょうかぁ。」
おじいさんのような、白衣の人にそう言われた。まだ顔だけがぼんやりと見える。
いや、顔が認識できないのだ。誰の顔を見ても、みんな同じようにのっぺらぼうのように見えている。
コートを着た人が入ってくる。
「あんた...学校で倒れたって?もう、せっかくいいところだったのに。ほら、帰るよ。」
同じ顔。
「ああ、お母さまですか。すみません、こちらの注意不足で...」
「いえ~、うちの子が悪いんですよ。きっと夜ふかしでもしてたんでしょうね。ほら、先生にあやまんなさい。」
同じ顔。
「しばらく休ませてあげてくださいねぇ。それと、今夜は早く寝るように伝えて下さい。お大事にぃ。」
「えー、私は今からまた学校戻るのー!?サボれると思ったのにー!」
特別な人なんていない。みんな、同じ。
短編①
クラスメイトA「えーせんせー!私ブスミと隣の席やなんだけどー!」
クラスメイトB「ブスミと隣とかAちゃんかわいそーw」
教室内に笑い声が広がる。
担任「くじ引きで決まったんだ。文句言うなー。」
また、いつものように隣の席になるクラスメイトに嫌がられる。
机への落書きや教科書を破られたりゴミ箱に捨てられていたりは日常茶飯事だ。
カヤ「アユミ、あんな奴らのことなんて無視しとけばいいんだよ。移動教室いこ。」
『...うん、ありがとう。』
そんな中でも、カヤだけは私に優しくしてくれる。中学校に上がってから、ずっと仲のいい友達だ。
『ごめん、トイレ行ってくるから、先行ってて。』
カヤ「おっけー。」
誰かに見られると、また-
と思い、急いでトイレに行く。便座に座って、ふうとため息をついた時、
バッシャーン
突然上から水が降ってきた。
驚いてぱっと上を見上げると、A、Bが上から見下ろしていた。
クラスメイトB「あっれー、ブスミ、そんなビショビショにして、急いだけど間に合わなかったー?w」
クラスメイトA「うーわ、きったなー。掃除しときなよーw」
すぐに2人はどこかへ行った。
チャイムが鳴ったが、この制服では音楽の授業には行けない。私は、教室へ行った。
誰もいない教室で、びしょ濡れになった制服を脱ぎ、体操服に着替えてから、制服を絞って、職員室で「気分が悪いので早退する」と言って学校を出た。
2人ほどではないが。私に嫌がらせをするクラスメイトは少なくないし、他も多くが巻き込まれまいと私に冷たくする。みんな同じだ。
学校を出れば平和というわけでもない。家に帰れば、学校から早退の連絡を受けたお母さんが待っているから。
母「あんた、また早退したの?すぐ仮病なんて使って...。それに、また制服こんなにびしょ濡れにして...誰が洗うと思ってんの!?」
『お母さん、これは、Aちゃん達が...』
母「またそんなこと言って!あの子たちがそんなことするわけないじゃない!ママさんもしっかりしてる人たちで...」
これ以上何と言っても信じてくれそうにない。このやりとりも何度目かわからない。
お母さんだって、私の気持ちをわかってくれていない。みんなと同じだ。
ある日、学校の道徳の時間で、いじめについて話された。
先生「いいかー。いじめに遭ったり、見かけたりしたら、自分で解決しようとせずに、先生や大人に相談するんだ。」
...先生もそう言っているんだ。きっと、先生なら話せばわかってくれる...
そう思って、放課後に先生のところへ行った。
先生「どうした?随分暗い顔して。生活が明るくないと、勉強も捗らないぞー?」
と、明るい口調で話す。
この人なら、なんとかしてくれるかもしれない。そう思って、いじめに遭っているんじゃないかと告白した。
先生「なるほど、それは辛かっただろうな...」
やっぱり、先生は私の事をー
先生「でもな、勘違いってこともあるかもしれないぞ?あいつらだって、悪気があって言ってるんじゃないだろうし...。ほら、気になるんだったら本人達に聞いといてやるから。」
駄目だ。
そんな事をしたって何も変わらない。私が普段どう言われてるか、どんな事をされてるか見ているはずなのに、何もわかっていない。
いや、わかっていても他人事の様に流しているのかもしれない。だから、私に言われても気付かないのだ。
先生「それに、もしかしたらお前に何か非があるかもしれないだろ?何かあいつらに言っちゃったとかさ。」
『...ありがとうございました。考えてみます。』
先生「おうっ。気をつけて帰れよー。」
ガタガタガタとドアを閉めて、呆然と立ちすくんでいると、先生の独り言が聞こえた。
先生「はぁ~。いるんだよなぁ。ああいう被害妄想の強い奴が。」
先生も私の気持ちを考えてくれなかった。みんなと同じだ。
カヤ「ねー、昨日の放課後先生のとこ行ってたみたいだけど、なんかあったの?」
『ううん。出し忘れてたプリント提出しに行っただけ。』
カヤ「そっかぁ。」
やっぱり、カヤは私のただ一つの心の在りどころだ。いつも私に寄り添ってくれる。
カヤ「あ、ちょっとトイレ行ってくるねー。」
せかせかとトイレのほうに走っていくカヤを見て、私もなんだかトイレに行きたくなってきた。
カヤがいれば、あんまり派手なことはされないだろう。そう思って。
カヤの背中を追いかけると、トイレとは違う方に歩いていく。ついて行くと、そこにはAとBがいた。
A「カヤ、まだあいつに優しくしてんのー?」
カヤ「違うよー。最初の方にちょっと優しくしたら、向こうからウザいぐらいかまってくるだけーw」
B「はは、ひっどーいw」
それを聞いた時、私の中で何かが崩れる音がした。
ああ、カヤも、みんな...いっしょなんだ。
私はその場に倒れ込んだ。
目が覚めると、私はどこかのベッドにいた。
保健室...じゃない。
「あら、目が覚めました?」
誰かが優しい口調で話しかけてくる。視界がぼやけていて、顔はよく見えない。
「あ、起きてるー!!」
ドアの開く音と共に、聞き馴染みのある声が聞こえる。やっぱり顔はよく見えない。
「ほら、アユミ学校で倒れちゃったんだよー?私、先生に付き添ってやれって言われちゃってさーw」
壁を見ると、時計は11時を指していた。1時間目の後だったから、1時間以上倒れていたことになる。
ふと、疑問に思った。なんで壁にかかっている時計はちゃんと見えるのに、顔はぼんやりとしか見えないんだろう?
「おそらく寝不足でしょうねぇ。学校に連絡しておくので、とりあえず親御さんに迎えにきてもらいましょうかぁ。」
おじいさんのような、白衣の人にそう言われた。まだ顔だけがぼんやりと見える。
いや、顔が認識できないのだ。誰の顔を見ても、みんな同じようにのっぺらぼうのように見えている。
コートを着た人が入ってくる。
「あんた...学校で倒れたって?もう、せっかくいいところだったのに。ほら、帰るよ。」
同じ顔。
「ああ、お母さまですか。すみません、こちらの注意不足で...」
「いえ~、うちの子が悪いんですよ。きっと夜ふかしでもしてたんでしょうね。ほら、先生にあやまんなさい。」
同じ顔。
「しばらく休ませてあげてくださいねぇ。それと、今夜は早く寝るように伝えて下さい。お大事にぃ。」
「えー、私は今からまた学校戻るのー!?サボれると思ったのにー!」
特別な人なんていない。みんな、同じ。
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