【講談社大賞受賞作品】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?

花澄そう

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魔法会

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『いいですか?優勝時の収録では、悲しい発言や学園内の情報を暴露することはやめてください。そうした場合、放送されなくなってしまいます。両親に自分達の姿を見せたいなら、その点に気を付けてくださいね』

そうだ。今、泣いちゃ駄目だ。
そう思って頭を思いっきり振って心を切り替えようとこころみる。

「ゆ……優勝出来て、とても嬉しかったです。これもみんなで頑張ったからだと思います」
「そうですか。優勝の秘訣のようなものはありますか?」

「優勝の秘訣……」
そんなの分からない。
練習はかなりしたけど……。

と考えていると、丸いレンズが私だけを映している事に気付いてハッとした。

「それはよく分からないんですけど、あえて言うならクラスメイトの仲の良さかもしれません」

「仲の良さですか?」
「はい。年齢は本当にバラバラなんですけど、困った時は助け合って、嬉しい事は分かち合える。そんな仲間だからこそ一致団結して優勝出来たんだと思います」
そう言って、私は必要以上の笑顔でクラスメイトを手招きして呼んだ。


この後、無事クラスメイト全員の様子が全国に流れたそうだ。

…………

……

夜――

クラスメイトは、貰ったばかりのプレミアムバッチをクラスバッチの横に付けてお祭り騒ぎで食堂に向かった。

でも、私は行かなかった。
行けなかった。


それは、ディオンの魔法が切れてきたというのもあるけど、こんな気持ちのままで、あの中に居るのが辛くいし申し訳なかったから。


でも、こんなクラスのお祝い事に、アンカーである自分だけが行かないなんて、どんな理由を付けても気を使わせてしまいそうで、途中までは無理をしてでも行くつもりでいた。
だから、この1番のお気に入りの服も来た。

でも……やっぱり、あの凄く高いテンションについていけなかった。

髪を巻いてもらったり、こんな可愛いお化粧までしてもらったのに……

「……無駄になっちゃった」


今日の空は、大きく輝く大小の2つの月が浮かぶ。
月は、誰も居ないこの展望台と、展望階にいる私を照らしていた。

今日の月夜は本当に眩しく、私が今着ている白いワンピースとカーディガンを眩しく輝かせている。


ここから見える景色は、唯一外の景色。
学園は木々で囲まれていて辺りには建物もない。
でも山の上に位置しているようで、この展望階からならスカイツリーらしき建物や高そうな建物の先端は見える。

こっちの世界に来てからあの閉鎖された自宅と、この閉鎖された学園の中しか知らないし、外の娯楽に関する本は、羨んだり悲観的になってしまったりするからか学園にはあまり無い。

だから時々ここに来ては、ここから見える外の景色の中に色々な人達や街を勝手に思い描いている。
そうでもしないと、閉鎖的すぎて息が詰まりそうになるから。

「ふぅ……」
溜め息をついてスカイツリーのてっぺんを見ながら、気を病んでいる原因である、書庫で読んだ本の内容を思い出す。
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