【講談社大賞受賞作品】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?

花澄そう

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二人を結ぶ呪い

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「や、今のは間違い……」
私は、なんてことを!!
慌てて自分の口元に手を当てて否定する。恥ずかしさで涙が溢れそうだ。

「お前……っ」
困惑の表情を浮かべたディオンは、口元にある私の手を掴むと、口を塞ぐように唇を奪ってきた。

「んっ……」

今度のキスは、さっきとは違って異様に深い。

ディオンの舌が、唇を割って性急に入ってくる。
その感覚に、私の心臓はさらに早く鼓動を刻んで、息が苦しくなった。

背中をゾクゾクと駆け上がる感覚が、私を震わせる。


もっと触れたい。
もっと触れてほしい。


ディオンが好き……

ずっと一緒に居たい……




ディオンが死んだと勘違いした時、『こんなに好きなのに……』って告白みたいなことを言ってしまった。
その後は、恥ずかしくなって誤魔化してしまったけど、今思うと、あの時が1番のチャンスだった。

現に、あの後、何度も告白しようとしたけど、結局一度も成功しなかった。



好きだから、思いを伝えたい。

好きだから、1秒でも長くそばに居たい。

でも、好きだからこそ、関係が壊れるのが怖くて――「好き」だと言えない……


時が経つにつれて、どんどん言いづらくなる。
そして日を追うごとにつのる想い。


知らなかった。

好きって、こんなに複雑で、もどかしくて、一言では表せない気持ちになるんだって……


意気地なしの私は、何度も何度も心の中で『好き』と叫ぶしかなかった。



それから数か月経った、ある日の学園のパーティ会場の控室――


「お支度、すべて仕上がりました」
そう言われて目を開けると、目の前には見慣れない程に美しい自分の姿があった。

「タチバナ様があまりもお可愛らしいので、お化粧も施してみました」
鏡越しに話す、着付けのメイド達は、少し誇らしげな表情で続ける。

「今日は、国王陛下直々の使ですからね。シエル様を一目見ようと、もう沢山の国民が集まっているそうですよ」

「えっ……!?」
式までまだ時間があるのに、もう?

実はなんと私は、今日――大魔法使いとなります!!
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