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この時間が好き
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夜の街は、とても楽しそうで自由な人たちで溢れていた。
ネオンの色に輝く街。
キラキラ眩しいくらいだ。
夜の街はとても不思議な世界に感じた。
騒がしい街。
楽しそうな笑い声。
私たちすこし細い路地にはいった。
そこに、私たちがよく行く店がある。
路地にはいると、さっきとは違って少し静かで、少しだけ明るかった。
カラン カラン
「あら、ひなちゃんとそうちゃんじゃないの」
「いらっしゃい」
「好きなところに座って」
私たちは頷きカウンター席に座った。
ここは、少し変わったBARで色々な人が集まる店だった。
マスターの千秋さんも変わっている。
けど、すごく優しくて、とてもいい人だ。
「何にする?」
「俺は、烏龍茶で」
「じゃあ、私も」
「2人とも飲めないのによくBARにこれるわよね」
「だめですか?」
「別にいいけど」
「良かった……」
「千秋さん彼氏さんとはどうなったの?」
「それがね……別れちゃった」
「え!!またですか!?」
「そうなのよ」
「どうせ、また違うやつと付き合ってるだろ」
呆れたように言う颯志。
「あたり!」
「今度は、長く続くわよ」
「男同士で付き合って長く続くわけないだろ」
「もう、そう!そんな事言っちゃダメだよ」
「大丈夫よ!今度こそは」
「どんな人なんですか?」
「知りたい!?」
「はい……」
すると、千秋さんは奥の部屋に行った。
そして、ある男性を連れてきた。
「この人が俺の彼氏」
身長がとても高くて、ちょっと無愛想な人だった。
けど、その人は以外と優しい人だった。
「千秋さん」
「なに!?ひなちゃん……」
「ちょっと耳かして!」
そう言って、千秋さんの耳に手を当てコソッと話しをした。
「なんか、良さそうな人だね!」
「長く続くといいね」
なんて、私らしくないことを言った。
ブー ブー
とスマートフォンがポケットの中で揺れた。
ポケットの中からスマートフォンを取り出し画面を見る。
画面には、母と書かれてあった。
けど、私は出たくなかったので気づかないふりをした。
「でなくていいの!?」
と千秋さんに聞かれたので、私は笑顔でこう答えた。
「うん!いいの、いいの!!!」
「そう!」
そして、私たちは夜の時間を楽しんだ。
「そう、もうすぐ終電だよ」
「マジかよ」
「じゃあ、そろそろ帰るか………」
「もう、帰っちゃうの!?」
「はい」
「また来てね」
「はい」
「それじゃ」
「ほら、そうも千秋さんになんか言ったら」
「別にいいよ」
「またね!」
「おやすみなさい」
そう言って、私たちは店を出た。
ギリギリ間に合った、終電に乗った。
電車に乗り、スマートフォンを見ると着信が50件くらいあった。
全て、母からだった。
私は、母にメールを送った。
[気づかなくてごめんなさい。]
そう、一言だけ送った。
すると、母から一通のメールが返ってきた。
[もう、いい。本当に、出来損ないよね。自覚してるの???]
いつも言う言葉。
もう、なにも感じなくなった言葉だ。
「どうしたんだよ?ひな」
「別になにもないよ」
「そうか………」
照らしだされた、月夜道を2人だけで歩いて帰る。
家につくと明かりがついてあった。
「あれ、おばさん仕事でどっか行ったんじゃなかったのかよ」
「そのはずなんだけど………」
「ちょっと庭の方に隠れて待っててくれない?」
「あぁ」
私は、鍵を静かに開けて、家の中に入った。
「おかえりなさい」
奥の部屋から母の声がした。
「こんな時間まで何してたの?」
「出来損ないのくせに」
そして、母は薔薇の入った花瓶を私に投げつけた。
バリン
勢いよく投げつけた花瓶は、壁当たり粉々に割れた。
その破片が、私の腕や足を切りつけた。
けど、痛さなんて感じなくなった。
「本当にどこまでも出来損ないね」
「もう、いいわ!」
そう言って、母は一方的に怒ってから仕事に出かけた。
私は、床に散らばった破片を踏みながら、玄関に向かう。
「そう、はいっていいよ」
「あぁ」
そう言って、颯志を家にいれた。
部屋は花瓶の破片と私の血で散らかっていた。
「ごめんね、ちょっと散らかってるけどすぐに片付けるから」
「あぁ」
私は、自分の手当ては後にして、花瓶の破片を片付けていた。
「おい、ひな」
「ん!?なに?」
「先に手当てしろよ」
「別にいいよ後で………」
「それより、そうここ危ないから私の部屋に行ってて!」
「いいからこい!」
そうは私の手を引いて、2階の私の部屋に向かった。
救急箱から、消毒液とバンドエードを取り出して、手当をしてくれた。
「別にこんな傷どうってことないのに……」
「どうってことなくないだろ」
そうは、そう言うけど、私にとっては日常茶飯事のことで、私にとってはかすり傷のようなものだから、本当にどうってことなかった。
けれど、そうだけは、こうやって心配してくれる。
ずっと昔から。
「そう、ありがとう」
「あぁ」
そうの隣は心地が良い。
唯一、気が許せる相手なのかもしれないとそう思った。
「もう、遅いし寝る?」
「そうだな………」
そうを2階にある空き部屋に案内した。
この部屋は、元々父が使っていた部屋だ。
だから、ベッドもあるし今は客間のようにして使っている。
って言っても来て使うのは、そうくらいなんだけれど…………
私は寝る前に、お風呂に入りメイクを落とした。
部屋着に着替えて、自分の部屋に向かい、ベッドにダイブをする。
スマートフォンをいじっていると、だんだん眠くなってきて、寝落ちした。
朝起きると背中の方が少し重くて、暖かかった。
起き上がると、隣には颯志が気持ち良さそうに眠っていた。
私は、起こさないようにそっと起き上がる。
キッチンに向かい、朝食の支度をする。
この時間が私は好きだ。
朝起きると、誰かが隣にいて、その隣は暖かくて、その人のために何かをする。
そうしていると、何故か自然と心が満たされた。
朝食が出来上がると、そうがその匂いにつられて、起きて来た。
「おはよう、そう」
「ん……おはよう……」
そして、私の1日がはじまった。
ネオンの色に輝く街。
キラキラ眩しいくらいだ。
夜の街はとても不思議な世界に感じた。
騒がしい街。
楽しそうな笑い声。
私たちすこし細い路地にはいった。
そこに、私たちがよく行く店がある。
路地にはいると、さっきとは違って少し静かで、少しだけ明るかった。
カラン カラン
「あら、ひなちゃんとそうちゃんじゃないの」
「いらっしゃい」
「好きなところに座って」
私たちは頷きカウンター席に座った。
ここは、少し変わったBARで色々な人が集まる店だった。
マスターの千秋さんも変わっている。
けど、すごく優しくて、とてもいい人だ。
「何にする?」
「俺は、烏龍茶で」
「じゃあ、私も」
「2人とも飲めないのによくBARにこれるわよね」
「だめですか?」
「別にいいけど」
「良かった……」
「千秋さん彼氏さんとはどうなったの?」
「それがね……別れちゃった」
「え!!またですか!?」
「そうなのよ」
「どうせ、また違うやつと付き合ってるだろ」
呆れたように言う颯志。
「あたり!」
「今度は、長く続くわよ」
「男同士で付き合って長く続くわけないだろ」
「もう、そう!そんな事言っちゃダメだよ」
「大丈夫よ!今度こそは」
「どんな人なんですか?」
「知りたい!?」
「はい……」
すると、千秋さんは奥の部屋に行った。
そして、ある男性を連れてきた。
「この人が俺の彼氏」
身長がとても高くて、ちょっと無愛想な人だった。
けど、その人は以外と優しい人だった。
「千秋さん」
「なに!?ひなちゃん……」
「ちょっと耳かして!」
そう言って、千秋さんの耳に手を当てコソッと話しをした。
「なんか、良さそうな人だね!」
「長く続くといいね」
なんて、私らしくないことを言った。
ブー ブー
とスマートフォンがポケットの中で揺れた。
ポケットの中からスマートフォンを取り出し画面を見る。
画面には、母と書かれてあった。
けど、私は出たくなかったので気づかないふりをした。
「でなくていいの!?」
と千秋さんに聞かれたので、私は笑顔でこう答えた。
「うん!いいの、いいの!!!」
「そう!」
そして、私たちは夜の時間を楽しんだ。
「そう、もうすぐ終電だよ」
「マジかよ」
「じゃあ、そろそろ帰るか………」
「もう、帰っちゃうの!?」
「はい」
「また来てね」
「はい」
「それじゃ」
「ほら、そうも千秋さんになんか言ったら」
「別にいいよ」
「またね!」
「おやすみなさい」
そう言って、私たちは店を出た。
ギリギリ間に合った、終電に乗った。
電車に乗り、スマートフォンを見ると着信が50件くらいあった。
全て、母からだった。
私は、母にメールを送った。
[気づかなくてごめんなさい。]
そう、一言だけ送った。
すると、母から一通のメールが返ってきた。
[もう、いい。本当に、出来損ないよね。自覚してるの???]
いつも言う言葉。
もう、なにも感じなくなった言葉だ。
「どうしたんだよ?ひな」
「別になにもないよ」
「そうか………」
照らしだされた、月夜道を2人だけで歩いて帰る。
家につくと明かりがついてあった。
「あれ、おばさん仕事でどっか行ったんじゃなかったのかよ」
「そのはずなんだけど………」
「ちょっと庭の方に隠れて待っててくれない?」
「あぁ」
私は、鍵を静かに開けて、家の中に入った。
「おかえりなさい」
奥の部屋から母の声がした。
「こんな時間まで何してたの?」
「出来損ないのくせに」
そして、母は薔薇の入った花瓶を私に投げつけた。
バリン
勢いよく投げつけた花瓶は、壁当たり粉々に割れた。
その破片が、私の腕や足を切りつけた。
けど、痛さなんて感じなくなった。
「本当にどこまでも出来損ないね」
「もう、いいわ!」
そう言って、母は一方的に怒ってから仕事に出かけた。
私は、床に散らばった破片を踏みながら、玄関に向かう。
「そう、はいっていいよ」
「あぁ」
そう言って、颯志を家にいれた。
部屋は花瓶の破片と私の血で散らかっていた。
「ごめんね、ちょっと散らかってるけどすぐに片付けるから」
「あぁ」
私は、自分の手当ては後にして、花瓶の破片を片付けていた。
「おい、ひな」
「ん!?なに?」
「先に手当てしろよ」
「別にいいよ後で………」
「それより、そうここ危ないから私の部屋に行ってて!」
「いいからこい!」
そうは私の手を引いて、2階の私の部屋に向かった。
救急箱から、消毒液とバンドエードを取り出して、手当をしてくれた。
「別にこんな傷どうってことないのに……」
「どうってことなくないだろ」
そうは、そう言うけど、私にとっては日常茶飯事のことで、私にとってはかすり傷のようなものだから、本当にどうってことなかった。
けれど、そうだけは、こうやって心配してくれる。
ずっと昔から。
「そう、ありがとう」
「あぁ」
そうの隣は心地が良い。
唯一、気が許せる相手なのかもしれないとそう思った。
「もう、遅いし寝る?」
「そうだな………」
そうを2階にある空き部屋に案内した。
この部屋は、元々父が使っていた部屋だ。
だから、ベッドもあるし今は客間のようにして使っている。
って言っても来て使うのは、そうくらいなんだけれど…………
私は寝る前に、お風呂に入りメイクを落とした。
部屋着に着替えて、自分の部屋に向かい、ベッドにダイブをする。
スマートフォンをいじっていると、だんだん眠くなってきて、寝落ちした。
朝起きると背中の方が少し重くて、暖かかった。
起き上がると、隣には颯志が気持ち良さそうに眠っていた。
私は、起こさないようにそっと起き上がる。
キッチンに向かい、朝食の支度をする。
この時間が私は好きだ。
朝起きると、誰かが隣にいて、その隣は暖かくて、その人のために何かをする。
そうしていると、何故か自然と心が満たされた。
朝食が出来上がると、そうがその匂いにつられて、起きて来た。
「おはよう、そう」
「ん……おはよう……」
そして、私の1日がはじまった。
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