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第五章 山道鍛練でEは無理かな?
第十一話 意外にもギルドマスターによって悩み解決…でも近くには来ないで欲しいんですよね…
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劣等感…じゃなく烈刀館に泊まることにした私達は部屋に案内された。
名前のとおりに様々な刀剣が飾られている。
「…じゃあ、リマさんの実家も旅館ですか?」
女将さんの名前がリマさんね。
「そうなんですよダウロの竜生館も私達姉妹が実家で修行して独立して各地の温泉地で開業したものばかりなんですあお荷物お預かりしますね夕飯はどうなさい」
「ちょっと待って!お願いですから句読点をつけて下さい!」
「あ、ら!や。だ?失・礼し」
「余計聞きにくいわ!!」
「まあ冗談はさておいて」
「客をからかうなあああああ!!!」
「サーチ、どうどうどう」
ぜーはーぜーはー…。
「つ、疲れる…」
「お疲れでしょう?うちの温泉は疲労回復効果抜群ですよ。疲れは多いほうが温泉に浸かったときの気持ちよさは格段に違いますよ」
…さっきの冗談がサービスなら早々にやめたほうが賢明かと…。
「こちらの部屋です」
「杉の間」と書かれた部屋に入る。純和風なとこが大変よろしい。
「そう言えば気になってたんですけど…たくさん飾られてますけど女将さんって刀剣集めが趣味なんですか?」
「いーえー。興味もさっぱりありません」
軽く否定したよ。
「じゃあなんで?結構な業物もあったから詳しいのかとばかり…」
「なんとなく『劣等感』を文字って旅館の名前にしたら当て字で『刀』が入ったんです。だから集めてます」
…?
理屈がよくわからないんですが…。
「骨董市の安物ばかりなんですけどね、たまーにキラリと光る何かを感じて買うんですよ…ムダに貯まっちゃいました」
あっははは…と笑いながら女将さんは下がっていった。
「…サーチ、あれって…」
「キラリって…まさか…」
…間違いなく≪鑑定≫の上位スキル≪真眼≫だわ。
めちゃくちゃ勿体無い。世界でも数十人しか確認されてない絶滅危惧スキルなのに!
「…本人はわかってるのかしら…」
経験もへったくれも関係無く真贋を見極められる貴重なスキルの無駄遣い…よね。
まあ本人の自由なんだけど…。
さーて、温泉入りましょうか温泉♪
タオルと浴衣を持って露天風呂に向かう途中で…。
刀剣が飾られている棚の前で、食い入るように中を見つめる大男を見つけた。
「あれ…?ギルマス?」
「ん?…ああ、昼間にギルドにいた…」
…顔の造形だけで怪しい男ランキング第一位に輝いちゃうなんて不幸よねー…ほぼ変態ギルマスのせいだろうけど。
「……人の顔をチラチラ見て何を考えているかは大体想像つくからやめてくれ」
さいですか。失礼しました。
「それにしても何故ギルマスがここに?」
「ギルマスって…縮めんなよ…」
別にいいじゃん。
「まあいい…俺がここに来ているのは貴重な剣や刀を拝ませてもらうためだ」
あ、そうなんだ。
「てっきり女将さん目当てかと…」
「お互いに既婚者だ。それはない」
き・こ・ん・しゃ!?
「反応しなくてもいいぞ。いつも同じ反応されるから…」
…でしょうね。
「あ、そういえば聞きたかったんだけど…女将さんのスキルって≪真眼≫」
「まてまてまて!」
私の口を塞いで辺りを見回す。
…唇に触れられて顔が近い状態に耐えきれなくなり…。
ばきっ
「ごめんなさいっっ」
「…不条理だ…」
恨むなら変態ギルマスお兄さんを恨んで。
「…とにかくだ。女将のスキルは極秘だ」
…だから近いっ!
ばきっ
「…不条理すぎる…」
鼻息があたったわよ鼻息が。
「で?何で極秘なのよ?」
「…うちのギルドの鑑定も頼んでいるくらいだ。バレたら旅館経営もままならんだろう?」
…旅館よりも≪真眼≫活かして活動したほうがよっぽど儲かりそうだけどね。
ま、人それぞれか。
「…ていうか女将に無理矢理鑑定させてるの?サイテー」
「違う!報酬も支払ってるし女将の都合を優先させてるし旅館にお客も斡旋してる!」
完璧じゃない。
「…ごめんなさい。顔を見てるとマイナスイメージが…」
「…不条理だ…本当に不条理だ…」
…なんか気の毒になってきた…。
可哀想だから話を逸らしましょうか。
「ギルドマスター。剣には詳しいんですよね?」
「む?…ああ。趣味で収集する程度には」
「…今度私達のパーティは闇深き森へ行くんですが」
「…ゴーストやアンデッドに有効な武器か?」
!…よくわかったわね。
「長年ギルドマスターを勤めているからな…同じような相談は幾つも受けた」
なるほど。腐っ
「腐ってないぞ」
…長年同じ反応されてるわけね。
「でだ。結論として…」
…ムダに間を入れるのはバラエティのCMでたくさんなんだけど。
「…あるにはある。ただ高額だ」
やっぱり。
「…つまり対魔性があるものや聖属性の武器ですか?」
高いのよね~…属性武器。
ドラゴンの素材を売り尽くしても足りないのよ。
「…あとは銀やミスリル製の武器だな。こちらのほうが余計に値が張るがな」
…銀にミスリル…。
ドラゴン5匹はいるわね…。
「ん?…そういえば」
…?
「サーチ…だったな?お前の魔法は≪偽物≫だったな?」
「は、はい」
「ならばお前が銀かミスリルに触れれば解決するのではないか?」
…あ!そうか!
≪偽物≫は触れたことがある金属を再現できるんだった!
「ありがとうございます!これで私の問題は解決しました!」
あとは…リルね。
「…ドラゴンの素材の武器に属性をつけることってできます?」
「ドラゴンの素材にか?聖竜もいるくらいだからな、よほど大丈夫だろう。良ければ腕のいい鍛冶屋を紹介してやろうか?」
「…!ぜひお願いします!」
やった!これで準備万端!
「見た目はサイテーだけど心根は最高だわ!」
「…不条理だ…」
あ、声になってましたか。
「申し訳ない!」
「………不条理だ…」
しまった、やり過ぎたか。
…仕方ない、奥の手!
「お、お詫びに混浴してあげるから!」
…エイミアが。
「断固拒否する!ビキニアーマー着てるような露出狂と混浴は無理」
どごっ!メキッ!
「…やっぱ変態ギルマスと同じ血筋よ!」
…ギルドマスターは2週間の入院となりました。
名前のとおりに様々な刀剣が飾られている。
「…じゃあ、リマさんの実家も旅館ですか?」
女将さんの名前がリマさんね。
「そうなんですよダウロの竜生館も私達姉妹が実家で修行して独立して各地の温泉地で開業したものばかりなんですあお荷物お預かりしますね夕飯はどうなさい」
「ちょっと待って!お願いですから句読点をつけて下さい!」
「あ、ら!や。だ?失・礼し」
「余計聞きにくいわ!!」
「まあ冗談はさておいて」
「客をからかうなあああああ!!!」
「サーチ、どうどうどう」
ぜーはーぜーはー…。
「つ、疲れる…」
「お疲れでしょう?うちの温泉は疲労回復効果抜群ですよ。疲れは多いほうが温泉に浸かったときの気持ちよさは格段に違いますよ」
…さっきの冗談がサービスなら早々にやめたほうが賢明かと…。
「こちらの部屋です」
「杉の間」と書かれた部屋に入る。純和風なとこが大変よろしい。
「そう言えば気になってたんですけど…たくさん飾られてますけど女将さんって刀剣集めが趣味なんですか?」
「いーえー。興味もさっぱりありません」
軽く否定したよ。
「じゃあなんで?結構な業物もあったから詳しいのかとばかり…」
「なんとなく『劣等感』を文字って旅館の名前にしたら当て字で『刀』が入ったんです。だから集めてます」
…?
理屈がよくわからないんですが…。
「骨董市の安物ばかりなんですけどね、たまーにキラリと光る何かを感じて買うんですよ…ムダに貯まっちゃいました」
あっははは…と笑いながら女将さんは下がっていった。
「…サーチ、あれって…」
「キラリって…まさか…」
…間違いなく≪鑑定≫の上位スキル≪真眼≫だわ。
めちゃくちゃ勿体無い。世界でも数十人しか確認されてない絶滅危惧スキルなのに!
「…本人はわかってるのかしら…」
経験もへったくれも関係無く真贋を見極められる貴重なスキルの無駄遣い…よね。
まあ本人の自由なんだけど…。
さーて、温泉入りましょうか温泉♪
タオルと浴衣を持って露天風呂に向かう途中で…。
刀剣が飾られている棚の前で、食い入るように中を見つめる大男を見つけた。
「あれ…?ギルマス?」
「ん?…ああ、昼間にギルドにいた…」
…顔の造形だけで怪しい男ランキング第一位に輝いちゃうなんて不幸よねー…ほぼ変態ギルマスのせいだろうけど。
「……人の顔をチラチラ見て何を考えているかは大体想像つくからやめてくれ」
さいですか。失礼しました。
「それにしても何故ギルマスがここに?」
「ギルマスって…縮めんなよ…」
別にいいじゃん。
「まあいい…俺がここに来ているのは貴重な剣や刀を拝ませてもらうためだ」
あ、そうなんだ。
「てっきり女将さん目当てかと…」
「お互いに既婚者だ。それはない」
き・こ・ん・しゃ!?
「反応しなくてもいいぞ。いつも同じ反応されるから…」
…でしょうね。
「あ、そういえば聞きたかったんだけど…女将さんのスキルって≪真眼≫」
「まてまてまて!」
私の口を塞いで辺りを見回す。
…唇に触れられて顔が近い状態に耐えきれなくなり…。
ばきっ
「ごめんなさいっっ」
「…不条理だ…」
恨むなら変態ギルマスお兄さんを恨んで。
「…とにかくだ。女将のスキルは極秘だ」
…だから近いっ!
ばきっ
「…不条理すぎる…」
鼻息があたったわよ鼻息が。
「で?何で極秘なのよ?」
「…うちのギルドの鑑定も頼んでいるくらいだ。バレたら旅館経営もままならんだろう?」
…旅館よりも≪真眼≫活かして活動したほうがよっぽど儲かりそうだけどね。
ま、人それぞれか。
「…ていうか女将に無理矢理鑑定させてるの?サイテー」
「違う!報酬も支払ってるし女将の都合を優先させてるし旅館にお客も斡旋してる!」
完璧じゃない。
「…ごめんなさい。顔を見てるとマイナスイメージが…」
「…不条理だ…本当に不条理だ…」
…なんか気の毒になってきた…。
可哀想だから話を逸らしましょうか。
「ギルドマスター。剣には詳しいんですよね?」
「む?…ああ。趣味で収集する程度には」
「…今度私達のパーティは闇深き森へ行くんですが」
「…ゴーストやアンデッドに有効な武器か?」
!…よくわかったわね。
「長年ギルドマスターを勤めているからな…同じような相談は幾つも受けた」
なるほど。腐っ
「腐ってないぞ」
…長年同じ反応されてるわけね。
「でだ。結論として…」
…ムダに間を入れるのはバラエティのCMでたくさんなんだけど。
「…あるにはある。ただ高額だ」
やっぱり。
「…つまり対魔性があるものや聖属性の武器ですか?」
高いのよね~…属性武器。
ドラゴンの素材を売り尽くしても足りないのよ。
「…あとは銀やミスリル製の武器だな。こちらのほうが余計に値が張るがな」
…銀にミスリル…。
ドラゴン5匹はいるわね…。
「ん?…そういえば」
…?
「サーチ…だったな?お前の魔法は≪偽物≫だったな?」
「は、はい」
「ならばお前が銀かミスリルに触れれば解決するのではないか?」
…あ!そうか!
≪偽物≫は触れたことがある金属を再現できるんだった!
「ありがとうございます!これで私の問題は解決しました!」
あとは…リルね。
「…ドラゴンの素材の武器に属性をつけることってできます?」
「ドラゴンの素材にか?聖竜もいるくらいだからな、よほど大丈夫だろう。良ければ腕のいい鍛冶屋を紹介してやろうか?」
「…!ぜひお願いします!」
やった!これで準備万端!
「見た目はサイテーだけど心根は最高だわ!」
「…不条理だ…」
あ、声になってましたか。
「申し訳ない!」
「………不条理だ…」
しまった、やり過ぎたか。
…仕方ない、奥の手!
「お、お詫びに混浴してあげるから!」
…エイミアが。
「断固拒否する!ビキニアーマー着てるような露出狂と混浴は無理」
どごっ!メキッ!
「…やっぱ変態ギルマスと同じ血筋よ!」
…ギルドマスターは2週間の入院となりました。
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