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第五章 山道鍛練でEは無理かな?

ちょっと小話 その頃のマーシャン

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「ふーい…まだ痛いのう…」

パンドラーネのギルドにある冒険者用治療所。
 柔らかな陽射しが窓から入り、室内はほんのりとした暖かさで包まれていた。

 「…暇じゃのう」

 「暇じゃ暇じゃとうるさい奴だ」

 廊下には気難しい顔をした初老の男が立っていた。服装から言って医者らしい。

 「暇なら出ていけ。もうとっくに治っているだろう?」

 「つれないのう。もう一日半の付き合いじゃろ?」

 「何を言うか。私がお前を初めて診察したのは三十年以上・・・・・前だぞ」

 「そうじゃな。闇深き森ディープフォレストがまだ緑深き森ディープフォレストと呼ばれ、“八つの絶望”ディスペア・オブ・エイトがまだ“七つの絶望”ディスペア・オブ・セブンだった頃じゃ」

 「そうだったな」

…しばしの間、静寂が…。

 「あーー!!こういう真面目な雰囲気が一番嫌なんじゃ!」

 「…なんだよ、せっかく付き合ってやったのに」

 自分でやってみてわかったわい。真面目なんて虫酸が走るわい!
 何が陽射しじゃ!何が静寂じゃ!
ワシは早くエイミアの胸に飛び込みたいのじゃ!

 「もういいじゃろ!ワシは行くぞい」

 立て掛けていた“賢者の杖”マスターロッドを手にする。

 「…旦那さんの墓参りか?」

 「…いや」

ワシは進む。

 「再会じゃよ!」

緑深き森ふるさとへと。
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