劣等生と罵られた僕が世界を救うまで

リナ

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2章

7話

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 「うんん」

 ここはどこだ?俺は死んだんじゃなかったのか?
 確か、暗い中をふわふわ浮いていたら、急に目の前が明るくなったんだけど、、、
 なんか天井が白い。ドアもあるし、どっかの家の中か?
 少なくとも怪獣の胃の中でないことは確かだな。
 
 
 ガラガラ


 ん?誰かきたのか?

 「エッ!良かった!目覚ましたんだ。」

 誰だこの人?全く見覚えのない人が話しかけてきてるんだが。

 「失礼ですが、どちら様ですか?」

 「ああ、ごめんごめん。ついびっくりして。初めまして。私は本部で怪獣戦闘員及び次世代戦闘員育成係として働いている柳原です。」

 「はぁ。そんな人がどうしてここに? それと、ここはどこですか?」

 「いきなり質問が多いなぁ。まあ、いきなり知れない場所にいるんだし無理もないか。とりあえずここはどこかっていう質問には、対怪獣部隊本部の中にある病院とでも言っておこうかな。どうして私がここにいるのかっていう質問は、話すと長いんだけど、数ヶ月前に怪獣がたくさん出てきた時があったでしょう?その時に見回りに行っていたら君が怪獣に飲み込まれているところに遭遇したからとっさに助けてここの病院に来たってわけ。」

 「なるほど? ってちょっと待ってください!さっき怪獣が大量発生したのが数ヶ月前って言いましたよね。僕が怪獣に飲み込まれたのって、怪獣が発生してから1週間ぐらいだったと思うんですけど、僕は何ヶ月ぐらい寝てたんですか?」

 「ん?確か怪獣が発生してから4ヶ月は経ってるから大体それぐらい寝てたね。」

 「ウソだろ?え?なんで俺は食べられたのに生きてて、、、」

 「ほんとびっくりだよね。怪獣に食べられて人っていくら救助が早くても怪獣の消化液は強酸に偏っってるからすぐに皮膚が溶け出したりするのに、きみ、無傷だったんだよね。」

 「はえ?無傷?」

 「そうだよ。それにしても検査結果を聞いた時は驚いたのよ。ああ、君が病気にかかってないか調べるための検査だから、下手に興味持って調べたんじゃないからね。」

 「いや、それはいいんですけど。何が驚いたんですか?」

 「いやー、君が100年に1人の逸材とも言われる【劣等生】だったなんてね。」

 「はい?」

 「本では読んだことあったけど、実際に見るのは初めてだったんだよね。まあ、こうやって話せて案外普通の人なんだって分かって安心したよ。あっ、変な意味じゃないからね。それにしても【劣等生】だっていうことなら、怪獣に飲み込まれて無傷だったってのも合点がいくよね。」

 「変だとかはどうでもいいんですけど、【劣等生】ってなんの能力も持っていないダメな人なんじゃないんですか?」

 「えっ!?なにそれ。誰に聞いたの?」

 「昔からそう言われているのだ、と一度だけ孤児院の先生から聞いたことがあります。」

 「それは完全に間違っているよ。【劣等生】っていうのは【エリート】と呼ばれる人たちよりもずうっと能力が強くて、素晴らしい人たちなんだよ。まあ、能力が強すぎる分、普通の能力計測器では測りきれなくて能力なしと判定されることもあるみたいだけど。」

 「そうだったんですか。」
 ウソだろ!それじゃあ、俺が今まで無視されてきたのは俺の力がはっきりと測定されていなかったからなのか。でも、さっきの言葉通りだと俺も何かの能力を持っているってことだよな。

 「ちなみになんですけど、俺が持ってる能力って何かわかったりしますか?」

 「うん。分かるよ。だけど、能力の他にも説明したいことがたくさんあるから、明日にしようか。だいぶ外も暗くなっている。」

 そう言われて外を見ると、話し始めた頃には綺麗な夕焼けだった空が満点の星空に変わっていた。

 「綺麗。」

 「ふふw。そういうとこは年相応なんだ。」

 「なんですか。別にいいでしょう。」

 「笑ってるわけじゃないからね。じゃあ、また明日くるね。おやすみ。」

 「むぅ。おやすみなさい。」
 そう柳原さんと挨拶を交わして俺は眠りについた。何気に初めて人としっかり話したし、挨拶もしてけど、いいもんだな。柳原さんもいい人だったし。
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