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第2章(仮)
しおりを挟む「うっ。」
ここはどこだろう?少しの間意識がもうろうとしていた。はっきりしてくる頃には、ここが真っ暗な場所だというのは直ぐにわかった。しかも、そのせいで、和彦が見当たらない。
「和彦!いる?いるなら返事をして!」
声がびっくりする程響く。ここは外じゃなさそうだな。
「いるよ!聞こえてる。」
良かった。これで無事は確認した。あとは状況整理。こういう時こそ冷静にならないと。
先ず、自分と和彦は、あの神社に行った。そして、7時33分くらいになった頃、誰かに押された。そして、川に落ちた。で、気づいたらここにいた。
こんな所かな。でもだったらどうしてこんな所にいるんだろう。あんなに高いところから川に落ちたんだから死ぬか、死ななくてもどこか川岸に着くはずなんだけど。助けてもらって、今は違うところにいる?でも和彦とすごい離れていたし(今は和彦がこっちに近づいてきて、無事に集合した。)他に人はいなさそうだからそういう訳でもなさそうだ。もしかして都市伝説が本当になった?一応都市伝説通りだったし。
「どうする?昭弘。」
少し歩いてみようかな。ただ歩くだけだと真っ暗ですぐ迷うから、服を一旦脱いで、服どうしを結んで少し長めの紐にして両端をそれぞれ持って和彦が止まって、俺が歩いた。
床は冷たいし、硬いから、土じゃないかな。だとするとここはやっぱりどこかの部屋だな。でも、壁が見当たらないから、すごい広い部屋なんだろうな。
自分は1回戻って、和彦に報告した。和彦も同じようなことを考えていたらしい。そして、まだ行っていない方向(勘)に足を踏み出した時、足を踏み外したのか、一瞬の間浮遊感にとらわれた。自分と服で作ったひもを一緒に持っていた和彦は、念を入れて、腕に服を巻いていたらしく、一緒に浮遊感にとらわれていた。
2人は浮遊感にとらわれてる時、ふと、下から薄い光が見えた。とても嬉しかった。ずっと光のない所にいたから、一気に不安が解けた気がしたからだと思う。そして、その光の先には、大きくて西洋に似たような、でも全然違う街並みが広がっていた。が、2人が落ちた場所は狭い路地だった。
すごい早い速度で落ちたけど全く衝撃が来なかった。不思議だ。あのスピードでこの狭いところに落ちることもすごい事だが、衝撃が来ないというのは、現代科学では実現できないんじゃないか?だとしたらやっぱり・・・
「全然痛くない。」
「どういう事?なんかこのちょっとの時間で色々起きたからまだ理解が追いついていないんだけど。」
それは自分も。でも、とりあえず状況整理をもう一回しないといけないと思ったから、2人で状況を整理した。
自分たちは、恐らく都市伝説を体験している。だから、あの神社の下の川に落ちて、よく分からない真っ暗な場所に行き、その下には広い街が広がるという地球上ではありえないことが起きているのかな。
だから2人が今できることといったら情報集めだ。ここが何処なのか、どうすればいいのか、以前にこのような前例があるのか、知りたいことが山ほどある。
とりあえず2人は路地を抜けた。そこには、落下中に見た通り、西洋に似たような、でも全然違う光景が広がっていた。少し向こうの高いところには、王都のような建物もあった。歩く人達は自分たちとそこまで変わらなかったが、服装が全然違った。表しづらいけど、ゲームでよくある鎧みたいなのを着ている人もいれば、麻で作ったような古い服を着ている人もいた。
二人は色んな場所を見て回った。普通っぽい飲食店もあれば、珍しい店もあった。夢中になって回っていた。しかし、この世界はもう日が落ちそうになっていた。多分、空がオレンジになってきたから。
「どうする?結局何も聞けなかったし、もう日がおちるから、寝られる場所を見つけないと。」
そうだ!自分は今思い出した。ここは来たことない場所だから、当然自分たちの家なんかある訳ない。つまり、どこかで泊まらせてもらうか、野宿をするかになってしまう。どうしようかな。近くで泊まれる場所は・・・ここだ。入口にはのれんが掛けられていて、いかにも宿っぽい場所だ。
ガラガラガラ
「あの、今日ここに泊まることは可能ですか?」
言葉が通じると良いけど。ここは異世界っぽいから多分無理そうだけど。
「今日で・・・2人ですね。分かりました。少しお待ちください。」
言葉が通じた!ここは日本語が通じるのか。良かった。というか、受付の人美人だったな。可愛いとは違うけど、でも目を惹かれるような感じ。
「お待たせいたしました。部屋は空いております。料金は200ビルになります。」
「・・・・・・」
ここで2人はある重大なことに気がついた。ここを異世界だと仮定する。そうすると、ここの通貨は全くもって持ち合わせていない。ヤバい。地球から来たって言い訳もあっちは地球を知っているのか分からないし、多分通用しない。どうすれば・・・
「あの、僕達日本から来ていて、ビルという通貨を持ち合わせていないんですが。」
悩んでいる間に和彦が聞いてしまった。結果は自分の予想通りだった。
「二ホ・・・ン?どこですかそこって。仮にどこであっても、お金を持ち合わせていないのであれば泊まらせることは出来ません。お帰り願えますでしょうか。」
帰れと言われてもどこにも帰る場所が無いんだよ。お願いします!
「お願いします!自分たち、どこに行けばいいのか、どうすればいいのか全くわからないんです!」
「すいません。」
「「そこをなんとか!」」
「だったらお金を・・・」
「おいおいどうした、そんなに声を張り上げて。揉め事か?」
「あ、主様。この2人の子供が、お金も持ってないのに泊まらせてくれってうるさくて・・・。」
うるさいって。確かに周りの目は少しばかり冷たく感じるけど何もそこまで言うことないと思うな。
「二ホン、か・・・面白い。小僧、ちょっとこっち来な。」
「良いんですか?主様」
「ああ、大丈夫だ。ほら、早く。」
「「ありがとうございます!」」
言われるがまま、この宿の主っぽい人について行くと、普通の宿泊用の部屋ではなく、団体が泊まる様な広い部屋に案内された。
「これからはここに泊まるといい。」
えっ?
「これからってどういう・・・」
「お前ら、ニュクウェルだろ。」
ニュクウェル?なんだろうそれ。聞いたことない。もしかして、この世界の言語?やっぱり違う?通じてなかった?
「ニュクウェルって何ですか?」
この人が言うに、生物が住む世界というのは、幾千とある。そして、俺達は、この世界の住民では無い。この世界に日本という地名はないからだ。で、この世界に他の世界から来た人の事、つまり異世界転生者をこの世界ではニュクウェルと言うらしい。この帝国は何故かニュクウェルがほとんど来ないらしいが、他の国及び帝国には一定数のニュクウェルが住んでいるらしい。確かに僕達はニュクウェルだ。
「そうか。ここにもついにニュクウェルが来たのか。まあそんなことはどうでもいい。俺はお前らを見て何かがビビっと来た気がするんだよ。お前らなら何かしらやってくれるってね。急にこんな話は変だが、なんとなくお前らなら出来ると思う。是非この世界に巣食うモンスターと魔王を撲滅して欲しい!」
・・・・・・?
どういうことかイマイチ理解できなかった。モンスター?魔王?ゲームのこと?残念だけどそんなものはやってないんだけどな。
「えーっと、ゲームのことですか?」
「ゲーム?何だそれ。」
ゲームじゃないの?だったら・・・
「俺はこの世界に巣食うモンスターと魔王を倒して欲しいって言ったんだが、上手く伝わっていなかった感じか?えーっとだな・・・」
この人曰く、この世界には数百年前突如モンスターが現れて、人々を食い荒らすようになった。(お前らが前までいた世界にはいなかったのか?と聞かれたが、いるわけないと答えた。)そして、なんとこの世界に現れたモンスター全てを統率する者がいるらしい。しかも、この世界の住人という。だが、数々の精鋭達が戦いを挑んだものの、傷を与えることはおろか、近づくことさえ許されなかった。だけど、俺たちならきっとその者の首を討つことが出来るだろうって。
・・・・・・いや、無理だろ。
何か普通に俺たちがどこからともなく現れた勇者です的な感じになってるけど別にそんなんじゃないんだけど。
「急にそんなこと言われても、僕達そんなんじゃないんですが。」
「とりあえず、明日俺の友達に鍛冶屋がいるからそこに行ってみるぞ。いくらお前達でも真っ裸で外出たら一瞬でグチャグチャのケッチョンケッチョンにされてしまうからな。ハッハッハっ。」
これって行かないとダメなパターン?和彦にアイコンタクトで助けを求めるも、どこか目を逸らされた。もしかして、和彦乗り気?まじか。昔から和彦はこういうの興味あるもんな。幼い頃から3割厨二病だったし。これは断れないなあ。
自分たちは、明日主さんの(名前はヘズと言うらしい)友達の鍛冶屋に行くことになった。そして、ここの手伝いをする代わりにここに住ませてくれる事となった。晩御飯を食べて、大浴場にも入らせてもらった。食堂は2階にあって、向こうの窓側の方には何やら掲示板とカウンターがあるが、その時はお腹がすいていたから、それどころじゃ無かった。けど、食べ物は全部見たことなくて、お腹がいっぱいというよりは疲れた。大浴場は通路で繋がっている別館にあって(というか別館全体が日帰り温泉だった。)人が沢山いた。お土産売り場もあり、見たことないキャラクターのキーホルダーや、知らない食べ物が置いてあった。本当にここは異世界なんだなって思った。和彦は興味津々って顔をしてる。和彦も十分顔に出てるよ。
さてと。こんな感じでなんとかこの日を乗り切ったけど、これからどうなるのかな。明日からは手伝いをしないといけないから早起きになるし、モンスターみたいなものと戦わなきゃいけなくなるし。今まで経験したことの無いものが待ち受けているんだろうな。でも、俺達はどんな事があっても、ずっと一緒に楽しんでやる!
第2部ー2
「来るのが遅いぞ、グリード。」
「は。すいませんモトロス様。」
「まあそんな事はどうでもいい。どうだ。新しい奴は来たのか?」
「はい。この世界にしては不自然な服、この世界の公用語以外の言語を使用しておりますので、恐らくニュクウェルと思われます。」
「そうか。それならいい。そのまま育成し、この地へ誘導するがいい。」
「はっ。」
「さてと、俺はまだそいつらが来るまでにやっておかねばならん物が嫌ほどあるんでな。また元の姿に戻るが、くれぐれも見つからないように。そして、察しがつかれないようにな。」
そう言ってモトロスは若き少年の姿に変身し、この場を去っていった。
「よし。モトロス様の言う通りこのまま計画を実行しろ。モトロス様がここへお戻りになられる予定は3年後だ。その時に丁度あのニュクウェルが来るように仕向けろ。」
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