神様の気遣いで転生したら聖女のペットに……。明日からは自立のため頑張って働こうと思う。

太陽クレハ

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十七話 ん?

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 俺はアリアの住んでいる屋敷に入ると、いろいろあったがアリアの自室に通された。

 部屋に入ってすぐに【ハーネットの指輪】を通してアリアに向かって言葉を投げかけた。

『……えっと、大丈夫か? 体調が悪そうだ』

『アリア様、体調が優れぬようでしたら……もうお休みなられますか?』

 アリアの疲れた様子に俺とリナリーは不安になって声をかけた。

 対してアリアは胸に手を当てて大きく息を吐いた。

『すみません、私……ドッと疲れが出てしまったのかもしれません』

『おう、温かくして寝るんだぞ?』

『そうですね。明日は魔法学園もお休みです。ゆっくりしてください』

 ベッドに横になったアリアに、俺はちゃんと休むように勧める。

 そして、リナリーも俺の意見を肯定するように頷くとアリアの体に毛布を掛けた。

『ありがとう、ノヴァ、リナリー』

 力なく笑ったアリアを見て、カーペットの上に座っていた俺はその場から離れようと立ち上がる。

 その時、あることを思い出し意思疎通のできる【ハーネットの指輪】の効果が切れる前にリナリーに視線を向けて問いかける。

『あ。リナリー、俺も休みたいから適当に倉庫とかでもいいから空き部屋ないかな?』

『……はい。案内します』

 リナリーは一瞬思考を巡らせると、案内すると申し出てくれた。

 歩き出したリナリーの後ろを俺はついてアリアの部屋から出ようとした。

 その時だった。

 アリアが少し恥ずかしそうに俯きながら語り掛けてきた。

『あ……あの』

『ん? どうした?』

 アリアの言葉が頭の中に流れて、俺は振り返ってアリアに視線を向けた。

『ノヴァ……あの……えっと一緒に寝てくれませんか?』

『ん? 今なんて言った?』

 俺は頭に流れてきた言葉を理解することができなかった。

 だから、思わず聞き返してしまう。

 今、一緒に寝て欲しいと言われた気がした。

 馬鹿だな。そんなことあるわけないだろ? なんたって、アリア……そして、リナリーには俺が元人間の男だということを話した。

 先日、元人間の男の俺とキスしたことを認識しただけで気絶してしまうほどにウブなアリアである。そんな彼女が俺と一緒に寝たいという意味が分からなかった。

 実際に宿屋では同じ部屋だったがベッドは離れていて一緒に寝るということはなかった。

『えっと、一緒に寝て欲しいのです』

『聞き間違いだと思っていたんだが……やっぱり言っていた。アリアも俺が元人間の男だと知っているだろ? なんで、そんな考えに至ったんだ?』

『ノヴァは元人間ですが……今はもふもふです。もふもふなんです! だからいいのです!』

『……? ん? んん?』

 ダメだ。俺の理解が追い付かない?

 どういうこと?

 俺がもふもふだからなんだと言うんだ?

『えっと、えっと、ノヴァに触っていると気持ちよくて……幸福な気分になって……嫌なことを忘れちゃうんです。だから、一緒に寝てください。お願いします』

 アリアは今にも泣いてしまいそうな表情で俺に懇願してくる。

 俺の理解は全然……全く追い付いていない。しかし、俺はアリアの表情を見て断れないことを察した。

 今まで黙って聞いていたリナリーが小さく笑った。そして、リナリーの声が頭の中に流れてくる。

『ノヴァ、今日はアリア様と一緒に寝てあげてください』

『そう……だな。わかった。わかった。今日はそうしようかな?』

 リナリーまで一緒に寝ることに対して賛成側に回られてしまったら、どうやっても勝てない。

『本当ですか? ありがとうございます。早く、ノヴァ、こっちに来てください!』

『なんだか、元気になってないか?』

『それは……言ってはいけません』

 アリアのベッドの上にあがると、俺はアリアによって毛布の中に抱き寄せられてしまう。

 俺を抱きしめたアリアはいい笑顔だった。

 その笑顔を見て、俺は仕方ないと気持ちになっていた。

 更に言うならば、前世では、目つきが怖く強面で子供には等しく視線を合わせるだけで怖がられて……よく泣かれていたのだ。

 それに比べたら……笑顔にできる現状は悪くないと思ってしまっていた。

 俺がそんなことを考えていると、アリアはすでにうつらうつらして眠りに入っている。すごく寝つきがいい子だ。

 アリアが眠ったことで、【ハーネットの指輪】の効力がそろそろ切れるかなと思っていると、リナリーの言葉が俺の頭の中に響いた。

『ただ、先に言っておきますが。ノヴァ。アリア様に手を出したら分かっていますね。もう一度私と決闘することになりますからね』

『いや、逆にどうやって手を出せと!?』

 その言葉を最後にアリアが使っていた【ハーネットの指輪】の効果が切れて、言葉が頭の中に流れなくなった。

 リナリーは静かに部屋から出ていくのを見送ると俺は一回あくびをする。

 そして、アリアの暖かいぬくもりを心地よく感じながらゆっくりと眠りについたのだった。



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