[完結] 伴侶は自分で選びます。

キャロル

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1 逃げるが勝ち

ガギーン キン キーン ガッ!ダン!

「参りました。」
ワーーーワーガヤガヤ

「勝者!ブルーローズ!」ワーワーきゃー

「キャー!青薔薇の騎士様~素敵~」

「また今年の優勝も青薔薇の騎士か、3年連続じゃないか、一体誰なんだろう?仮面で顔はわからないが、物凄いプロポーションだよなそれにあの青銀の髪、珍しいからわかりそうなんだが、正体は王国の騎士団長しか知らないらしいぞ!だが、人間なのに獣人より強いってすげーよな」



「リリィ、優勝おめでとうこれで3年連続だな、人間が連続優勝とは、あちらはさぞ悔しいであろうな、しかも今回は竜種の獣人に勝ってしまったが、相変わらず見事な剣技だな、まるで舞のように美しく無駄がない。」

「ライおじ様の指導の賜物です。ありがとうございます。今の私があるのはおじさまのおかげです。いつものように賞金はおば様に渡しておいてもらえますか?」

「もう行くのか?今度はいつ帰る?」

「深層の森に魔物の気配を感じましたので退治してから帰ります。おそらく20日程で戻ります。では、後(授与式)よろしくお願いします」

面倒な表彰式はおじ様に任せてさっさとここを離れないと、おそらくここに私の番がいるはず、見つからないように番阻害の魔道具装備してるけど、早く立ち去るに限る。

試合会場の控え室を後にして出口に向かった。
出口に人影が見えたが逆光で誰かわからない、体躯からして大会の出場者のようだけど、。

ペコリと頭を下げ通り過ぎようとしたら手首を掴まれた。

「痛い、何するんですか?離してください。」
男は更に力を入れた。馬鹿力の獣人が痛いって言ってんのに、こっちはか弱い女子なのよ全く!

「お前は何者だ?こんなに折れそうな細腕なのにあの強さ、それにお前からはなんの匂いもしない、試合直後で汗をかいてるのに匂いのない人間がいるはずない」

「とにかく、離してください。(そんな馬鹿力で握ったら腕輪が壊れちゃうじゃない)匂いがないのは私もうら若き乙女なんですから汗の匂いは気になりますから、魔法で消臭してるんです。答えましたよ、離してください」
早くここから出たいのにいい加減にして欲しい。

「……確認したいことがある、消臭をやめてもらえないか?」
何言ってんだこいつ、変態か?

「…お断りします。気持ち悪いです。汗の匂い嗅ぎたいなんて、とにかく離してください、」

「ち、違う、そういう意味じゃない、どうしても気になる事があるんだ」

掴まれた腕を引こうとしたら、腕輪が抜けた。まずい!急いで取り返し、素早くつけて、逃げた。

「おい、ちょっと待て!お前は、俺の番…か?」

後ろで叫んでる男を無視して身体強化して逃げ切った。おそらくアイツだ、…まじか!ほんとに居たんだ番、匂い嗅ぎたいとかありえないんですけど、やっぱり獣人ていやだわ、ナイナイ、今度は抜けないようにピアスタイプ作らなきゃ。
あの男にさえ近づかなければ大丈夫だから、仮面つけておいて良かった。あいつは確か決勝で戦ったやつ……確か名前は…グラ、グラシオス=レイって言ってたっけ?

レイ?レイ?獣人国って確かレイ王国……!!詰んだ、王太子だ、最悪だよりによって、……?ん?逆にラッキーかあ?
王太子ともなればそうやすやすと城下には来ないだろうし、仕事は王城だろうし、魔物討伐の時だけは気をつけて別隊に参加すればいいし、その辺はおじ様に頼もうっと、今日出発しようと思ったけど、先におじ様にさっきの事連絡しておかなきゃ、私の紋様の事知ってるけど、番を避けてるのを知ってるから、うまく誤魔化してくれると思うけど、


裏路地に入りあらかじめ用意してあった部屋に入りマジックバックからシンプルなワンピースを取り出し着替え、髪色を青銀からおじ様と同じ黒に変え仮面を外し念の為ふうど付きのポンチョコートを羽織っておじ様の家に向かった。

おじ様に私のことは誤魔化すようにお願いして私は予定通り魔物討伐に出かけた。10日で討伐を終えおじ様の家に向かう途中突然道を塞がれた。




「やっと見つけた。かなり探したぞ!」
なんだ?と声のする上を見ると、アイツだった。厄介なのにあってしまった。

「どなたか存じませんが、先を急いでいるのでどいてくれませんか?」

「なっ!決勝で戦ったじゃないか、忘れたのか?それに俺はお前の番だ!」
うわ、めんどくさ!私の1番嫌いなやつ

「誰かとお間違えじゃないですか?私はあなたを存じ上げませんし番でもありません。先を急いでますので失礼します。」

くるりと向きを変え立ち去ろうとしたら、腕を掴んできた。

「イタ!離してください。人違いです。私は違います。」
はぁ、どうしようかな、疲れてるから魔法使いたくないけど、足止めして逃げるしかないか。

「いや、間違いないお前だ。」

「はぁ、参考までに伺ってもよろしいですか?なぜ、私だと?」

「匂いだよ」

「は?」
出た、また匂いですか?

「お前から匂いが全くしない。後、お前の魔力、…私は獣人だが魔力が少しあり魔力を感じることができるんだ。魔力の質は皆違う匂いが違うように、その髪色は魔法で変えてるだろ?お前の魔力は綺麗だからすぐわかった。」

匂い消したのが原因だったとは盲点だった。改良が必要かな?魔力の質かぁ流石に私でも無理かな鑑定でもしない限りわからないから、彼特有なのかも、ちょっと厄介かも、でも番独特の感覚は感じてないみたいだからとりあずいいか?


「それで?御用はなんでしょう?先を急いでますので、用がなければ失礼させていただきます。」
去ろうとしたら、また腕掴んできた。全く失礼なやつだ。

「用はある、君が私の番だから、一緒に来てほ_」
言わせるか!

「急いでますので、失礼いたします。」

「ちょっと待て!私たちは番だからお前は私と結婚しなければならない法で決まってる。」
ばかか?私には当てはならないんだよ。

「お断りいたします。番だから結婚する?そこに愛はないでしょう?まるで呪いですね。理解できません。あなたにとって番とはなんですか?きっとただ子孫を作るだけの道具なんでしょうね、そんなのお断りです。私は愛する方と結婚しますので、私には番はおりませんというより、要りません。私はあなたの番ではありません。以上。では失礼します。」

「待て!法で決まってるのに従わないのか?」
はぁ、だから、面倒なのよ、番というやつは

「本当に私が番なんですか?あなたの勘違いじゃないんですか?今私に番衝動感じますか?感じてませんよね?間違いなくあなたの勘違いです。 仮に私があなたの番だとしましょう、それでも私にはそれに従う義務はありません。私は一時的にグラント王国の方にお世話になってますがグラント国民ではありませんのでその法には従う義務は発生しません。失礼いたします。」



__グラシオス__

あっという間に自分の前から消えた少女の顔を思い出しながら、彼女が言ったことを考えた。
番は子孫を残す道具、そんなこと思ってない竜人にとって番は唯一無二の存在で愛すべき存在、愛すべき……彼女は愛する者と結婚すると言っていた、ならば、私が彼女に愛されれば良いではないか、外見は悪くないはず、寧ろ獣人は見目麗しいものが多く人間に好かれるはずだ。

次に彼女にあったら口説いてみよう。

そいいえば、彼女の素顔は美しかったな、あれ程の美しい者に会うのは初めてだあれが私の番、美しく強い。

レイ王国の王太子妃に相応しい。さすが私の番だ。

さて、王に報告して彼女の素性を探らねば、またすぐ会える必ず探し出して見せる。



__流石、番至上主義、拒否されれるとは思っていないポジティブ思考です。__
感想 6

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