番かぁ、わかってるんです。もう少しお待ちください。

キャロル

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第3話 あなたは番にお願い事されたらどうしますか?(キャロル・カリッシュの場合)

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「アレ?ザック?どうしたの?」

 リーシャの番と鉢合わせドッキドキ事件から早2週間いつもより早く帰るコールをしてきたザック。

 勿論コールを受けたのは定番となっているリーシャのプライベートルーム
 いつもならゲート開いてリーシャの手作りご飯を3人で食べているが、この日は自宅(2人の)で2人で過ごしたい、というザカライヤの希望によりキャロルはリーシャの作った夕食をしっかりとテイクアウトした。

 久しぶりに2人での食卓に若干寂しさを感じたが間違ってもその事は口に出してはいけないと心に留めたキャロルだった。

 そんなキャロルの表情は心ダダ漏れだという事に本人は気づかない。
 まぁ、そんな所もザカライヤにとっては愛しいのだが、、。

「うーん、キャロル突然なんだけど僕と暫く旅行に行かないか?」

「旅行?お出かけじゃなくて?…………、本当に突然ね、ザックと旅行は嬉しいからもちろん行きたいけど、暫くってのがちょっと気になるなぁ、なんかあったの?仕事で失敗?左遷とか?」

「左遷って……、凄い言葉だね、失敗、ではないかな~傍観?……戦略的撤退ってとこかな~」

「言ってる事よくわかんないんだけど、仕事で失敗した訳ではないのね?でも撤退って?何から撤退?なんかの作戦?シークレットミッション的な感じ?私達の旅行となんか関係あるの?」

 珍しく歯切れが悪く苦笑いのザック、お互いのオーラがをある程度感じる事ができるから悪い感じは受けないけどなーんかモヤっとする。

「どうかな?嫌?」

「嫌ではないよ!まぁ、いいけど、いつ?」

「今から」

 流石にそれ無理っしょいろいろ準備あるでしょ?

「は?今から?旅行っていろいろ準備があるし、もしかして日帰り旅行とか?」

「いや、日帰りじゃないよ!うーん………多分5~7日くらい?」

「え?そんなの無理よ!準備せずにそんなに長くなんて、せいぜい2、3泊ならわかるけど。
 それに明日は予定があるし。」

「その予定キャンセルしてくれる?」

「キャンセルって………、いくらザックのお願いでもそれ聞けないわ!明日はリーの作った魔石に魔法付与する約束なの。旅行は……明後日からにしようよ、ね!やっと完成しそうなの!この魔法付与の有用性ザックも知っているでしょ!」

「有用性ねェ~(それ、諸刃の剣なんだよね~、むしろ完成されたら困るかな~)」


 ご利用は計画的にをもっとうにしているザックの発言とも思えない無計画発言。

 怪しい。

 シークレットミッションどころかシークレットにしちゃいけないミッションじゃない?

「その魔法付与なんだけど、延期、いや中止にして欲しいかな。」

「無理よそんなの、あの魔石作るのにリーがどれだけ苦労したか知ってるでしょ、やっと渾身の魔石が出来て試作段階に入ったのに、アレができれば狂症で苦しむ人や自害する人を助けることが出来るのに」

 そりゃ~動機は番からちょっとの間自由になれるアイテム作っちゃおう!って不順だったけど、寿命の半分過ぎても番と出会えないほんの僅か。

 番なしの中でも1割にも満たない人がかかる狂症を防ぐ事が出来るかもしれない魔導具なのに。

「それは知ってるけど、(それが完成すると問題も起こる)」

「でも、苦む人の助けになるのよ、ザックだって苦む人達がいてそれを助ける手段が見つかるかもしれないって希望が見えたら、途中でやめないでしょ!今やっと最終段階なの!」

 リーの魔石が完成したのよ誰にも出来ないことよ!リー頑張ったんだから!

「はぁ、可愛い可愛い僕の愛しいキャロル、熱くなってる所申し訳ないんだけどね、1番大事な肝心な事に気づいてないんじゃないかなぁ」

 私を抱き寄せ頭に口付けて頭を撫で髪をクルクルと指に巻き付けながら、子供を諭すようによく考えてごらんって自分の膝に私を乗せた。

「肝心な事?え?付与する魔法展開も完璧よ!魔石もかなり純度が高いはず。前回の魔石もかなりのものだったし、既に天然魔石を超えてたわよ!他になんか足りない?………わからないわ。」

 魔導具の完成を頭で何度もシュミレーションしてみたが成功する姿しか浮かばないんだけど、何を見落としてる?
 ザックが気づけて私が気づいてない、なになに~気になる~わかんない~

「ザック、降参!全然わかんない!教えて~」

 うわーいつになく腹黒笑~

「いいけど、教えたら僕のお願い聞いてくれるよね?」

 お願いって旅行の事かな~それならいいけど、

「答え次第だけどお願いって旅行の事よね!すぐは難しいと思うけど~一応いいわ!」

「じゃぁ、教えてあげる。
 まず第一にその魔道具はリーシャ嬢しか使えない、っていうかリーシャ嬢用しか作れないつまり世界にただ1人にしか作用しないリーシャ嬢とその番にしか効果がない魔導具なんだよね!
 つまり狂症の治療としては使えないんだ。」

 え?どういう事?リーしか使えない?なんで?

「どうして?なんで リーしか使えないの?」

「よく考えてごらん、魔石の出所は?」

「リーの魔力」

「正解!で、魔石の精製方法は?」

「魔力を……具現化して……何かでコーティングして、えーっと圧縮?だったかな?」

「正解!で、そんな事出来るのは?」

「あ!リーしかいない」

「正解!もうわかっただろ?その魔道具の原料は本人の魔力で作った魔石そんな神のみ技のような事出来るのこの世界にリーシャ嬢以外いないでしょ!しかもそんな事出来るの他の国のお偉いさんに知れたら大変な事になると思いませんか?
 確実に誘拐頻発案件ですよ!」

 確かに私の様に結婚してるならまだしも未婚で番が判明してないとなると、まずい事になるじゃん!

「あ!………そこまで考えてなかった!でもね魔道具の事はわかったけど、それと旅行とどう関係するの?」

「それはね!リーシャ嬢の番にリーシャ嬢の存在がバレたんです。
オマケにその番の存在を知っていながら隠し感知されない様番認知阻害幇助ホウジョしていた事も知られることになったんですよ。」

「ウゲ!マジカーそれってちょっとやばめ」

「そうですね~相手は皇族ですから、おやおや、そんなに顔色悪くしなくていいんですよ。幸いにも私達は妖精国の者ですし、まぁ見過ごしてもらう条件としていまキャロルが開発中の小型魔道通信具を10セット皇室に収める事とこれ以上、皇帝弟殿下の邪魔しない事で今までの4年間の隠匿は目を瞑るそうです。」

「4年……そこまでバレてるんだ…」

「そうですね~見つかったはずの番に会えない4年…長いですね…」

…………。


「では我が愛しのキャロル、リーシャ嬢へのお断りの連絡する時間は与えて差し上げます。
 その間に全て準備しておきましょう。」







ブブブブブ-

「はーい、キャロどうした~?なんかあった~?」

「えーっと、ちょっと急なんだけどーザックとこれから旅行行ってきます。
多分7日間くらい?かな?」

「え?」

「んじゃ!お土産買ってくるから、魔道具の件は帰ってから考えよう!
じゃ~ね~」

「チョ!ちょっと~ 、…切れた…旅行はいいとして、魔道具の件考えようってどういう事?何をどう考えるのよ!嫌な予感しかしないんだけど」









「ザック~ちゃんとリーに旅行行って来るって連絡したよー」

「早かったですね~コッチも支度できましたよ。では早速行きましょう。
せっかくですから久しぶりに魔道列車で景色堪能しながら行きますか?」

「うん」









キャロル.カリッシュ番にお願いされたら上手に手玉に取られた。


戦略的撤退ナウ

決して友人を生け贄として逃げたわけでは……ない。
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